
スウェーデン語の絵本屋であるLilla Bokhandelnはネットショップ。突然ですが、実店舗をひらくことにしました。
ここまでの経緯はこちら。
まずいことになりました。これまでの発言の一部をある意味で覆さなくてはならないかもしれません。
これまで神武寺に「何もない」という形容をしてきましたが、その「何もない」ということ自体が神武寺の本当の魅力だということに気が付かされた土曜日。
少し大袈裟な表現かもしれませんが、まさにスウェーデンを感じさせる自然豊かな空間を体験してきました。
フリーペーパーから始まったピクニック

湘南ビーチFMの発行するフリーペーパー
今回、神武寺にお店を構えるにあたり、内装やら何やらで(ご想像の通り?)相談家具屋さんにご協力をお願いしています。先日打ち合わせの際に相談家具屋さんを訪れた際に、湘南ビーチFMが発行するフリーペーパーが置かれていたのでサっとカバンに忍び込ませました。
家でじっくりとそのフリーペーパーに目を通してみると、表紙には「池子の森と神武寺の森」と書かれています。神武寺の裏参道は一度だけ訪れたことがあるのですが、「池子の森」に関してはウワサに聴いていただけで実際に行ったことはありませんでした。
その「池子の森」は土日/祝日にしか開放されていないということなので、さっそく週末を利用してピクニックへ出掛けてみることにしました。
とてもわかりづらい神武寺側の入口

線路を渡ったところから振り返って撮影
これまでは米軍住宅の敷地に含まれていたため日本人が立ち入ることがカンタンではなかったエリア。そこが2016年3月に開放されて自然公園となったエリアがフリーペーパー表紙にある「池子の森」です。
この森が開放されたばかりであるせいなのか、それほど関心が無いせいなのか定かではありませんが、普段利用している神武寺駅ではこの森に関する案内をみた覚えがありません。
とはいえ、神武寺方面からの森への入り口はどこにあるか知っています。神武寺駅から相談家具屋に向かう途中にある踏切を渡るのです。

線路を渡ってスグの光景
線路を渡っても、まだどこにも森の存在を教えてくれるようなウェルカムな看板は見当たりません。(2016年07月02日現在)
ちなみに撮影したらマズそうだったので写真はありませんが、道の右側は米軍住宅に入るためのゲートがあります。

英語にビビらずに進みましょう
英語で書かれた看板が物々しい。この先に開放された公園があることを知っているヒトでないと怖くて入れる雰囲気ではありませんが、とりあえず進んでいきます。

管理棟前の地図看板
踏切を超えてからは左手に運動場や野球場などを見ながらしばらく進んでいくと、やがて管理棟が見えます。その建物の前に建てられた看板によると「池子の森自然公園」というのが正式名称っぽいですね。
ちょっぴりDANGERなエリアも

消火栓がちょっと外国風?
元々は米軍施設の一部だった名残がちらほらと見られますが、山火事が起きた時のために設置されたと思われる消火栓もなんだか外国風。
そして突然姿を表す大きなトンネル。

とつぜんトンネル
自分たち以外に周りに誰もいません。この先に本当に公園があるのか疑ってしまいます。

結構おおきい
店長と比べればわかりますが、かなり本格的な大きいトンネルです。
基本的にクルマ進入禁止エリアなので、車もほとんど来ません。この立派なトンネルの真中を堂々と歩いて奥へ進みます。

DANGER★
フリーペーパーによると昭和12年から日本帝国海軍に弾薬庫造成地として接収されていた過去もある土地だそうで、こういった戦争の歴史もちょっと垣間見られます。
東京では残っていないような戦争関連施設の名残がヨコハマ・ヨコスカ方面には結構残っているんですね。ちょいノスタルジック。
不明な物体を見かけたら絶対にさわらないで報告してください、とのことです。デンジャーじゃ!
個人的には途中で見かけた小道への入り口に立てられていた「マムシ注意」の看板の方がデンジャーを感じます。

英語がちらほら
基本的にはクルマ進入禁止と書きましたが、実はちょこちょことクルマが通ります。開放されたエリアのさらに奥に何か施設があるようで、そこに向かうアメリカ人さんがクルマを走らせているのです。
ただ、その施設が何なのかは未確認。なんだか色々とナゾを含んだ不思議な空間です。
山に囲まれた草原が広がるエリアへ

山間に広がる草原
アスファルトで舗装された一本道を進んでいくと、やがて山に囲まれた草原が目の前に現れます。
しかし、土曜日の真っ昼間というのに公園の利用者はちらほらという超穴場スポット。目に見える範囲で10組いるかいないかぐらいで、ボール遊びをしたりハンモックで昼寝をしていたり、そこには本当にゆったりとした時間が流れていました。

木陰でピクニックも
なんでも数十年のあいだヒトの手が入らなかったらしく、結果として貴重な森がそのまま残るカタチとなっているようです。米軍による接収地であったことや、弾薬庫であったという歴史が、皮肉にも功を奏しているのかもしれません。

ホタルも見られる小川
逗子ではホタルを見られるスポットがいくつかあるらしいのですが、ここではゲンジボタルとヘイケボタルの両方が確認できる貴重な場所なようです。
看板にそう書いてあっただけで、どれほど貴重なのかはよくわかりませんが、とにかくなんだかスゴイです。ホタル界の源平合戦や。

外来魚のいない池
メダカも生息しているという池も。重々しい柵などで囲まれたりもしておらず自然のままです。

細道の奥に何があるのか覗きこむ店長
所々で森に切れ目があり細い道が点在していることに気が付きます。細い道は木の枝のトンネルになっていて、まさにトトロのような世界。
その細い道を進むと何があるか。それは実際に訪れた方の楽しみのためにとっておきましょう。
それにしてもこの自然に対する人口密度の感じがスウェーデンっぽい。木に囲まれた自然の中を歩いていて誰ともすれ違わない、ちょっと不安を感じてしまうようなシチュエーションがまさにスウェーデンを髣髴とさせるのです。
夏はもちろん緑に囲まれているのが楽しめるし、春にはサクラを眺めたり、秋にはどんな感じで紅葉するのかも楽しみですね。冬はちょっとしんどいだろうけれども雪が降ったら行ってみたい。
ちなみにスウェーデンをはじめとした北欧には自然享受権(Allemansrätten)という法律がありましてゴニョゴニョ…長くなるのでこの話は機会がありましたらまた今度。気になったら検索してみてくださいな。
開放されたことが後悔につながらないように
この自然公園には監視の目が多くはありません。どうやらボランティアスタッフの方がバッヂをつけて巡回をしてマナー違反な利用者を見かけたら注意をするという対策のようです。
ここで願いたいのが、自然の享受の仕方を勘違いした人間がこの地を訪れないこと。あえて厳しい言葉で書きますが、自分が捨てたゴミはそのうち風に吹かれてどこかへ行くだろうと考えるような想像力の乏しい人間にこの森を訪れてほしくはありません。
自分はどうなのかというと、ボランティアでゴミを拾うような親切心は残念ながら持ち合わせていませんが、その代わりに自然に負担を掛けるようなゴミを放るようなことは絶対にしません。
本来は先述のようなボランティアスタッフの方が巡回する必要もないのがフツーですからね。池に柵が設けられたり、常に監視員が目を光らせなくてはいけないような空間にしないためにも、マナーを守ってこの貴重な自然と付き合っていきたいものです。
うむ、校長先生のお話のようだ。
mvh ビョルネン・ソベル