
18年07月17日(火)はれ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。
- 2018年8月のガイダンス開催日
- 07月28日(土)16時~17時
- 08月02日(木)16時~17時
- 08月04日(土)16時~17時
- 08月23日(木)16時~17時
- 08月25日(土)16時~17時
- 18年8月28日(火)「森のブローチづくり」
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今日のリッラ・カッテン

週末に読み終えました、「かもめ食堂」。ずっと放置しっぱなしでしたが、いざ読み始めると2日にわけて数時間ほどで読み終えてしまいました。
(ここで超久しぶりにクイズです。読んでいる途中にマディッケンが邪魔しに来たので、表紙の絵を見せて「これ何?」と尋ねてみましたが、その答えはなんだったでしょうか。答えは最後に。)
この本を原作として、あの映画作品の「かもめ食堂」がつくられたということですが、映画にはあって原作にはないシーンがある一方で、逆に原作でしか披露されていない逸話もあり、お互いにうまいこと補完し合っている感じですね。原作の宝くじのエピソードは、作者の方はあえて狙っているのだと思いますが、助走となる逸話も含めて最高のデキレースぶりで、逆にものすごく印象に残ってしまいました。
かもめ食堂もオープン当初はヘルシンキの人々に偵察されるように、ガラス越しに店内を覗き込まれている描写が幾度か繰り返し登場していますが、リッラ・カッテンもよく外から覗き込まれています。店内からその様子を見ると、ちょっと異様な光景に写ることもありますが、歩道より床が一段上がったところに店が建っているので通りすがりに店頭に並んだ商品を一瞥するのが困難なせいでしょうか。
主人公のサチエさんが頑なに自分の理想とする店舗運営像を守ろうとする一方で、世間に寄り添うべきかどうかを葛藤する様子もまたリッラ・カッテンっぽいなと。リッラ・カッテンがあえて”フィーカ”や”北欧”の言葉を積極的に使わずに”スウェーデン”というキーワードにこだわっていることと、かもめ食堂が日本の伝統おにぎりにこだわりを持ってスタイルを崩さないことには共通点を感じました。
でも、原作のかもめ食堂は思ったよりもトントン拍子にお客さんで賑わうお店になっていくんですよね。いまのリッラ・カッテンの理想とする姿は、この本でいうところの109ページあたりの状態かな。
リッラ・カッテンももう少しだけ背伸びができるように頑張ろう。

余談ですが、「かもめ食堂」は『仮フランス装』という製本が採用されていました。いつぞやデザイン系の雑誌で紹介されていた製本方法で、「のぼうの城」などを手掛けた和田竜さんのほとんどの作品がこの仮フランス装とのこと。
「ハードカバーと違って、寝転びながら読めるところがいい」という紹介をされていたのですが、たしかにハードカバーとソフトカバーの中間っぽい感じで身軽さが素晴らしい。仮フランス装が採用されているというだけで和田竜作品を集めたくなってきます。
いつかこの製本方法が採用された実物を手に取ってみたいと思っていたので、得した気分。読書はそれほど好きではないのに、本そのものには興味があるんでしょうね。自分の本棚にスウェーデン語の絵本が増えるのが楽しいのも、そういうことだと思います(老後に読む予定)。
答:カブトムシ

Matti bor i Finland av TEXT: Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)
ビョルネン・ソベル