スウェーデンおもひで噺 #05「初めてスウェーデンに行ったときの噺(2)」


初めてスウェーデンに行ったときの噺(2)

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大学2年時に実施された、大学主導の研修旅行で初めてスウェーデンを訪れた自分。

しかし、スウェーデン語を専攻しているハズなのにスウェーデン語をほとんど勉強していなかったので、当然スウェーデン語がロクにわからない。ちなみに英語もできない。

スウェーデン人とコミュニケーションを取らなくてはならない場面に出くわす度に、居心地の悪さを感じるというフラストレーションの嵐に見舞われました(いまでもスウェーデン語でのコミュニケーションは十分ではないけれど)。

研修旅行は隔年で開催されていたのですが、当時2年生だった自分の回には、同時に3年生も参加していました。その3年生のなかに、スウェーデン語が優秀な先輩がいたのです。

現地スウェーデン人の先生によるスウェーデン語の説明を率先して生徒の前で日本語に通訳したり。その姿を見て、次第に「もっとスウェーデン語がわかれば楽しいものなのかな?」と考えるようになりました。

前後半に分かれていた研修旅行は、前半は国民高等学校に滞在してのスウェーデン語授業を中心に、そして後半はスウェーデン各地の都市を訪れての文化体験を中心に構成されていました。

憶えている限り訪れた都市の名前を羅列すると、ダーラナ、ゴットランド、キルナ、ストックホルムなど。短い滞在期間の割に、20名ほどの日本人集団でよくこれだけ周ったものだと、今では感心してしまいますが。

研修旅行で一団が最後に訪れた街はストックホルムでした。その地で、自分はスウェーデンにリベンジすることを決めたのです。スウェーデン語がちょっとわかるようになってから、もう一度スウェーデンを訪れたらどうなるものか。スウェーデン語が理解できるようになったときの楽しさを体現したお手本として、例の3年生の存在も大きかったです。

東海大学には交換留学制度があり、スウェーデン語専攻の生徒のなかから毎年2~3名ほどがストックホルム大学へ派遣されているのは知っていました。大学を代表して派遣される立場になるので、留学希望者の間で選考試験があったり、大学での成績が優秀でなくてはなりません。

スウェーデンへのリベンジもそうですが、これだけ大学の成績が悪い人間がいきなり勉強を始めて留学を目指すなんて言い始めたら周囲は驚くだろうというイタズラ心も。いや、後者の理由の方が大きかったかな。

とりあえず、ストックホルムのホテルについてから自分が取った行動は引きこもり。ストックホルム大学への留学に成功すれば、イヤでも毎日この街にいることになるのだから、この研修旅行で滞在する数日間はストックホルムをまったく観ずに日本へ帰ろうと。

勝手に決意を固めた自分は、友人たちにも詳しいことは話さず、「自分はホテルに残るけど、構わずストックホルム観光してきて」と。いまでもあんまり変わらないけれども、当時から集団行動できない人間ですな。

日中に学友たちがストックホルム観光に出掛けて夕方以降にホテルへ戻ってくるまでの間、自分は早速ホテルの部屋でスウェーデン語の勉強を始めました。

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リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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