スウェーデン語絵本の100冊読書メモ@027冊目:Nils Holgerssons underbara resa

多くのスウェーデン語絵本を扱うリッラ・カッテンが、自分たちで実際に読んだスウェーデン語絵本を紹介します。目標はとりあえず100冊です。お店では扱わない作品、または絶版の作品もあるために入手が難しい絵本も含みますがご容赦ください。

1962年出版

Nils Holgerssons underbara resaニルスのふしぎな旅

原作:Selma Lagerlöf(セルマ・ラーゲルレーフ)

日本でもかつてアニメ化されたことのある「ニルスのふしぎな旅」。この作品の名前を知っているけれどもスウェーデンから誕生したものであるということを知らない方もいるかもしれませんが、すくなくとも日本におけるスウェーデンに対する認知を上げることに貢献した作品です。

大雑把にあらすじを紹介すると、妖精にいたずらをして体をちいさくされてしまったニルス少年が、ひょんなことからガチョウと一緒にスウェーデンを回って旅するというお話です。本来はスウェーデンの子どもたちに向けた地理学習の教材として著された物語で、1906年から1907年に掛けて発表されました。

この絵本は1962年に映画化された作品のフィルムを利用して作られました。1960年代から1970年代に人気の子ども向け映画のフィルムから絵本をつくるというちょっとしたトレンドがあったのか、「長くつ下のピッピ」をはじめとした実写版絵本が数冊ほど確認できています。(日本にもそのような傾向はあったのでしょうか)

ラーゲルレーフが手掛けた本来の児童文学版ニルスは想像以上に文字量が多く長い作品で、見た目の堅苦しさからイメージのギャップを感じる方もいるかもしれません。かく言う自分もオリジナル版を目にして、非常に取っ付きにくい印象を受けました。とても原書を読む気にはなれません。

「ニルスのふしぎな旅」はもちろんイラストで描かれた絵本も存在しますし、日本語にも翻訳されているので、スウェーデンの地理に興味を持ったらまずは親しみやすいと感じられる本から手に取ってみることをおすすめします。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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