多くのスウェーデン語絵本を扱うリッラ・カッテンが、自分たちで実際に読んだスウェーデン語絵本を紹介します。目標はとりあえず100冊です。お店では扱わない作品、または絶版の作品もあるために入手が難しい絵本も含みますがご容赦ください。
1976年発表
Alfons och hemlige Mållganアルフォンスと秘密のモルガン
作:Gunilla Bergström(グニッラ・ベリストルム)
1972年に第一作が発表されたアルフォンスシリーズ。日本語も含めて世界の30ほどの言語に翻訳されており、絵本はもちろんテレビアニメ化もされたことのある、スウェーデン人なら誰でも知っているであろう人気シリーズです。
アルフォンスはごくごくフツウの5才児(作品によっては7才児として描かれたり、お話によって年齢は前後することがあるようです)。高層住宅に優しいお父さんと一緒に住んでいて、一連のシリーズのなかでお母さんの存在について明確に言及されている場面はないようです。
アルフォンス作品は基本的に子供目線からの日常を描いており、多くの子供からの共感を得られることが人気の要因なのでしょう。この『アルフォンスと秘密のモルガン』では、アルフォンスが空想のなかで描いている友達のモルガンが登場します。モルガンの姿はアルフォンスにしか見えません。
しかし、優しいお父さんはモルガンの存在を認めており、アルフォンスがモルガンのための朝食を用意することやモルガンのためのお別れのハグを要求すると、きちんとその空想遊びに付き合ってあげます。
この絵本を読んだ子供の心のなかにもきっと、秘密の友人ができることでしょう。
ビョルネン・ソベル