多くのスウェーデン語絵本を扱うリッラ・カッテンが、自分たちで実際に読んだスウェーデン語絵本を紹介します。目標はとりあえず100冊です。お店では扱わない作品、または絶版の作品もあるために入手が難しい絵本も含みますがご容赦ください。
2007年発表
En stjärna vid namn Ajaxアヤックスという名前の星
作:Ulf Stark/絵:Stina Wirsén
アヤックスという7歳のイヌを飼っている家庭に、ヨーアンという男の子が産まれました。ヨーアンが大泣きしてもアヤックスを目にすると笑いました。
2人は寝るときも一緒、遊ぶときも一緒、ヨーアンがはじめて喋った言葉も「ワン」だし、ソーセージも分け合う仲です。しかしヨーアンが7歳になる頃、年を重ねたアヤックスは眠ったまま起きなくなってしまいました。
そこでヨーアンは馬に乗って星になったアヤックスを連れ戻そうと考えました。ヨーアンは無事にアヤックスを見つけ出して連れて帰ることができるのでしょうか、といったストーリー。
冒頭から中盤まではよくある展開でありながら、結末はすこし不思議な印象。もし自分が子供の頃に読んでいたとしたら、「あの結末はどう解釈したらよかったのだろう」と漠然とココロに残り続けていただろうなと思います。
ストーリー作者とイラスト作者が別々の作品ということで、ウルフ・スタルク(Ulf Stark)による抽象的なストーリーから想像を膨らませてイラストに起こしたスティーナ・ヴィルセン(Stina Wirsén)に拍手です。
日本でも数多くの作品が翻訳されているスウェーデン絵本作家の2人がコンビを組んで作り上げた作品。それほど難しいスウェーデン語の語彙力がなくても楽しめると思います。
ビョルネン・ソベル