2017年6月から7月にかけて、北欧スウェーデンとフィンランドへおつかいへ行くことにしました。その様子を準備段階からまとめていきます。
大学のとき、はじめてスウェーデンに行ったのは研修旅行。そのときにはおそらくまだiPod(iPhoneではない)も存在していなかったため、ポータブルCDプレーヤーとお気に入りのCDをスウェーデンに持ちこんで音楽を楽しんでいました。
誰に共感してほしいとか、こんな音楽を聴いていてオシャレだとかいう演出をする気もないので、あまりご存じない方も多いと思いますがthe pillows、真心ブラザーズ、ブルーハーツといったアーティストのCDを聴いていた記憶があります。
中学、高校、大学時代までたくさん音楽を聴いてきたと思いますが、大学を卒業してからいつしかあまり音楽に触れないようになっていました。大学生という社会的モラトリアム全開の立場から社会に解き放たれてしまったことで、音楽を楽しむ精神的余裕も持てなかったのでしょう。
カッテンを初めてから少しだけ音楽に対する接し方が変わったような気がします。CDを買ったり借りたりというステージまでは行かないものの、ネットを介して接することのできるひと昔前のアーティストの作品も積極的に聴くようになりました。結構、アーティストの所属事務所がYouTubeなどでミュージックビデオなどを公式で配信してくれているんです。
すこしだけ音楽に対する態度が軟化した今、スウェーデンへ行くことを決めてから、夜のストックホルムの滞在先で窓の外を眺めながら聴きたい曲はなんだろうと考えるようになりました。そこで1枚のCDを注文したのです。
選んだ曲は、ROCKETMAN(ロケットマン)のサードアルバムに入っている一番最後の曲、「I wanna feel your love & voice」でした。どういう経緯なのか、山下達郎のバンドであるシュガーベイブの「DOWN TOWN」とほぼイントロが同じという不思議な曲なのですが、自分にとってはROCKETMANの「I wanna ~」の方が思い入れのある曲です。
どこかで書いたことがあるので覚えていらっしゃる方もいるかと思いますが、ROCKETMANはタレントの”ふかわりょう”の音楽活動名義です。そして”ふかわりょう”の名前を出すことなく、ROCKETMANとして「ROCKETMAN SHOW!!(ロケットマンショー!!)」という深夜ラジオを担当していました。
ROCKETMAN SHOW!!は何度か時間や曜日を変えて放送していたのですが、基本的には土曜日の25時から29時までが放送時間でした(ラジオ業界ではそういう24時間表記の仕方があります)。土曜日の深夜から最後まで聴くと、もう日曜日の午前中は睡眠時間で塗りつぶされることは確定です。そのようなリスクを背負ってでも聴きたいと思えるラジオ番組でした。
季節が夏だと放送終了1時間くらい前には日の出を迎え、放送終了時間を迎えるころには窓の外は太陽が燦々と光る時間になっています。その放送終了時のBGMとして使用されていた曲が「I wanna feel your love & voice」なのです。いまでもこの曲を耳にすると深夜から早朝に掛けての楽しい時間が終わりを告げるエンディングトークが聴こえてくるような気がします。
自分の人生全体の3%ほどを過ごしてきたストックホルムに対する郷愁感と、毎週その時間を楽しみにしていた深夜ラジオのエンディングテーマ曲という郷愁感。この2つをミックスするとどんな感情が生まれるのか。そこに興味があるのです。
ちなみに全然スウェーデン関係ないですけれども、自分がこうしてほぼ毎日のように何かしらの文章を書き続けられているのはROCKETMANことふかわりょうのおかげです。タレントという立場でありながら、深夜ラジオでは正直に世の中の問題に対して自分の意見を発表していたことに感銘を受けました。
というわけで、「I wanna feel your love & voice」はちゃんと自分のiPhoneに入れておきました。ちなみにYouTubeなどでこの曲を聴くことはできないので、どんな曲だろうと興味を持ってくださった方は頑張って手に入れてください。
ちなみに、自分のiPhoneには「世界の車窓から」も入っていますが、もうこれはすでに以前にスウェーデンを訪れたときの電車移動時に聴きました。
最後にすこしだけスウェーデンに関することを。
スウェーデン人の多くがその存在を知っているバンド、KENT(ケント)。最近(2016年末かな?)解散してしまったのですが、スウェーデン語の歌詞で活動するバンドとして自分が最も好きなバンドでした。
先にも書いたように、大学卒業後に音楽を聴くことから遠ざかってしまっていたのでしばらく彼らの活動についても興味を持たずにいたのですが、店内で流しているラジオからはいまだに彼らの昔からの曲が聴こえてきます。
留学から帰ってきてからリリースされたCDはまったく持っていないので、うまく見つけることができればそれらを買って帰りたいなと考えています。
かつてトーレ・ヨハンソンを筆頭にスウェディッシュポップというカテゴリーがもてはやされた時期がありましたが、そのポップさとは対極にあるとても不思議なバンドなのです。ほぼ全曲が低血圧系なのに、ものすごく耳の残るんですよね。
KENTの曲でオススメするとしたら「FF」ですかね。
–
さて、今回でおそらく日本での更新は最後にすると思います。次回は余裕があれば空港からだったり、もしくはフィンランドのヘルシンキからだったり、いよいよ本編にはいることでしょう。
ビョルネン・ソベル