ビョルネンは時間泥棒@19年07月05日(金)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

  • 19年06月11日(火)~19年08月02日(金)
    『インゲル&ラッセ・サンドベリ夫婦作家の絵本展』

店内イベント

  • 19年07月12日(金)/13日(土)11時30分~
    【満席】 ルバーブのクランブルタルト
    洋菓子教室の詳細ページ

  • 19年08月23日(金)/24日(土)11時30分~13時00分
    【店頭受付中】 ザリガニパーティー

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【07月】06日(土)/11日(木)/20日(木)/25日(土)

今日の時間泥棒


本日、スウェーデンの古書店へ注文していた数冊の本が届きました。そのうちの一冊が、1955年発行版「Sju sorters kakorフュー・ソッテッシュ・カーコル(7種のクッキー)」です。

今でも「Sju sorters kakorフュー・ソッテッシュ・カーコル(7種のクッキー)」は改訂されながら出版され続けていますが、当店で提供しているスウェーデン洋菓子も、この本のレシピをベースにしているものが多くあります。

以前、1973年版のものを紹介しましたが、古さを更新。ホントは初版にあたる1945年が手に入れば嬉しいのだけれども、今のところウリに出ているのが見つからないので、所持しているものよりも古いバージョンを見つける度に更新していこうと思っています。


早速、「現在の」店長に見せてみました。「現行版とどっか違うところあったりしない?」って(他力本願)。

とりあえずサッと眺めてみて、「Prinsesstårtaプリンセス・トータ(プリンセスケーキ)」はそんなに変わらないと。あとは、現行版では紹介されているのに1955年版には掲載されていないというお菓子があったり。そうかと思うと、違う名前で紹介されていたり。そういったケースもあるようです。

具体的には、カッテンで提供している「Vaniljhjärtaヴァニーリ・イェッタ(バニラハート)」の名前が、1955年版では「Danska Hjärtanダンスカ・イェッタン(デンマークのハート)」という名前で掲載されていたわけですが、それに対して2人でこの名前が充てられていた背景について、あーだこーだと無責任な推測合戦をしました。

まあ、別に現行版とのレシピに大きな違いが無いなら無いでもいいんです。「少なくとも1955年にはこのお菓子のレシピは確立されていたようだ」という資料にはなりますから。資料としてどのように扱うのか、明確なビジョンはありませんけれど、こういう意味のなさそうなものでも集めておくと、思いがけない何かに繋がることってよくあることですよ。

もちろん、何にも繋がらないことだってよくあることですよ。


そして。やはり古本の醍醐味はここにあり。『ここに自分のレシピを書き込んでおきましょう』のコーナーにはしっかりと過去の所持者による書き込みがありました。

かつての持ち主の温度感が残る媒体。次世代に受け継ぐことのできる媒体。やはりデジタル媒体には絶対に真似のできない特異性があります。いや特異性も何も、ほんの数年前まではそもそも物理媒体しかなかったわけですが。


ちなみに。店長が一番関心を持っていたのは、計量の単位でした。レシピに書かれた「コーヒーカップ一杯分」とか「ティーカップ一杯分」とか、分量の指示にそういった表現が用いられているところに衝撃を受けていました。

計量カップなんてものがなかったとか、事情があるのかな。現在であればコーヒーカップの大きさなんてマチマチすぎて、役に立たないでしょうね。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
2024 © スウェーデン菓子「リッラ・カッテン」