
スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。
「御魚ギャラリー」展示内容
- 19年04月09日(火)~19年05月31日(金)
『スウェーデンの学校の国語教科書展』
店外イベント
2019年6月15日(土)/16日(日)
北海道札幌市 札幌競馬場「第1回 札幌蚤の市」
手紙社さんによる告知ページ2019年06月29日(土)
朝日カルチャーセンター横浜教室「講座:スウェーデンの夏至祭」
朝日カルチャーセンターさんによる告知ページ
スウェーデン語教室
ネイティブによる「スウェーデン語講座」不定期開催 11時30分~13時
※ 開催日についてはお問い合わせくださいリッラ・カッテン店長による「スウェーデン語講座」
入門者向け「スウェーデン語講座(ガイダンス)」のご案内
- 今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
- 【06月】01日(土)/06日(木)/20日(木)/22日(土)/27日(木)
今日の時間泥棒

今日はスウェーデン人の先生、Janさんによるレッスンの日でした。しょーもない写真は、Janさんのレッスンの合間に撮ったテキトーなもの。
流れで『スウェーデンのキャッシュレス社会の功罪』に話が及んだのですが、日本のニュースではあんまり取り上げられていない問題を含んでいるものですね。端的に言えば、クレジットカードで会計を気軽に行うことができるようになった結果、物価上昇に繋がっているのではないかということ。
やっぱり日本に伝わってくる北欧ネタには裏があるものだな、と思いながら聴いていました。「北欧はキャシュレス先進国」という話題だけ先行してしまいがちですが、自分も店をやっている身として「クレジット決済の手数料って、誰が払ってるの?」とずっと気になっていたのです。
少し古い記事なので、もしかすると現状と差異が生まれている可能性もありますが。2010年8月に公開されたスウェーデンのタブロイド紙の運営するサイトのページのURLも紹介しておきます。
Dina kortköp en dyr affär för handlarna
タイトルの「Dina kortköp en dyr affär för handlarna」を日本語にすると、「商業を営む者にとって、あなたのクレジット決済は(コストが)高い取引である」という記事です。ちなみにリッラ・カッテンの店頭では、まだクレジットカード決済は導入していません(オンラインショップではカードを使えるようにしてありますが)。
記事のなかで、支払いがキャッシュレスとなる店側のメリットについても挙げられていますが、1つは『強盗に襲われるリスクが軽減するから』というもの。これは、Janさんも言ってた。
スウェーデンは治安がいいと思っている方が多いかもしれませんが、日本で言われているほど治安がいいわけじゃないですよ(都市部だけかもしれないけれども)。
日本でも不穏な事件は起こりますが、それでも日本の治安の良さはエクストラ級にいいわけです。あくまで日本から見た外国というカテゴリーのなかで、スウェーデンは”比較的治安がいい”というくらいが妥当かと。たとえばストックホルムの街を歩けば、鉄格子で守られている店、ガラスが割れている店もよく見かけます。日本でそんな店ほとんどないですよね。
そのような治安のなかで、現金を扱うことがコワいからキャッシュレスにするメリットが生まれてきたというわけです。幸運なことに、日本の治安においてはなかなか享受できないメリットですね。
クレジット決済がコスト高な取引であるという点に関連して。スウェーデンの店側の手数料はこのように書かれていました。
1クローナは12円程度と考えておけば、そんなに大きく計算をハズさないと思います(自分はいつもその数字で計算しています)。クレジット決済時の基本料金的に12円から36円が掛かって、さらに決済額の1.5%~3%が加算されると。
ちなみに。日本では通常、決済額の3.24%程度を、クレジットカード会社への手数料として店側が負担しなくてはなりません(政府による補助期間が設けられるようですが)。
繰り返しますが、引用しているのは2010年の記事なので、状況が変化している可能性もあります。しかし、当時のクレジット決済手数料の設定によって、以下のような状況が生まれていたようです。
日本でいう「タバコ屋」からは想像がつきづらいかもしれませんが、個人経営のコンビニみたいなものを想像してもらえればいいかなと。
うまい棒とか、チロルチョコとか、10円みたいなものを購入する際にクレジットカードで支払われた場合、基本手数料だけで1クローナ、つまり12円を支払わなくてはならないので、その時点で2円の赤字ですね。
そこのシーンだけ切り取れば2円の赤字ですが、潜在的コストが計算されていません。細かく計算すれば、商品を仕入れる手間、陳列する手間、販売する手間、家賃、在庫リスク、それらを考えると2円の赤字では済まないのです。
その赤字となってしまう分を、他の商品などの価格に転嫁させたりして相殺させる必要がありますが、厳しい競争のなかで価格を上げることも難しい。ともなると、カードによる支払を辞めるしかないとも記事には書かれています。
日本で言うと、書店は自分のところで価格を決められない商品を扱っているわけですから、価格を調整するわけにもいかないでしょうし。ただでさえ経営が難しい状況なのに、書店にとってキャッシュレス化による手数料発生は歓迎できるものではないでしょうね。
仮にクレジットカード決済時の手数料が消費者側による負担だったら、もちろんこんなに世の中に受け入れられていないハズなんですよね。でも、一見すると店側が払うように見える決済手数料は、そのうち物価上昇という形でいつか間接的に消費者が支払うようになると思うんですよね。
デフレ脱却的な意味ではなく、単純に世の中がクレジット会社に支払うお金が増えるだけの意味のない物価上昇なんじゃないのかな。
でも結局は世間がキャッシュレス化に向かうだろうから、そのつもりで考えてはいます。