ビョルネン日報@18年07月06日(金)あめ

18年07月06日(金)あめ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

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2018年7月のガイダンス開催日
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今日のリッラ・カッテン

昨日の日報を書きながら、自分が過去に撮影しておいた写真を見直していたところ、「どのタイミングで紹介するべきか」、あるいは「そもそもこの話題を取り上げるべきか」と考えあぐねて封印していた写真の存在を思い出しました。

日本であまり紹介されることのない事実だけれども、幸福な面ばかりが紹介されがちな北欧諸国にもきちんと陰の部分があるということは知っておいた方がいいと思うんですよね。ウチの店だってスウェーデンをはじめとした北欧諸国に対してキレイなイメージだけ持ってもらえた方が都合がいいのでしょうけれども、ちゃんとマイナスな面があることも伝えることが自分たちの存在意義のひとつだと考えます。

上記の写真はヘルシンキ中央駅にいた物乞いの女性の様子を撮影したものです。「スウェーデンだけじゃなくて、やっぱりフィンランドにもいるのか」と思ったので、駅構内の様子を撮るフリをして写りこませるように撮影しました。左手には小銭をせがむための紙コップが見えますね。物乞いの様子を撮影することにはリスクあると思うのでオススメしませんよ。

写真はヘルシンキで撮影したものですが、フィンランド事情は自分にはよくわからないので、この先の内容は自分がスウェーデン、特にストックホルムで受けた印象を中心に書きます。

ストックホルムには本当に物乞いが多いです。というのも、スウェーデンでは物乞い行為が違法行為ではないんですよね(重ねて書きますが、スウェーデン以外の北欧諸国の事情はわかりません)。

物乞い行為をしている人たちの様子を見ていると、難民として渡ってきたと思われる人々が大半ですが、人種はさまざまで多岐にわたる印象です。

そのせいか積極的に物乞いをしてくるヒトが結構います。特に地下鉄に乗っていると、いろいろな物乞いスタイルがありまして。

車内へいきなり乗り込んできて、手に持っているバイオリンやアコーディオンを電車内で弾き始める。そして次の駅に到着するまでに演奏を終えると、乗客に小銭をくれるようにせびって回ります。まあ、これはいい方。

ちょっとイヤなのは、手に持った入れ物に小銭をガシャガシャ言わせながら電車内を練り歩き、座っている乗客たちにそれを差し出してきます。緊張感ありますね。

自分の経験上、物乞いは目も合わせずに無視していれば大丈夫なのですが、外国に慣れていない方だとかなりの恐怖体験になりかねませんね(笑)。「笑」じゃねーよ、って感じですけど、このような行為が取り締まられている様子もほとんど見たことがありません(積極的な物乞い行為が違法ではないかどうかは確認していませんが)。

街なかを見渡せば、スーパーやコンビニの前には必ずと言っていいほど物乞いが陣取っています。何か話しかけられることもあるかもしれませんが、こちらも基本的には無視していれば無害です。

で、スウェーデンはこの物乞い行為をどう捉えているのかというと、日本人の感覚からすると驚きなのですが「スウェーデン国内の自治体の61%が物乞い行為を禁止する必要なし」という認識を持っているらしいです。内訳として「禁止したい」が26%、「禁止する必要なし」が61%、「わからない」が13%という数字が動画内に示されていますね。

参考:2018年4月にSVTに掲載された記事Var fjärde kommun vill ha tiggeriförbud | SVT Nyheter

とはいえ、加熱しつつある物乞い行為に業を煮やし始めた自治体も増えてきている様子があります。Eskilstuna(エスキルスチューナ)という自治体では、物乞い行為をする前に警察で許可証を得なくてはならないという条例の導入を決めました。

この許可証が悪用されて転売される危険性がないのかなどの問題はまだ発生する可能性はありますが、個人的には旅行者にとって物乞いの存在はマイナス印象なので、どうにかしてほしいなとは思います。

なんだかいつのまにか小難しいハナシになってしまいましたが、もうムリヤリまとめます。もし物乞いから近寄られても目を合わせないで無視していればどこかに行ってくれるので大丈夫。

観光ガイドブックの言い回し風にするならば「物乞いだって現代スウェーデンを映す文化の一つ、勇気をもって楽しんで!」といった感じでしょうか。物乞いよりも、スリに気を付けて(特にスマホが危ないから)。

追記:Facebookでコメントをいただいて「たしかに」と思ったのですが、スウェーデンではなんでもクレジットカードで済ませて現金を使わない傾向にありつつあります。物乞いたちの動向にその影響が今後どのように出てきますかね。

べつに日報の内容と登録する絵本とを関連付けなくてはいけないという縛りは設けていないのですが、せっかく話題が”物乞い”に及んだので、今日はエーミルが物乞いをするエピソードが含まれている絵本を。

登録したスウェーデン語絵本情報:
Emils hyss nr 325 av Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)

ルンネベリアのカットヒュルトでは、みんなが居心地よく暮らしていました。「厄介なのもあるけどね。冬の雪、夏のハエ、そして夏も冬もイタズラをするエーミル。」とカットヒュルトの女中、リーナは言います。もちろん彼女の言うことに間違いはありません。しかしエーミルの最後のイタズラは完全にハエがもたらしたミスでした。エーミルのママはハエ取り紙がほしかったのですが、エーミルのパパはそんなものほしくありませんでした。ハエ取り紙は10オーレもするのですから。そのハエ取り紙の件を何とかしたのはエーミルでした。しかしエーミルによる325つ目のイタズラとなってしまいました。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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