17年04月11日(火)あめ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。
営業日的には先週の金曜日と土曜日に引き続き、本日火曜日も雨模様の天気。つまり3営業日連続で雨に見舞われたわけですが、そんな天気のなかではお客さんの足取りが鈍ることは想像に難くないワケです。新手の水攻めかな?
たしかにあまりお客さんの出足の鈍さは感じたものの、常連のお客さんが何名かいらっしゃったことで少し重い空気も軽くなりました。
パソコンからこのページをご覧くださっている方はお気づきかと思いますが、少しホームページのレイアウトを変えています。昨日の夜に思いつきで作業をはじめて、それが早朝近くまで続いてしまったために今日は睡魔に襲われまくりの一日でした。
今日こそ早めに寝よう。午前3時までに寝るぞ、と。
今日はネットショップでスウェーデン語絵本を購入してくださった方に商品をお送りするための梱包をしたのですが、いま店頭で配布しているチラシ類を同封しようとすると、これだけの量になってしまいました。
東京蚤の市関連の紙モノが4点を占めているのですが、当店からの紙モノもショップカードを含めて4点。そこに一時的にお預かりしているチラシやDMなどが加わります。
北欧全般に興味をお持ちの方にとっては有益な情報になりえるかも…ということで、ご迷惑をおかけする可能性を考慮しながらも商品に同封させていただいています。遠方からのご注文の場合はイベントなどの案内が不要ということも理解していますが、「世の中でこんなことやっているんだ」と知っていただくこともムダではないのかなとも考えているので、やっぱり遠方への発送時もお渡しできる紙モノは同封させていただこうと思います。
先週土曜日のスウェーデン語コミュニケーションカフェの時間に、リカードが蚤の市で購入してきたイースターエッグを見せてくれました。ちなみにスウェーデン語でイースターは「Påsk(ポスク)」で、イースターエッグは「Påskägg(ポスクエッグ)」です。(以下、せっかくなのでイースターはポスクを表記しましょう)
それに触発されたのもあり、今週末にポスクを迎えるということで、あらためてリッラ・カッテンにおいてあるポスクエッグを紹介しようと思います。
スウェーデンのポスクの主役はヒヨコとニワトリ。画像で見られるように、ウサギもいますがヒヨコたちの方が扱いは上です。ポスクエッグの中にお菓子を詰めて、家のなかや庭に隠して子供に探させたりして楽しみます。あとは子供たちが魔女に扮して近所の家庭を回てお菓子をもらう際にお菓子がはいったポスクエッグをもらったりするそうです。
リカードが見せてくれたポスクエッグも似たようなテイストの絵だったのですが、それに対して感じた印象は包み隠さずにきちんと彼に伝えました。
ビョルネン
「ちょっと…ヒヨコがキモくない?(笑)」
「昭和だね(苦笑)」
リカード
「かわいい(笑)」
日本の昭和テイストがいまのスウェーデンでも現役です。いや、一周してこれが世間の求める”かわいい”であって、むしろ自分の感覚がおかしい可能性もありますがいかがでしょう。
彼が”かわいい”と評するものがキモチわるいことは珍しくないので、そこは日本人とスウェーデン人の感覚の違いがおもしろいなと思います。でも彼は日本人が考える”かわいいモノ”がどんなものであるかをきちんと理解してくれているのでハイブリッドな感性の持ち主であることは間違いありません。彼の豊かな感性にリッラ・カッテンが助けてもらうこともしばしば。
いつもはパソコンの画面を介しての会話ですが、今年の夏にヨーテボリで直接彼に会うことをいまから楽しみにしています。
さて、Twitterで北欧食器を扱うお店フクヤさんがこんなことをつぶやいていらっしゃいました。
スウェーデンのジャンクフードbulle med bullens(チョコボールサンド)が、北欧フード研究家の佐々木さん作のチョコボールに薫々堂さんのパンという贅沢さ。おいしかったです。
リンク先に画像もありますので、興味がありましたらリンクもたどってみてください。
北欧料理研究家・ライターの佐々木千恵美さんが担当されたコチラの講演で「bulle med bulle(ブッレ・メ・ブッレ)」というものが紹介されたようです。佐々木さんとフクヤさんはリッラ・カッテンのスウェーデン洋菓子づくりのワークショップにご参加いただいた際に一度お会いしたことがありますが、いったいどこからこんなにマニアックなものを見つけてくるのでしょうか。
「bulle med bulle」は「団子と団子」という直訳になりますが、「菓子パンのなかにチョコレートボール」という本来あるべき表現を少しおもしろく聞こえるようにした名前だと思います。
「bulle」という単語は、何か丸い団子状のものを意味する言葉であり、転じて菓子パンも「bulle」と呼ばれます。「kanelbulle(カネールブッレ)」は団子状ではありませんが、菓子パンなので「bulle」がついています。スウェーデンの家庭料理として有名なミートボール料理である「köttbullar(シュットブッラル)」の「bullar」も複数形にはなっていますが、つまりは「bulle」です。
この「bulle med bulle」の存在は知らなかったのですが、それも当然。スウェーデンの南に位置する地方である「Skåne(スコーネ)」の北西部で一旦廃れて、ふたたび盛り上がりを見せはじめた極めてローカルな食べ方のようです。だからたとえばスウェーデン人に会って「bulle med bulleっていうスウェーデンの食べ物あるでしょ?」とか話をしても「Vad?」ってなると思います。
公式なのか非公式なのか未確認ですが、4月10日を「bulle med bullen の日」として決めたそうです。スウェーデンはホントにお菓子の記念日つくるのが好きですね。
スウェーデンのタブロイド紙Expressenによる2017年4月10日の記事はこちら。
そして2015年にはラジオ番組でも取り上げられていたようです。スウェーデン語のラジオ音声なので全部を理解できるわけではありませんが、冒頭ですでに「バカじゃないの?(大笑)」と評されたり、「スコーネ地方ではいつもこれを食べてるの?」などともいじられています。
というわけで前置きが長くなりましたが、そんなツイートの内容を見て「ウチですぐそれっぽいのできるじゃん」ということで眠気覚ましに作って食べてみることにしました。
リッラ・カッテンで最近提供をはじめたライ麦パン。自分なりにこうしたらベストコンディションだろうと思ったのは、ライ麦パンを15秒ほど温めて、冷蔵庫で冷やしておいたチョコレートボールを挟み込むという食べ方。
贅沢にチョコレートボールを2つ挟みました。どうでもいいですが、これは「bulle med bullar」です。後ろの「bulle」が「bullar」という複数形に進化。本当にどうでもいいですが。
食べてみます。感想は…
自分もなんだかんだで店舗側の人間の言葉なのでウソっぽく聞こえるかもしれませんが、想像以上の美味でした!まさに想像以上だったので、この感想をどうやったらウソっぽくなく文章で伝えられるのか、家までの道のりのあいだずっと考えていたのですけれども、覚えている限り思ったことをそのまま書きましょう。
リッラ・カッテン版 bulle med bulleを食べてみた感想
あくまで個人の感想ということと、店長のパン焼きスキルにはまだ若干のムラが生じる可能性があるため、本当に以下のような感想を追体験できるかどうかは補償しませんけれども。
まずライ麦パンがムダにレベル高いです。洋菓子店だからパンを褒めるよりもケーキを褒めるべきなのですが、ライ麦パンの食感がふわふわすぎて、最初「一緒にクチに入れたはずのチョコレートボールどこ行った?」ってなりました。
もちろん、チョコレートボールもクチに入っているわけですので、次第にチョコの味もパンにミックスされていきます。チョコとライ麦パンのマーブル状態が素晴らしかった。
強いて言えば、ライ麦パンの良さが際立ちすぎたので本当はチョコレートボールとのバランスを考えるともう少し主張が弱めのパンだといいのかなと思いましたが、そのチグハグさが逆に洗練されすぎていなくていいのかもしれません。
という贅沢な悩みはあるものの、つまりは全体的にメチャクチャいいものでした。
特にbulle med bulleという名前でこの組み合わせを販売することは考えていませんが、これをつくるためのチョコレートボールもライ麦パンもお店で常時提供しているものなので、よかったらやってみてください。イートインの方で希望があればライ麦パンに切り込みを入れて提供することもできるかと思いますので。
ビョルネン・ソベル