スウェーデン菓子店、深夜のねごと@21年02月01日(月)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて。

営業時間のお知らせ

  • イートイン営業を一部再開
    現在、店内でのイートインは2名様用の席を2か所にご用意しています。飲食時は会話を控え、飲食時以外はマスクの着用をお願いいたします。

  • 営業時間のお知らせ
    隔週水曜日と毎週木曜日は12時オープンです。詳しくは営業カレンダーをご覧ください(他の営業日は11時オープン)。

スウェーデン菓子のオンライン販売

  • Lilla Katten ONLINE STORE
    リッラ・カッテンで提供しているスウェーデンのケーキやクッキーをご自宅までお届けします。ラインナップは「カテゴリー『スウェーデン菓子』」をご覧ください。

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 申し込み中止しています


当面、イートインは実施しません。

「お客さんに一筆メッセージを添えたいときに使えるメッセージカードがあったらいいよね」

…ということで、自分たちのためにメッセージカードを作りました。そして、どうせ作るなら商品化もしてしまおうということでホンキで作りました。自分たちが使おうと思えないものを、買ってもらおうとオススメすることはできませんから。

店長に「自分がお客さんだとして、店でこのメッセージカードが売っているのを見つけたら買う?」と質問したところ、「2つ買う!」と言ってたけど、ホントかな。



今回のメッセージカードのモチーフに使用したイラストは、シグネ・アスペリーン(Signe Aspelin)という、1881年から1961年までを生きたイラストレーターによるニューイヤーカードから。

今年初めてのブログ投稿の扉絵にも同イラストを使用しましたが、一年の四季それぞれを象徴した女の子の姿を描いたもの。一目瞭然ですが、左から冬、春、秋、夏と並んでいます。4つの季節それぞれが単体で描かれたものと、四季が集合したもので、合計5枚のセットです。

このイラストはニューイヤーカードのために描き下ろされたと思われる作品で、今回のメッセージカードのための原版としたカードの消印は1910年でした。改めて計算すると、おおよそ110年前のイラストということになります。でた、明治時代。

メッセージを書くその季節にピッタリのイラストを選べるわけですが、今でいえば「冬」にするか、「春」にするか、悩むところですね。ちょうど今日、店長が一枚使っていたけれども、春にしてたかな。



紙質も悩みましたが、従来お店で提供しているポストカードに使用している用紙が好評だったので、それと同じ用紙を使うことにしました。アラベールという用紙の200kgです(紙の厚さは重さで示す)。

シグネ・アスペリーンという人物については、ウチに所持している書籍やネット上にも残念ながらあまり詳しい情報が見当たりませんが、グリーティングカードのためのイラストを手掛けたり、数冊の絵本作品を残しています。教科書の挿絵を担当したこともありました。



彼女の絵本作品を代表するのは、1909年に出版された『Småttingarnas svampbok(ちびっこのためのキノコの本)』で、この絵本は実在のキノコの特徴を映して擬人化されたキノコたちの生活を垣間見るもの。この本は「Tales of the Mushroom Folk」として英語訳されています。

この頃といえば世界的に著名なスウェーデンの絵本作家として数えられるエルサ・ベスコフの存在が際立ちますが、シグネ・アスペリーンのイラスト作品も十分に日本で好まれる作風だと思います。

本国スウェーデンを含めても、かつてここまでシグネ・アスペリーンの存在を推したことのある店はなかったんじゃなかろうか。そういった”偏屈さ”を狙っている面も一部含んでいるかもしれませんけど、純粋にシグネ・アスペリーンの描くイラストはいいと思う。個人的にはベスコフよりも好きです。

というわけで、実店舗でもオンラインストアでもこちらのメッセージカード販売しています。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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