スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@20年07月16日(木)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

営業時間のお知らせ

  • イートイン営業を一部再開
    現在、店内でのイートインは2名様用の席を2か所にご用意しています。飲食時は会話を控え、飲食時以外はマスクの着用をお願いいたします。

  • 営業時間のお知らせ
    隔週水曜日と毎週木曜日は12時オープンです。詳しくは営業カレンダーをご覧ください(他の営業日は11時オープン)。

スウェーデン菓子のオンライン販売

  • Lilla Katten ONLINE STORE
    リッラ・カッテンで提供しているスウェーデンのケーキやクッキーをご自宅までお届けします。ラインナップは「カテゴリー『スウェーデン菓子』」をご覧ください。

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 申し込み中止しています


書影:ヘンテコノミクス(著:佐藤雅彦・菅俊一・高橋英明/刊:マガジンハウス)より

当面のあいだはテイクアウトのみで営業し、毎週木曜日は午後12時(正午)からのオープンとなります。

この「ヘンテコノミクス」については後程触れるとして。

7月1日よりレジ袋有料化ルールが導入されて以来、カッテンでは植物性プラスチックを25%以上使用しているレジ袋を導入しました。いま改めて販売データを確認したところ、実際にこのレジ袋を販売した履歴はありませんでした。

つまり、7月に入ってからリッラ・カッテンで買い物してくれたお客さん全員がレジ袋の代用品を持参してくださったか、もしくは代替品として用意しているリユース紙袋を利用しているということになります。

2週間以上経ってもレジ袋販売履歴ゼロというのは想像以上でした。そして、お客さんからも協力いただいて集まったリユース紙袋も、いまのところ出番はかなり少ないです。

以前に比べてお客さんの数が半分ほどになっているから絶対数が減っているという数字のマジックもあるかもしれませんけれども、個人的にはカッテンに足を運んでくださるお客さんの意識が高い傾向にあるからということも一因だと思っています。ルール導入以前からマイバッグを持参してくださるお客さんもいらっしゃいましたし。

個人店って、ある程度の哲学や理念が共有できているお客さんに来てほしいと思っているものです。だからウチの店の場合はスウェーデンに興味があることはもちろん、ちょっとばかし自然環境に興味があるお客さんに来てほしいと思っています。ポイ捨てとかするようなお客さんと上手く会話する自信ないです。

ルール上、植物性プラスチックを25%以上使用しているレジ袋はお客さんに無料で配ることができますが、ウチではこのレジ袋を5円と設定しています。ある男性のお客さんが「植物性プラスチックを25%以上使用しているレジ袋は無料で配布できるらしいですよ」と教えてくれたらしいですが、認識した上で敢えて有料化しています。

『レジ袋を有料化すること』が目的ではないです。あくまでレジ袋を有料化するのはレジ袋の消費に対するココロのブレーキを生むための”手段”であり、本来達成すべき”目的”はプラスチックゴミ発生量の削減ですから。このレジ袋に対する5円は、自然への思いやりに対する戒めのための5円であり、儲けを得るための5円ではないのです。

もちろんレジ袋を使うことが絶対悪ではなく、自分もイオンで買い物をする際にレジ袋を購入することがあります。ただ、そのときには中途半端なサイズのレジ袋ではなく、ごみ袋としてリユースできる大きめのレジ袋を購入したり、工夫はするようにしています。

ていうか、まずはレジ袋をはじめとしたプラスチック素材のものを自然のなかに放たれないようにすることが一番大事ですかね。


ヘンテコノミクス(著:佐藤雅彦・菅俊一・高橋英明/刊:マガジンハウス)31ページより

自分が好きなクリエイターの一人である佐藤雅彦氏が携わった、行動経済学をテーマとした書籍に「ヘンテコノミクス」というものがありまして。

赤塚不二夫のようなタッチのマンガで、面白おかしく行動経済学的なシーンを見せてくれる本です。余談ですが、佐藤雅彦氏も行動経済学の専門家ではなく、毎話ごとに苦労しながら話をつくったらしいですが、本人も行動経済学に対して「へぇ」と感じる部分が多かったようです。

このなかに、子供の迎えの締め切り時間に遅れてくる親たちにアタマを悩ませる保育園が登場します(迎えに来る担当が母親だけという設定については今回の論点から外します)。時間に遅刻するたびに親からは「申し訳ない」という謝罪の言葉はあるものの、締め切り時間に遅れてくる親たちに対する対策として、保育園は罰金制度を設けることにしました。

罰金を設定することで、親たちは罰金を支払うのをためらって早く迎えにくるだろうという目論見だったのですが、逆に「罰金を払えば遅れても大丈夫」という心理を生んでしまい、結果的にさらに迎えに来る時間が遅くなってしまった、という一例を表したエピソードです。

なぜ保育園から罰金を科されることになるのか。その背景を読み解く力、想像力が足りていないことから「お金を払えば解決してくれるんでしょ」という発想に陥ってしまいがちではないかという教訓が得られます。

この2週間で一度もレジ袋を販売していませんが、10年後も買い足さずにレジ横に同じレジ袋があればいいですね。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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