スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@20年02月20日(木)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

店内イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【2020年02月】22日(土)/27日(木)
  • 【2020年03月】07日(土)/12日(木)/28日(土)


スウェーデンの絵本史を調べていたら、イギリスの絵本、とくにウォルター・クレインという絵本作家の存在がスウェーデンの絵本に大きな影響を与えていたということがわかったので、そのウォルター・クレインの「THE BABY’S OPERA(邦題:幼子のオペラ)」という絵本をイギリスから取り寄せました(ちょっと前だけど)。

日本でもウォルター・クレインの絵本が手に入らないことはないのでしょうけれども、出版当時の印刷の具合を見ることも大きな目的のひとつなので復刻版では意味がない。仮に19世紀に印刷されたものが売っていたとしても高価なのでネットで売っている店を探したのです。

もちろん日本で海外の絵本を販売するにあたって高価になるのはわかります。送料、仕入費、入荷ルートの確保、手間ヒマ、在庫リスク、再入荷の可能性、市場の需要、などなど。本の値段はさまざまな要因の上で決まってきますから。だから自分で取り寄せられるのであれば、そうした方が安いに決まっています。

だからといって、その道で生きている方(海外から商品を仕入れて販売して生計を立てているヒト)に「どこで買うんですか?」とか訊くのはNG。みんな必死で自分の入荷ルートやノウハウを貯めることで生きているのだから。もちろん自分にもリスクを背負ったり試行錯誤して開拓した入荷ルートがありますし。

自分は英語ができないという自己評価をしているものの、なぜか英語を”読むこと”だけはできるので(日本教育の賜物)、アメリカを含めた英語圏から買い物をすることはたまにあります。そういえば、オランダからスウェーデン語の絵本を取り寄せたこともあったかな。

なんとなくの英語さえできれば、世界中のあらゆる店からモノが買える時代です。


見たかったのは、こんなページ。当時のイギリスで『木口木版(こぐちもくはん)』という手法が確立され、エドマンド・エヴァンズという手練れの彫版師の登場によって絵本の世界が広がったというので、その絵本の様子を実際に手にしたかったのです。

その手法は、ほぼ浮世絵。それが何ページにもまとめられているのだから、そう考えると当時の絵本は子供向けとしてはかなりの贅沢品だったのかもしれません。

余談ですが、こうして19世紀末の絵本はネットで買えるのに、なぜか21世紀にはいってから出版された絵本が1度絶版になるとどこにも売っていないという逆転現象が起きていたりします。価格の問題ではなく、そもそも入手不可能。

欲しい本が出てこないかどうか、毎日インターネットを巡回する日々です。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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