スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@20年02月19日(水)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

店内イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【2020年02月】22日(土)/27日(木)
  • 【2020年03月】07日(土)/12日(木)/28日(土)


新しいポストカードのシリーズができました。以下ページから購入していただけるようにもしました。

“新しい”といってもモチーフとなる絵は1903年に描かれたものなので、古くて新しい。古すぎて世の中から忘れ去られてしまって、それが一周して新しい素晴らしいものとして再評価してもらえるものが好きなのです。

イラストはエルサ・ベスコフによるものですが、ではこのイラストが何のためのものであったか、以下より長い蘊蓄が始まります。


スウェーデンでは「Sjung med oss, Mamma!フュング・メ・オス・マッマ(いっしょに歌ってよ、ママ!)」という歌集が1892年から1934年まで出版されていました。

掲載された童謡たちの作曲者は「Alice Tegnér(アリス・テグネール)」という人物で、現在でもスウェーデンで歌われている多くの童謡を手掛けました。左上の開いた状態の冊子で見えている「Bä, bä, vita lammベェーベェー・ヴィータ・ラム(メェメェ、白いヒツジさん)」という曲は、スウェーデンでは誰でも知っているということでは、日本のたとえば「シャボン玉」とかくらいの有名さだと思います。

右下の冊子は第3集ですが、この頃の表紙の絵はオッティリア・アーデルボリが手掛けています。初期の頃の表紙はオッティリア・アーデルボリが手掛けましたが、後期になるとエルサ・ベスコフが表紙のイラストを描くようになりました。


この童謡集は表紙にはイラストが添えられているものの、楽譜のみで構成された冊子でした。

そこでエルサ・ベスコフは「スウェーデンの子供なら誰でも歌える童謡にイラストも付けてあげたら喜ぶのではないか」という考えのもと、歌集に掲載された10の童謡にイラストを添えて「Mors lilla Olle och andra visorモッシュ・リッラ・オッレ・オ・アンドラ・ヴィーソル(おかあさんのちいさなオッレくんと、そのほかの童謡)」という童謡絵本を出版しました。

現在でもこの本は版を重ねて出版され続けていますが、この写真の左の本は1903年に出版された初版のもの。小さすぎてよくわからないと思いますが、芸の細かいことに初版の表紙で描かれている子供たちが手にしている本の表紙は「Sjung med oss, Mamma!」の第3集です。

1903年出版の初版と1921年印刷の版で表紙が異なりますが、現行版においても1921年版のものが使われ続けています。初版の表紙に「Sjung med oss, Mamma! 第3集」が描かれていることが都合悪くなったんじゃないかと勝手に予想していますけど、真相は知りません。


ということで。今回のポストカードシリーズは1903年に発表された童謡歌集「Mors lilla Olle och andra visor」で描かれた10枚のイラストです。

出所の性質上、裏面のメッセージを書くスペースが狭くなるけれども、せっかくなので楽譜も載せています。楽譜が読める方であれば、旋律も楽しめるかな。まあ、とっくに著作権が切れている曲なのでYouTubeで探して聴いてもいいと思いますし。

印刷に出すときには、きちんと印刷が仕上がってくれるものか心配してしまいますが(印刷会社というより自分の問題で)、ちゃんと出来上がってよかった。

ビョルネン・ソベル
リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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