スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@19年12月11日(水)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

店外イベント

  • 19年12月08日(日)12時~
    【満席】店長による出張お話会『トムテと絵本とクリスマス』

    詳細:Sweet Sweet Sweden+

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【2020年01月】18日(土)/23日(木)


今日はスウェーデンから3通の郵便が。2つはポストカードの入った封筒で、もう1つは本が入っているとスグにわかるサイズの封筒。

「あの本かな」と思って開けてみると、期待とは違った2冊が顔を覗かせる。「この本、注文したっけ?何かのついでに注文したのかな」と思いながらさらに開封を進めると、1枚の手紙が。それも4ページにわたって書かれた手書きの大作。

ここ最近、たしかにいろいろなスウェーデン人とメールでやり取りしているけれども、そんな4ページの手書きメッセージを送ってもらえるような濃密なやり取りをした人物は思い当たりません。

どうやら状況がおかしいと思っていると、手紙とは別にクリスマスカードまで。そこには「Charpentier一家より、メリークリスマス」のメッセージが書かれていました。

ここまで来てようやく「そんな名前のヒト、いたかも」という確信が生まれ始めました。そこで手紙をつぶさにチェックし、手紙の4ページあるうちの3ページ目にようやく名前を見つけました。ああ間違いない、カールだ(碇ゲンドウ風に)。

2年前の夏にストックホルムを訪れた際に、偶然に古道具店で出会ったカール。自分が日本に帰って来てからも何度かやり取りをしていたのですが、お互いの筆不精が祟って音信不通状態になっていたのです。

正確にはアチラからのレスポンスが悪かったのですが(自分はちょっと連絡をマメに取ろうと頑張っていたつもり)、それを彼が気にしていたようで、今回の久しぶりの便りがこの4ページにもわたる反省文とクリスマスカードでした。筆記体を解読するのに時間が掛ったけれども、読み進めるうちに字のクセが掴めて読みやすくなった。

そして2冊の絵本。いずれもエルサ・ベスコフによる絵本ですが、彼が幼いときに読んだ思い出として選んでくれたものである旨も添えられていました。今の時代、Facebookや何かで簡単にメッセージが遅れてしまうものですが、こうして肉筆の手紙を書き、カードや絵本まで送ってくれたところに情緒を感じます。

日本人のイメージからすると、グローバル社会の真っただ中にあり、移民も多く暮らしている国のスウェーデン人にとって、外国人なんて珍しいものではないと想像していたのですが、彼には日本からやってきた自分の存在を特別に思ってくれていたらしいのです。

彼にとってスウェーデンなんてちっぽけな国でキラいだったけれども、自分がスウェーデンをテーマとした店を日本でやっているというハナシに衝撃を受けたとか。「そんなにビックリしなくてもいいじゃん」って思いますが、それが本当なら光栄なことです。

でも、スウェーデン語で会話するってそういうことなんでしょうね。もし自分が彼と英語でコミュニケーションを取っていたら、また彼の印象も変わっていたでしょう。

日本ではよく「北欧のヒトたちは英語が堪能だから英語で全然大丈夫」なんて言われますし、自分もそのように紹介することもありますが、実際にスウェーデン人に話を聞くと、彼らは自分たちの英語がそんなに上手だと思っていないことも多いです。

(もちろん英語が得意なスウェーデン人もいるでしょうけれども)英語に”合わせてくれている”のであり、実は「英語は緊張する」というスウェーデン人もいます。やはりスウェーデン語でコミュニケーションを取ることが、スウェーデン人が胸襟を開いて接してくれるカギとなり得るんじゃないかと信じています。自分も少しずつ精進したい。

そんな感じで、自分は英語ができなくて不便なことも多いですが、逆にスウェーデン語だけちょっとできることで得られる経験もあるものです。いまのところ、英語は一生話すことができなくてもいいかなと思っているくらい。英語を勉強する時間があれば、スウェーデン語の方が勉強したいので(実際はそんなにできていないです)。

さて。カールに送るクリスマスプレゼントを考えないと。せんべいだな。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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