スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@19年11月08日(金)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

店内イベント

店外イベント

  • 19年11月15日(金)〜17日(日)
    第16回 東京蚤の市@国営昭和記念公園(東京・立川)

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【11月】18日(木)
  • 【12月】07日(土)/12日(木)


昨日のブログ、深夜に書いて、そのままアップしないで寝てしまったらしく。今朝、店長から「ブログが更新されていない」という報告を受けて気が付きました。うっかり八兵衛。

さて。予告通りに『紙モノ』に触れたいと思います。1920年代以降のスウェーデンで使用されたレトロなグリーティングカードも店内に充実させていくことにしました(一部未使用あり)。今日は100枚ほどのカードを店頭に追加して並べました。

売れたら大量生産されたものを仕入れればいいというものではなく、言うなれば過去につくられた遺産なので、時代が進むにつれて段々と流通量が少なくなっていく性質のものです。

ちなみに。グリーティングカードには「クリスマス&新年」がモチーフのものが一番多く、「イースター」のモチーフのものもあります。写真に写っているのはクリスマス&新年のみ。


単純にビジュアルとして楽しめるのはもちろん、スウェーデンのクリスマス文化が垣間見えるのも面白いところ。日本人には奇妙なコンビに見えますが、トムテとブタが一緒にいる様子が描かれているものも多いです。クリスマスプレゼントを配るのを手伝ったり。その一方で料理にされてしまっているブタの姿も多かったり(詳細はまた機会があれば)。

こういう「なんだこれ」なシーンが描かれていると、その理由を調べたくなりますよね。クリスマスカードを眺めているだけで、その文化背景を探るべくスウェーデン語の文献を漁るきっかけになります。

スウェーデンにおける著名な画家やイラストレーターが、グリーティングカードのためにイラストを描き下ろしたものも多いのですが、そうしたものには作者の名前がサインされています。

写真のカードの左下には「Jenny Nyströmイェニー・ニィストルム」という作家のサインが。この人物はスウェーデンで初めてスウェーデン人による絵本を手掛けたという絵本作家であり、把握できないほど多くのグリーティングカードのイラストも手掛けています。


一方で、無名のイラストレーターによるものも多いですが、その場合は作者不明のまま。

しかし無名だからと言って切り捨てるのはもったいない。そのなかから自分の趣味嗜好にピッタリのイラストを探すのも一興。一期一会的な出会いとなります。

ちなみに。自分は見事なクリスマスツリーが描かれているカードには高得点を与える傾向があるようです。ヒトによってこの傾向がまったく異なるのが面白いところ。


スウェーデのレトロカードといっても、年代が古ければOKというわけでもなく、なかなか日本人好みの絵柄のものを探すのも大変だったりします。「よくこんな絵のポストカードを送ったものだ」と苦笑してしまうようなものでよければ簡単なのですが。

グリーティングカードの歴史はそれほど長いものではなく、1860年代から70年代ごろに郵送費やカードの販売価格が下がったことによりヨーロッパでその文化が始まったそうです。つまり、長くても160年程度の歴史ということになります。

しかし、スウェーデンのグリーティングカード市場を見ている限りでは、スウェーデンの絵本文化が本格的に花開き始めた時期と同様、1900年代に入ってから盛り上がりを見せたような印象を受けます。絵本とグリーティングカードの間には共通項が結構あるわけです。

自分は絵本の延長上でグリーティングカードを楽しんでいるのでしょうね。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
2024 © スウェーデン菓子「リッラ・カッテン」