スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@19年11月06日(水)

京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

店内イベント

店外イベント

  • 19年11月15日(金)〜17日(日)
    第16回 東京蚤の市@国営昭和記念公園(東京・立川)

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【11月】02日(土)/07日(木)/18日(木)
  • 【12月】07日(土)/12日(木)


ホントは今日も紙モノの話題に触れたいところでしたが、踏みとどまって本のハナシ。結局、紙モノなのかもしれないけれども、なんとか徳俵分だけ踏みとどまっていることにする。

1945年の出版以来、家庭的なスウェーデン洋菓子のレシピを連綿と伝え続けている「Sju sorters kakorフュー・ソッテッシュ・カーコル(7つの焼き菓子)」という本。

何度かこの本に触れてきていますが、この本が何なのか、念のためおさらい。校長先生は大事なことは2度言います。

第二次世界大戦にスウェーデンは直接参加していなかったものの、やはり戦時中は物資が豊かではありません。戦後の配給制が解かれたスウェーデンにおいて、次第に家庭でも料理を楽しめる空気になっていきました。

その時代を背景に、現在も続くスウェーデンのスーパーマーケットでおなじみの「ICAイーカ」が、お菓子のレシピコンテストを開催したのです。

そして、レシピコンテストにおいて優秀と認められたお菓子たちが、この本にまとめられました。現在でもスウェーデンでは版を重ね、時代に合わせて内容を微調整しつつ出版され続けています。


で。以前にも「Sju sorters kakorフュー・ソッテッシュ・カーコル」の古い版を手に入れたことをブログでお伝えしていましたが(ビョルネンは時間泥棒@19年07月05日(金))、今回はそのときに紹介した1955年版を超えて、1946年版が手に入りました。

以前に紹介したときから、まだ4か月しか経っていなかったとは。歳を重ねると、時間が経つのが早くなるんじゃなかったのか。


中身はこんな感じ。出来上がりの状態がまったくわからん。

当時は写真を撮影して、その写真を書籍に掲載するだけでも高コストだったためでしょう。もちろん現在出版されるものでは、多くの写真が使われています。

店長に「こんなレシピで本当に作れるもんなの?」と尋ねると、「自分だったら作れると思う」という頼もしい言葉が返ってきました。

ちなみに。この本には名前の由来や誰が考案したかなどの情報は一切紹介されていません。書かれているのは、ほぼ材料と作り方だけみたいなものです。だからスウェーデンの洋菓子というものは出所が不明で、謎が多いものがたくさんあるんでしょうね。


1946年出版のレシピ本で紹介されている、言うなれば若かりし頃のプリンセスケーキの姿。

写真を見ると、ケーキの上に載せられているのがバラじゃないですね(いま気が付いた)。レシピをチェックすると、「最後にシロップ漬けしたベリーやブドウを載せる」と書いてありました。そーなんだ。

じつは、プリンセスケーキの名前の由来も、「王女たちのお気に入りだったからプリンセスケーキという名前になった」というスウェーデンで最も流布されている説の時代考証をしてみると、辻褄が合わないというハナシも身内では出ていたり。

ヒマとお金があれば、初出だと言われている本を取り寄せたりして事実を追求したいんですけどね。誰がどのタイミングでプリンセスケーキという名前を使いだしたのか、まあ究明したところで一銭もはいってこないんだけど。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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