京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。
店内イベント
【満席】 2019年10月25日(金)/26日(土)11:30-
スウェーデン洋菓子教室「ブダペストロール」の詳細
店外イベント
19年11月15日(金)〜17日(日)
第16回 東京蚤の市@国営昭和記念公園(東京・立川)
スウェーデン語教室
ネイティブによる「スウェーデン語講座」不定期開催 11時30分~13時
※ 開催日についてはお問い合わせくださいリッラ・カッテン店長による「スウェーデン語講座」
入門者向け「スウェーデン語講座(ガイダンス)」のご案内
- 今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
- 【10月】24日(木)
- 【11月】02日(土)/07日(木)/18日(木)
台風の影響により、土曜日は臨時休業しました。
言葉にすると”臨時休業”の4文字ですが、その裏で経済的な観点では、本来なら営業できていたハズの日に営業できなかったという「機会損失」が発生しているわけで。
もちろんウチも人様の心配をする余裕を持っていられるわけではないのですが、体力のない個人商店にとっては大きな痛手だろうなと、その点は心配してしまいます。
さて。今日の話題は「切手」にしました。というのも、台風で一日家に閉じこもっているなかで、ずっとスウェーデンの切手を触ったり、その情報を調べていたもので。
じつは子供のころに日本の切手を集めていたこともありましたし、切手カタログを眺めて過ごす時間も多かった。スウェーデンの切手にも興味を持つのは自然なことです。
いやはや、こんなに緻密でお手軽な美術品はないでしょう。スウェーデンにおいても日本においても最近のトレンドになってしまったシール式の切手には魅力を感じませんが、複数の職人たちが「最高のものを作ろう」という気持ちをぶつけていたであろう頃の切手には、その額面以上の価値を感じざるを得ませんね。
そして。切手のモチーフになるからには、何かその国における”重大な何か”があるわけで。これがなかなか面白い。スウェーデンの切手には、外国人にはわからない、スウェーデン人の多くが共通認識として持っている何かが隠されているケースが多いということです。今日は切手を3枚紹介します。
1枚目はすでに扉画像として掲載しました。アストリッド・リンドグレーンによる世界的児童文学作品「長くつ下のピッピ」がモチーフ。スウェーデン語で「
2枚目。スウェーデン発の音楽グループ、「ABBA」です。日本でも「Dancing Queen」などで有名ですが、いまだにスウェーデンのラジオでも彼らの曲は流れています。
wikipediaによると活動は1982年までらしいので、この切手が発行された1983年は活動が終わった後に発行されたことになりますね。
ところで。いま気が付きましたが、右下に「CZ SLANIA(チェスワフ・スワニア)」のクレジットが入ってる。前にもチョロっと、このスワニアさんについて触れましたが、世界的にファンの多い彫刻師ですね(そのときの投稿はコチラ)。
つまりこの切手は凹版切手であり、写真ではないということですか。 (・∀・)チゴイネ!
3枚目。一見すると、ただののどかな風景を描いた切手のよう。まあ、そうなんですけれども。
しかし、消印で非常に読みづらくなっていますが、切手の一番下の真ん中部分に「
過去にフィンランドのヘルシンキに滞在した際に書いた投稿のなかで、この「自然享受権」に触れたことがありました(そのときの投稿はコチラ)。以下に、その一部を引用しておきます。
北欧に古くからある慣習法であり、自国以外の旅行者などすべての人に対して認める権利である。例えば利用者の権利として以下のような行為が認められている。禁止されている行為は原則として自然を破壊することと、所有者を煩わせることである。
- 通行権(徒歩、スキー、自動車による通行)
- 滞在権(テントでの宿泊を含め、休息、水浴びのための短期滞在)
- 自然環境利用権(ヨット、モーターボート等の使用、水浴び、氷上スポーツ、魚釣りなど)
- 果実採取権(土地の所有者に対価を支払わない、野性の果実やキノコ類の採取)
切手の左下に、黄色いキノコの「アンズダケ」が描かれていますが、こういうキノコも採ってOK。スウェーデンでは土地の所有者からの断りの看板などがなければ、誰でも採取していいのです。もちろん、節度を保つことが前提です。
ただの森で散歩している親子の様子を描いているシーンの切手も、モチーフの意味をきちんと理解すると見る目が変わるもの。自分はこの切手、結構好きです。
店内のスウェーデン切手コーナーはいまコツコツと拡張作業を続けていますが、また折を見て面白いモチーフの切手を紹介しようと思います。