スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@19年10月02日(水)

24言目の「ねごと」。京急逗子線神武寺駅前にあるスウェーデン洋菓子店リッラ・カッテンのお知らせや自分たちのことについて、基本的に営業日には毎日更新しています。

重要なお知らせ

店内イベント

店外イベント

  • 19年11月15日(金)〜17日(日)
    第16回 東京蚤の市@国営昭和記念公園(東京・立川)

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【10月】05日(土)/10日(木)/24日(木)
  • 【11月】02日(土)/07日(木)/18日(木)


写真は「ニルスのふしぎな旅」をモチーフとしたスウェーデンの古切手です。

日本人にとってたしかにモチーフにも惹かれるものがあるのですが、じつはもう一つ、この切手を手掛けた人物という観点からみても面白いということがわかりました。

この前、自宅で切手をチマチマと整理していたとき。とある切手(写真の切手のことではないです)を手にした店長が「この前、ユキコさんが『貴重なヤツだ』って言ってた」という話を挟んできました。

その切手の何が貴重なのかを尋ねると「印刷の方法が何だとか言ってたかな。まあ、よくわかんない」とのこと。

見事にハシゴを外されたけれども、先日のプリンセスケーキづくり体験教室に参加するために、ユキコさんがお店に来てくださったので、「店長から、ユキコさんが『貴重な切手がある』って言ってたって聞いたんですけれども」と尋ねることができました。

ちなみにユキコさんは吉祥寺にアトリエを構える芸術家。そしてそのアトリエでスウェーデン語教室も開催したりと、スウェーデンに縁をお持ちの方。イベント出店時にお手伝いをしてくださったり、いつもお世話になっています。ちなみに吉祥寺でのスウェーデン語教室のホームページはコチラ

すると、スグに「ああ、スラニアですね」という答えを返してくれました。

耳慣れない響きなので、一瞬「印刷技術の名前かな?」なんて思いましたが、半信半疑ながら「スラニア」と検索してみると、検索順位の一番上には「スワニア」と表示されているWikipediaのページが。

正式には「Czesław Słania」と表記し、カタカナでは「チェスワフ・スワニア」と読む方が近い。しかし、それが英語的な発音をされる際に「スラニア」になるんだとか(以下、”スワニア”の表記で統一しいます)。

ユキコさんの知り合いの方が切手に近い分野の作品づくりをしていらっしゃることがきっかけでスワニアの存在を教えてもらったそうです。そして、ユキコさんが切手の展示会みたいなところを訪れた際、スワニアの切手は人気で軒並み売り切れていたらしく、切手の世界では超人気者だったっぽい。

以下、Wikipediaからの引用です。

チェスワフ・スワニア
1956年にスウェーデンへ移住したスワニアは、1959年よりスウェーデン郵政当局に職を得た。彼はスウェーデンのみならず28ヶ国の数多くの切手を手がけた。彼の作品は、郵趣家の間で個人作品として認められた品質とディテールを持つ数少ない例であり、郵趣家の一部にはスワニアの作品のみを収集する者さえいた。1972年以降、スワニアはスウェーデンの王室エングレービング作家であった。彼の最後の作品は、第60回国際連合総会記念切手(2005年)であった。

引用: チェスワフ・スワニア – wikipedia

ポーランドからスウェーデンへ移住して、スウェーデンに移ってから彼の真骨頂が発揮されたようです。スウェーデンはもちろん、諸外国の切手制作にも多く貢献しており、たしかに日本にも収集家が多そう。

ユキコさんに教えてもらうまではスワニアの存在をまったく知りませんでしたが、彼の凹版印刷による細かい切手の絵を一度目に焼き付けてからもう一度大量の古切手に目を通してみると、多くの切手にスワニアの名前が入っていることに気が付きました。

またスウェーデン文化の深さを知ることになったと同時に、切手ってホントに気軽に買える小さな芸術作品だなと、再認識させられます。

ユキコさん、教えてくださりありがとうございました。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
2024 © スウェーデン菓子「リッラ・カッテン」