スウェーデン洋菓子店、深夜のねごと@19年09月17日(火)

15言目の「ねごと」。今日は書くべきことがあるので、週末に訪れたとんでもないカフェ(誉め言葉)の話題は明日に持ち越し。

店内イベント

店外イベント

  • 19年11月15日(金)〜17日(日)
    第16回 東京蚤の市@国営昭和記念公園(東京・立川)

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【09月】21日(土)/26日(木)
  • 【10月】05日(土)/10日(木)/24日(木)


ノルウェー語の講師であり、ノルウェー語の翻訳も手掛けていらっしゃるノルウェー夢ネットの青木順子さん。この場でお名前を出す際には「ノルたん」と呼ぶように希望をいただいていますが、そんなお茶目な青木さんによる新たな翻訳本です。

多少なりとも青木さんのキャラクターを知っていることが大きいですが、新たな翻訳絵本が出版されるという話題が耳に入ってきた際、今回はどのような切り口で翻訳していらっしゃるのか楽しみにしていました。

さて。この絵本はノルウェー出身であるトーリル・コーヴェというアニメーション監督による2017年のアニメ作品「Threads(糸)」が原作となっていて、アニメはコチラから鑑賞できるようになっています。自分はこちらのアニメからこの作品に入りました。

ストーリーは、一言にまとめると「一人の女性が一本の赤い糸を通じて、一人の幼い女の子と繋がる」というもの。両者の関係については、アニメでは女性と幼い女の子の関係が明言されていない気がしたのですが、絵本作中に「あなたの おかあさんに なりたい」と書かれていたことで世界観が少しハッキリしましたね。

でもこの作品は、この本について情報を発信していらっしゃるいろいろな方の尽力を踏みにじってしまうようで憚られますが、できるだけ作品に対する事前情報を得ないで読んでみる方がいいかもしれません。商業的に仕方がないことなのですが、絵本の帯に作品の受賞歴などが書かれていますけれども、それはとりあえず置いておいて。

「アカデミー賞作品だからイイモノである」というアタマで読むよりも、「ブログでこう紹介されていた」というアタマで読むよりも、とりあえずまずは絵と文章だけで読んでみていただきたい。その方が、いろいろな方にとっての『自分』を、作品のなかの『わたし』に投影できる。そういう作品だと思うのです。

もちろん、自分自身も「こう思った」という感想はありますけれど。ここで一人の感想を読んで作品に触れた気分になっていただくよりも、せっかくアニメも鑑賞できるサイトもありますし、まずはそちらを見ていただいた方が「わたしの糸」という作品に深く触れて戴けるものと自分は考えました。

大事なことだからもう一回。2017年のアニメ作品「Threads(糸)」が原作となっていて、アニメはコチラから鑑賞できるようになっています。このアニメを入り口として作品に興味が生まれたら、ぜひ絵本を手に取ってみてください。

この歳になると「作者はこの作品を通して何を伝えたかったのかな」と考えてしまいがち。それも一つの楽しみ方ですが、敢えて作者の存在を無視して作品と正面から向き合うことも一つの楽しみ方だと思うんですよね。何も考えず、ただ自分が感じたままの感想があればええじゃないかと。

ちなみにアニメを観た自分が予想していた二人の登場人物の関係性は「親子…かな?(でも二人は似てないしな)」でしたが、絵本だけしか読んでいない店長が感じた二人の登場人物の関係性は「養子縁組かな?」だったそうです。しかし先にも述べたように、解釈が合ってる合っていないの議論は重要ではない。それが自分と店長との見解でした。

ちょっとでも間違った発言をしようものならSNSで「それは違います」という指摘が入ってしまいかねないほどの窮屈さを感じる現代ですが、この絵本を読んだヒトたち同士でどういう解釈をしたのかを自由に示し合うのは楽しいでしょうね。きっと様々な解釈がでてくるほどに行間の広い作品ですから。

とはいえ。この作品に関しては作者であるトーリル・コーヴェが作品に込めた想いを知る機会があるそうです。

訳者の青木さんによる本作にまつわるトークショー。下記リンク先では「トーリル・コーヴェさんから直接うかがった本作創作までのプロセスや伝えたかったことをお話します」との一文がありますので、もしこの絵本にこめられた想いに興味がある方はゼヒ。

ノルウェー絵本『わたしの糸』刊行記念トークショー
●日時:10/10(木)18:30~20:00(開場18:15)
●場所:ひるねこBOOKSさん〈台東区谷中2-1-14-101〉

もしネットでのご購入を考えている方は、せっかく新本として購入するのであれば、ぜひ日本の企業が運営しているネットショップ、または地域に根差した店舗でのご購入を検討してみてはいかがでしょうか。便利だからと1つの企業ばかりに売り上げが集中すると、冗談じゃなく日本からお店がなくなっちゃうので。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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