多くのスウェーデン語絵本を扱うリッラ・カッテンが、自分たちで実際に読んだスウェーデン語絵本を紹介します。目標はとりあえず100冊です。お店では扱わない作品、または絶版の作品もあるために入手が難しい絵本も含みますがご容赦ください。
1892年発表
Prinsarnes Blomsteralfabet王子さまたちの植物アルファベット
作:Ottilia Adelberg(オッティリーア・アーデルボリ)
スウェーデンの自然を舞台にした絵本作品が人気のエルサ・ベスコフよりも少しだけ先輩の絵本作家、オッティリーア・アーデルボリ。スウェーデン語のWikipediaには、スウェーデンにおける漫画表現を用いた作家の先駆けとして紹介されています。(参考:Ottilia Adelborg@Wikipedia)
絵本の内容は”A”から”Ö”まで、それぞれのスウェーデン語アルファベットからはじまる植物の名前に関する詩とイラストが対になった作品。イラストに描かれている人物は植物の特徴を擬人化していたりも。
すこし古いスウェーデン語であることや、詩的な表現であることが相まって、詩の内容をきちんと理解することは難しいかもしれません。しかしイラストの雰囲気だけで十分に楽しめます。
たとえば『Flugsvamp(ベニテングダケ)』はかわいらしい見た目とはうらはらに毒キノコなのですが、誰かが『毒』と書かれたツボを小脇に置いてキノコの表面に毒を塗っているイラスト。
しかしどうやら『X』や『Z』からはじまる名を冠した植物はなかったようで、少し寂しげでした。
ビョルネン・ソベル