多くのスウェーデン語絵本を扱うリッラ・カッテンが、自分たちで実際に読んだスウェーデン語絵本を紹介します。目標はとりあえず100冊です。お店では扱わない作品、または絶版の作品もあるために入手が難しい絵本も含みますがご容赦ください。
2006年発表
Köttbulle matchenミートボール・マッチ
作:Pernilla Stalfelt(ペニッラ・スタルフェルト)
スウェーデン人が愛するスポーツ競技のひとつ、サッカーをテーマにした絵本なのですがどうも様子がおかしい。そう、登場人物はすべて食べ物であり、ミートボールチームとパスタチームのサッカー試合なのです。
この出場選手の一覧に並んだ名前を見てクスっと笑える方はかなりのスウェーデン通。「うん、スウェーデンにはこんな名前よくあるあ…ないよねー」と、気が付きますでしょうか。パスタチームはパスタや小麦粉にちなんだ名前、ミートボールチームは肉にちなんだ名前で揃えられています。
ちょっと違うかもしれませんが、ジブリ作品などで多くの音楽を担当してきた「久石 譲(ひさいし じょう)」の名前が、「クインシー・ジョーンズ」に由来することをご存知でしょうか。そんな感じ。
ヨーロッパの熱いサッカー試合の光景が目の前で展開されているようなリアルな描写ですが、試合をしているのはパスタとミートボール。ちなみに審判はケチャップです。中立ですから。
特にこの絵本はサッカーに関する専門用語も結構使われているため、なかなか読むのは難しいです。しかし、意味が100%わからずともとにかく辞書をひかずにスピード感を大事に、スポーツというテーマらしく勢いで読み切ってほしい絵本です。
–
当時スウェーデンに暮らしていたファミリーにオススメしていただいた作品なのですが、たまたま日本の古本屋で売っていたのを見つけて購入した絵本。ちょっと特殊な経緯で入手したために思い入れのある一冊です。
このペニッラ・スタルフェルトという絵本作家の作風なのですが、ところどころ狂気を感じるような絵がちらほら。こんなシュールな世界観ではありますが、実は哲学的な作品も多く手がけており、日本語に翻訳された作品もあります。
女性ですよ。
ビョルネン・ソベル