ビョルネン日報@18年10月17日(水)くもり

18年10月17日(水)くもり。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

「御魚ギャラリー」展示内容

店内イベント

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【10月】11日(木)/25日(木)/27日(土)

店外イベント

今日のリッラ・カッテン

幻想的な作風が得意なJohn Bauerヨン・バウエルの写真

本日は「荒川強啓デイ・キャッチ!」を聴きながら、延々とポストカード新シリーズのデータを整えていました。印刷物のデータ作成は、間違えたまま入稿してしまっては取り返しがつかないので物凄く神経使います。子どもの頃からケアレスミスが多い自分にとって天敵のような作業。この日報をアップしたら入稿作業をします。

で。今回制作するポストカードの大半を占めるのは「John Bauerヨン・バウエル」という画家です。19世紀末から20世紀初頭まで、短い生涯ながら神秘的な作風を多く残した作家で、既に日本で著名なエルサ・ベスコフやカール・ラーションなどとも一部時代が重なることもあり、決して遠い関係ではありません。意外かもしれませんが、エルサ・ベスコフが手掛けた文章にヨン・バウエルがイラストをあてた作品もあります。

Rottrollロートトロッル(根のトロール)」

ほの暗い森のなか、横たわる少年の周囲を取り囲む怪しいトロールたちの姿。少年のモデルは、ヨン・バウエルの息子のプッテとされています。

多くのヒトがイメージしやすいベスコフを用いて表しますが、スウェーデンの自然豊かな光景をエルサ・ベスコフが「陽」で表現したというのであれば、ヨン・バウエルは「陰」で表現したという感じでしょうか。

自分も120%「陰」に属する人間なので、ヨン・バウエルの作品に初めて触れたときから気に入りました。いや、世代によってはエルサ・ベスコフのような牧歌的な描写よりも、ヨン・バウエルのような幻想的な描写の方が好きだと思うんですが、どうでしょう。自分にとってのヨン・バウエルの絵に対するファーストインプレッションは「あ、ファイナル・ファンタジーじゃん」でした(ただし、ドラクエ派)。

大学時代、スウェーデンの何か所かを一人で巡った際に、その目的地の一つとして、彼の故郷である「Jönköpingヨンシューピング」という街も含めていました。そこにある美術館には、ヨン・バウエルの作品がたくさん展示されているのです。

「God kväll, farbror! Hälsade pojken(こんばんは、おじさん!と少年は挨拶をした)」

ヨン・バウエルの名を特に有名にしたのは「Bland tomtar och trollブランド トムタル オ トロッル(妖精とトロールに囲まれて)」という文芸雑誌。1907年より、毎年スウェーデンでクリスマスシーズンに出版されてきた子供向けの童話集で、そこに収録された物語のために描いた挿絵が高い評価を得ました。

よく考えると、日本でいえば明治後期ですね。その時代にクリスマスシーズンごとに出版されていた多くの子供向け童話集がスウェーデン児童文学発展の基盤になっていることは間違いないです。すでに言及しているかもしれませんが、いま自分の興味が最も注がれている時代がそこ。

さらに彼の生涯は意外な結末を迎えたり…って、日報ごときで彼のあれこれをまとめるには時間が掛かりすぎるし、まだまだ勉強不足な点もあるので、また別の機会に譲ります。ついでに付け加えると、間もなくスウェーデンで彼の生涯を描いた映画も公開を控えているようです(参照:John Bauer & Bergakungen | Den dramatiska kärlekshistorien om Ester och John Bauer blir film)。

とにかく、彼の作品6点がポストカードになります。そして、エルサ・ベスコフの作品を2点と、オリジナルのクリスマスカードを2点。計10点が近々お店に並ぶ予定です。

うまく印刷できればいいんですけどね。

※ スウェーデン語絵本の登録の復旧はしばらくお待ちください

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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