スウェーデンおつかい旅 2017(夏)@第13話:お盆の東京のようなストックホルムにて

2017年6月から7月にかけて、北欧スウェーデンとフィンランドへおつかいへ行くことにしました。その様子を準備段階からまとめていきます。

ヘルシンキでお伝えしたことを憶えているでしょうか。夜になかなか暗くならないということ。結論までちゃんと伝えていなかったですが、アレが白夜っていうことでよかったんですかね。だって、24時を過ぎてもちょっと明るかったし。なぜここでそのときのハナシを持ち出したかというと、ストックホルムはちゃんと23時頃には暗くなるんですよ。ヘルシンキとそんなに遠くないと思っていたのに。北欧といえど、やはり国ごとに特徴はあるものです。

一応こちらが日が完全に沈んで暗くなったストックホルムの夏至の夜。宿泊しているホテルが、安いのでしょうがないのですが、1階で歩道に面しているために歩行者から見えづらくするようにマジックミラーみたいな仕様になっているんですね。実際の空の色より2段階くらい暗く感じられてしまう。だから空の色が完全に把握できないので、本当に暗くなったかどうか調べるために外に出ました。

ストックホルムは夜になるとやっぱり誰かが外で叫んでますね。ストックホルムを夜に出歩くことはあんまりオススメしませんので、よいこはマネしないでください。

ちょっとハナシが逸れますが、昼までも街中で「ヘイ」と声をかけてくる人間がたくさんいます。スウェーデン人が日本人が珍しいからといって話しかけてくることはなく、90%以上の確率で物乞いです。だから視線も向けずに完全に無視してください。自分はちょっとでも気にかけるそぶりをしたら負けだと思って歩いています。

実害を加えられたことはありませんが、かなり近づいてくるので、そういうのが苦手な方も頑張って無視してください。ツアーではなく、個人でストックホルムを訪れる方はそういった光景に驚くかもしれませんね。(自分がそういうところをほっつき歩いているだけでしょうか)

さて、今日の朝はこんな菓子パンを食べました。スカンセンのパン屋で購入しておいた”Sockerkringla(ソッケルクリングラ)”と、おなじみの”Kanelbulle(カネールブッレ)”です。スカンセンのパン屋は、一昔前のパン職人の格好をしたヒトが一昔前に実際にパン屋だった建物(移築されてきた)で焼いて、その場で販売しているものです。

カネールブッレは、カッテンでもおなじみのシナモンロールですね。すべてをお伝えしていませんが、カフェに入るたびにカネールブッレを食べています。ソッケルクリングラは初めて食べましたが、とてもクラシカルな食感がありました。一日寝かせてしまったことによる影響もあるかもしれませんけれども、昔の時代を感じる味でした。

スカンセンパン屋にはほかにも売っていたのですが、やっぱり一人で食べきれる量には限界がありますから。

そういえば、今日はスウェーデンでスマホからネットに繋げられるように、”SIMカード”なるものを手に入れました。「SIMカードって何?」という方は安心してください、自分もよくわかっていませんから。とりあえずスウェーデンの会社が提供しているSIMカードを手に入れて、そこにネット接続の権利をチャージすれば繋がりました。「きっとこうすれば街中にいてもスマホからネットに繋げられるんだろうな」と思ってやってみたら、「やっぱり繋がった」という結果になっただけです。

海外旅行にモバイル通信ができるとかなんとかっていう機器のレンタルあるじゃないですか。あれみたいなものです。機器をレンタルすると、スウェーデンの場合1日あたり1,200円以上掛かるって書いてあるし、そんなに金持ちじゃないんだゾということで、ダメ元でトライしてみました。やればできるものです。ちなみに自分が購入したのは3GBのチャージで、およそ1,885円です。電話は掛けられない状態でもいいので、その電話の権利はチャージしませんでした。

仕組みはよくわかっていないとはいえ、このやり方についてはどこかで紹介しておいて損はないと思うので、今後時間をつくって手順を書きたいと思います。コンビニみたいなところでSIMカード購入&チャージまでできたのですが、チャージの仕方についてはスウェーデン語でしか説明されていなかったので、ちょっとハードルが高いかもしれませんので、きっと誰かの役に立つでしょう。

気長にお待ちください。もしくは店でつかまえてくれれば、自分の知っている範囲で説明します。コーヒーとケーキは別料金ですが、いまのところは情報提供料無料です。

今日は夏至なんですよね。いくらか店は営業しているものの、ほとんどの店が閉まっています。どうせの気持ちでストックホルムで一番の目抜き通りであろう”ドロットニングガータン(女王通り)”という通りに行ってみたのですが、営業しているのは移民が営業しているおみやげ屋くらいのもの。いや、ヴァイキングの帽子とかいらないし。

というわけでただただ街中を歩くだけの一日になりました。

とりあえずドロットニングガータンを南下。スウェーデンの国会の建物のなかを通り抜けていきます。国会を通り抜けると王宮が左手に見えてくるのですが…あんまり興味ないんですよね(スウェーデン王族ファンの方には申し訳ないです)。だから写真も撮りませんでした。

ガムラスタン(旧市街)もいまさら自分が紹介するまでもないですよね。しましょうか?魔女の宅急便のハナシとかしましょうか?いや、カッテンに興味がある方はもうスウェーデンについて詳しい方が多いと思うので、いまさらやめましょう。もしまだスウェーデンに興味を持ち始めたばかりという方がいらっしゃれば、”ガムラスタン”で画像検索してみたりしてください。じつは結構感動するオススメ観光スポットです。

なんだかんだで、とりあえず自分もストックホルムに来たらガムラスタンはサッとでも歩いて通るようにはしています。やっぱりここがストックホルムのアイデンティティの1つだと思うので。で、Twitterには”ガムラスタンで一番狭い通路”なんていうところの写真もアップしたのですが、もう人生で何回ここを撮影してるんだよ、と。その割に過去の写真がどこにあるのか行方不明なんだから、どうしようもないですね。

とはいえ、スウェーデンに関連の深いお店を始めた身ではあるので、ちょっと資料としては持っておきたいなということで何枚か資料として写真は撮っておきました。歴史が好きな方であれば、このガムラスタンで起きた事件を学びながらいろいろと楽しめるのでしょうけどね。観光客が押し寄せる大広場だって、たしかデンマークとのいざこざの事件があったハズですよ。

店長と一緒にスウェーデンに来たとき、店長の知人さんがガムラスタンに住んでいる方で、その方の家にお邪魔したこともありました。管理が悪いから、もうそのときの写真もありませんけれども、そんな貴重な体験をしたという現実だけは大事にしています。いや、本当にあんなところにヒトがちゃんと生活しているというのがスゴいなと思いました。

ごちゃごちゃ言ってきましたが、ガムラスタンは見る価値ありますので、それだけのためにストックホルムに行ってもいいと思いますよ。

ガムラスタンを抜けると、一気にしばらくガランとしてしまうのですが、”Slussen(スルッセン)”というエリアになります。その名を冠した駅があるのですが、いまその周辺は大規模工事中。大学生(ぜんぜんスウェーデン語にやる気なかった)のときに初めて訪れた当初の面影はまったくと行っていいほどありません。

なんでも水質汚染の影響で飲み水が将来利用できなくなるということを回避するための措置だそうです。ただ単に古くなったからというわけではなく、理由があればきちんと動くところがスウェーデンという国の素晴らしさだと思います。

そしてついに歴史が動いた。写真にある店は、ずーっと古くからスルッセンにある名物屋台。初めてストックホルムを訪れたときからあったのですが、何を売っている店なのかもあんまり興味を持てずにいました。「なんかレトロな屋台がある」くらいの感覚で。

でもどこかでこの店の評判を耳にしたのか、そろそろ食べてみようかなという気持ちになってきたのです。で、肝心の何を提供している店なのかというと、”ニシンのステーキ”でした。

年齢的なものもあるのでしょうか。いままでニシンを扱った何かを提供しているところまで知っていたのですが、ニシンに食指が動かなかったので近づかなかったということもあります。いや、大人になりました。というか、これもまた引き合いに出してしまうのですが、カッテンが”食”を扱う店であるということで、やっぱり食文化にはいろいろと触れておきたいなという気持ちが強くなっているのです。

実はこれまでコケモモジャムが添えられているスウェーデンらしい付け合わせも苦手だったんですけどね。いや、大人になりました。今日はトッピングを聞かれたときに進んで「Lingon sylt(コケモモジャム)」と言うことができましたし、実際にポテトのムースとのコンビネーションが絶妙だと素直に思いました。

スウェーデン通ぶっているわけではありませんが、コケモモジャムの良さに気がついてしまったかもしれません。

で、スルッセンは”Södermalm(スーデルマルム)”という島にあるのですが、案の定この地域の店も目当てのものを扱う店はどこも営業していないので、島のヘリの部分を走る崖を登ってストックホルム市庁舎のある岸の方の眺めを見てみることにしました。ストックホルムでものすごい崖だらけの街なんです。市庁舎はノーベル賞授賞式なども行われる場所ですね。

よく分からないと思いますが、画像の真ん中よりちょっとだけ右。一番とがっている建物が市庁舎です。写真だとそんなものなので、ぜひ実際にストックホルムに行っていろんなところから市庁舎を眺めてみてください。

崖に登るとき、雨でとても岩が滑りやすくなっていて、滑った拍子に転びはしなかったですがスマホを落としました。大きな傷はつかなかったにせよ、ちょっと側面にへこみができてしまってへこみました。とはいえ大事には至らずよかった。

ここまで書いてきて、一日に結構いろんなことやってるんですね。今日はここで最後の話題にします。

さて「いい知らせと悪い知らせ、どちらから聞きたいんだい?」というアメリカンな問いかけ方から入りたいと思いますが、やはり心理学的には”悪い知らせ”からですかね。

画像にもありますが、カフェで本場のスウェーデン洋菓子を食べてみました。”vaniljhärta(ヴァニーリイェッタ)”と”dammsugare(ダムシューガレ)”です。ヴァニーリイェッタはカッテンでも提供しているものですね。

これまでスウェーデンを何度も訪れてきたとはいえ、いままであんまりスウェーデン洋菓子に関心なかったので、わざわざカフェで洋菓子を注文するということもなかったので、これが自分にとって初めての本場の味との遭遇です。

で、意気揚々と「こんなカフェで食べました!」と書きたいところだったのですが、正直言いましょう。「ちがう」な、と。悪い意味でちがう。だからカフェの名前は書きません、大人だから書けません。

カッテンでスウェーデン洋菓子を食べてくれたスウェーデン人、スウェーデンでスウェーデン洋菓子を体験したことのある日本人、どちらからも「スウェーデンのより美味しい」という感想をもらうことはあったのですが、お世辞のひとつだろうと勘ぐっていました。しかし、本当にカッテンの方が美味です。

本場スウェーデンで食べたスウェーデン洋菓子がアレだった。という夢を壊すような事実がまずは悪い知らせでした。結局、申し訳ないことに食べきれずに店を出てしまいました。ダムシューガレの甘いこと甘いこと。コーヒーで流し込むように食べきろうという試みも完遂できませんでした、残してしまってスミマセン。

そしていい知らせは、逆じゃなくてよかったな、と。リッラ・カッテンで食べるスウェーデン洋菓子がアレで、本場スウェーデンで食べるスウェーデン洋菓子はやっぱり良いね!という状況じゃなくてよかった。

あくまで自分の味覚のなかでの判定でしかないですが、リッラ・カッテンの方が断然食べやすいし、見た目も整っている。スウェーデンで食しているというマジックをもってしても、リッラ・カッテンの洋菓子の方が上でした。見た目部門、味部門、雰囲気部門でいくと、前2つはカッテン、店の雰囲気は今日のカフェの勝ちです。リッラ・カッテンにはまだ風格はない。

自分がチョイスした店がダメだったのかな。見た目はそこそこ老舗っぽいカフェだったんだけれども微妙だったのかな。こうなったら日本人に人気のある店を調べて、そこと比べてみようと思います。ヴァニーリイェッタあるかな、もしくはプリンセスケーキでもおk。

「スウェーデンの方がいい!」ってなってもらわないと、なんだか身内を褒める一方になってしまってお世辞っぽいですよね。

明日からは店が目を覚まします。体力勝負の日が始まりますが、もう午前2時だ。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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