スウェーデンおつかい旅 2017(夏)@第11話:ヘルシンキからフェリーでストックホルムへ

2017年6月から7月にかけて、北欧スウェーデンとフィンランドへおつかいへ行くことにしました。その様子を準備段階からまとめていきます。

昨日はまったく何も考えずにヘルシンキをふらつきましたが、今日はどこを見てまわるか見当をつけてから出かけました。

ただいまフィンランド時間で24時を過ぎています。2日と半日を過ごしたフィンランドの首都であるヘルシンキから、スウェーデンの首都であるストックホルムへ移動中です。移動手段はフェリーなので、バルト海の上にいます。

そのフェリーが提供している無料のネット回線につないでいるのですが、まあ遅いこと遅いこと。遅すぎてあくびが出るとはこのことです。とはいえ、秒単位で表示されないとイライラしてしまうなんて、自分が標榜するスローな生き方に反しているので、ネットにつながるだけマシということにしましょう。

ところで、これも自分なりの旅の楽しみ方なのですが、日本に帰ってからヘルシンキのガイドブックをチェックするんです。すると「やっぱりここは有名なところだったんだ」とか「全然人気のない観光スポットに行ってしまったのか」などの答え合わせが待っている。で、「ここも行っておけば良かった」なんて場所があっても全然いいんです。それをモチベーションにまたヘルシンキに来ればいいのだから。

もしかすると10年後になるかもしれないし、また半年後になるかもしれないし、いつになるのか分かりませんが、きっとまたヘルシンキには来るでしょう。そのときは自分一人じゃないかもしれないし、それはそれで違った毛色の観光になるはずです。

一人旅のいいところは、トラブルが起きてもすべて自己責任なので、誰にも迷惑をかけないところですね。今回はテンペリアウキオ教会を探すのに、近くまで来ていたのに見つけるのにすごい時間がかかってしまいましたし、観光船に乗ったら全然面白くなくて2時間損したとか。自分の中ではつまらなかったという「(笑)」もひっくるめて体験です。

ということで、自分なりに調べた範囲でヘルシンキ内で行きたいと思える場所にはすでに行き尽くしてしまったので、今日はとりあえず買い物に出てみるかなと。

ちなみにヘルシンキのトラム、観光客として使ってみるととてもわかりづらくて難しいです。どっち方面に行くのかの判断がなかなかつかなくて、運転手さまに「どこいくんだい」と聞けばいいのでしょうけれども、コミュニケーション苦手な人間にとってはムリ。観光案内所でもらえる地図もトラムがどこを走っているのかに関する分かりやすい資料は自分では見つけられませんでした。これも係のヒトに聞ければいいんでしょうけれども(察してください)。これは日本で出版されているガイドブックとかにわかりやすい地図とかあったりするのでしょうか。

そうそう、自分のように引っ込み思案だけれども旅行には行きたいっていうヒトもきっと多いですよね。言語に自信がないけれども旅行には興味あるみたいな。そういう人種に「ヒトに聞けばいいじゃん」というアドバイスはなしです。自分はいよいよ本当に困ったときはヒトに聞きますけどね。ビョルネンさんはそんな”引っ込み思案人間”を応援します。(ちなみに店長はコミュニケーション得意人間です)

いや、ヒトに尋ねないことで自分で物事を解決していくクエスト感も自分にとっては旅の魅力のひとつなんですけれども。おかげでいざというときのトラブル解決力は結構すごいと思います。過去にもさまざまなトラブルを起こしてきましたが、もうトラブルが起きてもあんまり慌てなくなりましたね。何が起きてもなんとかなるものです。

まずはかもめ食堂…のロケ地になった店(ですよね)。ギリギリでこのお店の存在を思い出しました。調べた店がある地域の近くだったので、ついでに寄ることにしたのです。

かもめ食堂は最近なんとなく見直して、原作者の群ようこさんのフィンランド人に対する考察がうまいなと感心しました。いや、実際に自分はフィンランド人の気質を語れるほどフィンランドのことを知りませんが、見事なまでに”先入観”を描写できているな、と。偉そうに評していますが。

でもなんでしょう、一人でここには行きたいとは思っていなかったんですけどね。なんか、日本人としてのルーチンワークの一環として、儀式としてここに立ち寄らないといけない、そんな場所になっている気がしてしまって。実際に自分もなんだかんだでここに来てしまいましたし。あれです、例えばユニクロで買った服を着てうっかりユニクロに立ち寄るときの間隔と同じような気まずさ。別に悪いことしているわけじゃないのに、なんだかコソコソしてしまいませんか?自分だけですか?

ちなみに自分の前を歩いていた方が日本人でした。「Marimekko」という文字が書かれたトートバッグをお持ちで。この地域はフツーの変哲もない街っぽいので、ここを歩いているアジア人は日本人であることがほとんどなんですかね。かもめ食堂がこれだけ日本人を魅了したのって何でなんですかね。フシギな映画です(もちろんいい映画です)。

で、本来の目的であるアンティークショップ。じつは開店時間前にこの地域についてしまったのでしばらくこの辺をウロウロしていたのに、何度か素通りしていました。それぐらい入り口のアピール力は弱いのに、店内に足を踏み入れると広大な売り場が広がっていました。

もう今日はスウェーデンに出発するし、あんまり荷物を増やしたくないから「いい物がありませんように」という気持ちの葛藤も併せ持ちながら店内を物色します。

結果、「いやいやいや、これはいいんじゃないでしょうか」というモノ、ありました。想定しているよりも値段がそれほど安くはないなー、もしこれを販売するとしたら結構高くなっちゃうかなー、とか心配しつつも、自分がいいと思った直感を信じて購入しました。

アラビアの食器なのですが、食器のシロウトながら自分は初めて見るレトロな絵付けがしてあるものを数点。日本のお店で見たことがないのですが、どうなんでしょう。早く答え合わせがしたい。

意外と日本で扱っているお店が少ない食器がホイホイ見つかるんですよね。本当の北欧食器の買い付けのプロの方に言わせれば状態が悪いとか、需要がないとか、そういう理由があるのかもしれませんが、そこはシロウトの強さ。雰囲気がいいと思ったらとりあえず買います。

たとえ有名じゃないシリーズでも、その食器に対する良さを共感してもらえるお客さんは少なからずいるということは2年前に買ってきた食器たちで経験しているので、今回も自分だったらいいなと思えるものを。ちなみにリッラ・カッテンは食器はメインに扱わないので、それほど詳しくありません。あしからず。メインはスウェーデン洋菓子店とスウェーデン語絵本ですよ、っと。

その店を後にして、新橋のサラリーマンよろしく「もう一軒いこう、もう一軒!」とやってもよかったのですが、もしこれ以上買いたい物が見つかってしまったらいよいよ荷物を運ぶのが大変なので、そのエリアを後にしました。

中央駅付近のカフェで時間をつぶしつつ、フリーWifiにつなげられたので店長&マディッケンとスカイプ。マディッケンは一応、自分の顔を憶えていたようです。夕飯時だったようで、食べている焼きそばの麺を嬉しそうに見せてくれました。

で、フェリー出航の2時間ほど前に余裕を持ってターミナルに到着。笑顔のアシカがトレードマークのシリアラインの船です。航行時間は17時間くらいかな。以前、ストックホルム留学時代に利用したのはヴァイキングラインという会社のフェリーだったので、シリアラインは初めてです。

ターミナルに着いた頃はガラガラだったのに、やはり出航時間間際には大変なヒトデ。日本人観光ツアーらしき一段もいらっしゃいました。ヘルシンキからストックホルムまでフェリーで移動するツアーもあるんですね。

いざ船内に入ると、中にはちょっとした街が広がっていました。なんだか急に金持ちになった気分です。日本語での案内なんかもあったり、日本人の利用客も多いんですかね。自分が知らないだけでヘルシンキからストックホルムへのツアーって結構あるのかな。いくらだか調べたくなってしまう。

とりあえず船に乗れるのであればなんでもいいやと、あんまり説明を読まずに予約していたのか、そのことを忘れていたのですが、なんと船室が一つ与えられていました。まあ、船が沈んだら真っ先に被害を受けるであろう船底に位置する部屋なのですが、シャワーとトイレ付き。東京から大島へ渡る船のように雑魚寝空間でじっとしていなくてはいけないかと予想していたのですが、これは嬉しい誤算です。

出航間際はみんなショッピングエリアに殺到していたので、自分は船室で寝て時間を過ごしました。そしてみんなが寝静まった頃を見計らって、こうして動き回っている訳です。やっぱり誰もいない空間が好きなんですよ。

紙コップに入ったカフェラテを出航時に飲みながらフィンランドを後にしたのですが、よくよくレシートを見たら、36クローナだって。つまり450円超え?ストックホルムに着くまで日本から持参したウーロン茶で過ごします。

別に船内でイタリアン食べてもいいんですよ?船内の寿司屋で2500円くらいするエビとザリガニのオープンサンドを食べて、その写真をアップしてもいいんですよ?でもその分は今回のおつかいで仕入れる商品の販売価格に反映されますけどね!(だから食べませんよ)

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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