ビョルネンは時間泥棒@19年04月03日(水)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

  • 19年04月09日(火)~19年05月31日(金)
    『スウェーデンの学校の国語教科書展』

店内イベント

  • 【満席】 19年04月26日(金)/27日(土)12時~
    スウェーデン伝統スクエアケーキ2種

店外イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【04月】06日(土)/11日(木)/20日(土)/25日(木)
  • 【05月】18日(土)/23日(木)

今日の時間泥棒

リネアさんの自宅の庭から

今日、店内では和菓子教室が開かれました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

参加してくださった方のお一人、リネアさんからは毎年のように自宅で咲いた花をいただくのですが、これを見ると「今年もその季節が来たんだな」と感じられるようになってきました。

精神的圧力を掛けるつもりはありませんので、もしまた「リッラ・カッテンにでもあげようかな」と気が向いたときには、今後も是非お願いいたします。

あと、現在スウェーデンにお住いの方がお店を訪れてくださって。日報やら泥棒をチェックしてくださっていて、いつぞや自分がスウェーデンに赴く際にアドバイスをくださったという申告をしてくださいました。最後にスウェーデンに行ったのは、早2年近く前ですが、その間ずっと店のことを飽きずに遠くから見守ってくださったのですね。ありがとうございました。

あ、次回の絵本展のテーマだけ決めましたが、これは今週中にまた改めて紹介します。

「神田松之丞 講談入門」河出書房新社 刊

で。昨日の続きですが。

弟弟子と入れ替わって、客席が待ち望んでいた神田松之丞(今日も敬称略)が登場すると大きな拍手が沸き起こる。いや、やっぱり人気者は違うな、と。

講談の世界において、神田松之丞よりも後にこの世界にヒトが入ってくるようになったのは、本当に最近のことかと思います。断定していいものかわかりませんが、やはり神田松之丞という若手のスターが登場したことによって一気に色が変わり、若者にも講談の存在が知られるようになったおかげで入門者が出てきたのでしょう。

ただ。彼のことを調べていると、神田松之丞という人物は決して「売れた」のではなく、「売った」という表現の方が適切なアクションを取ってきたことがわかります。死に体しにたいである講談界に誰も変革を起こそうとする人間がいなかったなか、どうすれば世間の耳目を集めることができるものかとアイディアを考え、そして実行してきた。そこが尊敬できるところなのです。

アイディアだけは浮かぶけれども、自分も含めて、それを実行に移せないというヒトもたくさんいますから。そしてそれを結実するまで、トライアンドエラーを繰り返しながら実行するという。ただ毎週ラジオで誰かを毒づいているだけのヒトだったら、もちろんこんなに人気は出なかったでしょう。

実際にこうして彼の講談を聴くのは初めてですが、弟弟子の講談と比べると、その迫力やら滑らかさにおいて雲泥の差があることは素人の自分にもわかりました。登場人物やストーリーがスッとアタマに入ってくるのです。

洋画なんか観ていて登場人物が3人出てきたくらいで誰が誰だかわからなくなってしまうような自分でも、彼の演じ分ける人物たちの区別が付けられました。そうか、これが”話芸”なんだな、と感心するばかり。

演者にとって自分はイヤな客だろうなと思うのですが、感心するばかりであんまり笑わないんですよね。「なぜヒトはいまの文脈が”面白い”と思えるのかな?」とか、「この仕草は観客にどのような印象を与える効果を狙っているのかな?」とか、いろいろ考えちゃって。それはそれで自分なりの楽しみ方で、ちゃんと楽しんでいるのですが。

昨日も書きましたが、落語よりも講談の方が自分の性分に合っていそうだぞということはわかったので、会場で買ったこの「神田松之丞 講談入門」を読んで、もう少し講談について知りたいと思います。

さて。今回は戴いたチケットがあったから講談を聴く機会を得ました。本当にいい経験をさせていただきました。イニシャルで失礼させていただきますが、Hさん、本当にありがとうございました。

ちょっと、周りに講談に興味がありそうな人間がいないので、もしよろしければ講談についてHさんなりのお話聴かせていただけませんでしょうか?御礼も込めて、僭越ながらお店でコーヒーとケーキでもいかがでしょう。その場合は、御礼なのにご足労をお掛けしてしまいますが。

もし当方からのこの申し出に興味ありましたら、ご一報くださいませ。

神田松之丞のサイン入り

余談。じつは会場に入ってフロアへ上がったところで、講演前の神田松之丞本人がグッズ購入者に対して既にサイン会を行っていました。

サインの全貌をここで披露して、今後彼のサインをもらうかもしれない方の「神田松之丞さんのサインはどんなだろう?」というイマジネーションを奪わないように、日付のところだけの写真にしておきますが。

以前からこの本を欲しいと思っていたのですが購入が先送りになっていたのですが(新本をホイホイと買えるほど金持ちではない)、会場でこの本を買えばサインをしてくれると聞きまして。せっかくの機会なので、著名人のサインをもらってみようと。自分から「サインください」って言ったことないから、そういうときにヒトはどんな心境になるのか知りたかったのです。

数名ほど並んでいる列の最後尾に立ち、いざ自分がサインしてもらう番。ついでに一言伝えてみました。「ラジオ聴いてます。講談は初めてです。今日はよろしくお願いします」と。すると、サインを書きながら「ラジオを聴いていただけているのは嬉しいですね」とサラリとラジオで聴くままの彼らしい返事が。

自分も2年半ほどこの場にヘタな文章を寄せていますが、なんだかんだで「読んでいます」と伝えていただくのは励みになるものです。それを知っていたので「ラジオ聴いています」ということだけは伝えたいと思ったのです。仮にその日に100人から「ラジオ聴いてます」というコメントをもらっていたとしても、その100人に到達するための「1」になろうと。

ラジオのパーソナリティーがよく「テレビ観てます」よりも「ラジオ聴いてます」の方が嬉しいと言いますし。ラジオこそ本音が語れると捉えている出演者は多いのでしょう。実際に神田松之丞のラジオでも、オープニングの口上において「子どもの頃、大人の本音が聴けたのはラジオだけだった」という主旨の一言が毎回繰り返されてきました(来週から時間帯引っ越しだから、口上が変わるかもだけど)。

じつは、この泥棒(日報)も、始めた当初からコンセプトは”ラジオ”なんです。できるだけ写真は最低限に、説明はできるだけ文章で、なるべく本音で、そんなことを心掛けています。

だって、本音で語られない文章なんてつまらないじゃないですか。そんなことしていたら「今日も美味しいお菓子ができました☆彡」ばっかりになっちゃうし。そんなキラキラしたことばっかり書けるかー!

悲喜交々、紆余曲折あると思いますが、お付き合い戴ける方は今後ともリッラ・カッテンをよろしくお願いいたします(べつに泥棒は読んでいただかなくてもいいので)。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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