ビョルネンは時間泥棒@19年02月28日(木)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

  • 19年02月05日(火)~19年03月30日(土)
    『日本語に翻訳されたスウェーデン絵本展』

店内イベント

店外イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【03月】09日(土)/14日(木)/28日(木)/30日(土)

今日の時間泥棒

1973年印刷版「Sju sorters kakor」

リッラ・カッテンもお世話になっているスウェーデン洋菓子の定番レシピ集である「Sju sorters kakorフュー・ソッテッシュ・カーコル(7種のクッキー)」の少し古い版のものを取り寄せました。

ちなみに。カッテンでも提供している「Silviakakaシルヴィア・カーカ」がクッキーでなくケーキであるように、「kakaカーカ(複数形:kakorカーコル)」は、焼菓子全般を指す意味の広い言葉ですが、便宜上”クッキー”としておきます。

Sju sorters kakorフュー・ソッテッシュ・カーコル(7種のクッキー)」の初版は第二次世界大戦が終戦を迎えた1945年。当然オリジナルの方が歴史的にもどんなレシピが掲載されていたのか興味あるのですが、さすがに初版は手に入りづらいので、ある古書店からの絵本の仕入れついでに、同店で扱っていた1973年版をとりあえず一緒に購入したのです。

現行版と比べると、スウェーデン洋菓子の変遷なんかも見えて面白いかなって。歴史考察が必要な際のヒントを得るための資料としても有効ですし。

単位の換算表

店長が目を留めたのは、単位の換算表が書かれたページ。この表は(いまウチにある)2005年版には掲載されていないんですよね。

スウェーデン洋菓子のレシピはどうやら単位が日本の慣習と違うようで。たとえば砂糖であれば日本だと「グラム」を用いるところ、スウェーデンでは「デシリットル」が用いられたり、まあ店長によるといろいろと換算が面倒なようなのです。

前の持ち主のレシピメモ

自分が「お」と思ったのは、以前の持ち主が残した何かのレシピ。前の持ち主の残像が垣間見えるアイテムに情緒を感じます。

このレシピは…「Recept på förs…försov…ostkaka」?スウェーデンでは筆記体で文章を書くのが一般的で、自分は筆記体は書けないもののとりあえず読むことはできるのですが、読めないケースもちらほら。

解読できた文字をヒントに、自分の語彙のなかから思いつくものをアタマのなかで検索していって文脈に当てはめて…みたいなパズルのような読解をしていくことが多いです。

この「förs…ostkaka」が解読できない。自分の語彙のなかからだと「försovande ostkaka」が思いつくけれども、それだと「寝坊したチーズケーキ」という意味になってしまうから多分違う。そうであってほしい気持ちはあるけれども、十中八九違う。

ほかには「försvunnen ostkaka」で、「消えたチーズケーキ」。いきなりミステリー。昔、「チーズはどこへ消えた?」なんて売れたビジネス書があったけれど、きっとこれも違う。

文字のシルエット的に絶対に違うけれども「förstärkande ostkaka」であれば、「強化されたチーズケーキ」かな。厄介なことに「förs…」から始まる単語ってたくさんあるんですよね。

おーい、山田君。コレ読めるヒト、連れてきて。

材料は読める。

2 ägg(タマゴ 2つ)
8dl mjöl(小麦粉 8dl)
3tsk bakpulver(ベーキングパウダー 小さじ3)
2hg smör(バター 200g)
äpple, kanel, socker(リンゴ、シナモン、砂糖)
200g(200g)

でも作り方が書いてないか。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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