ビョルネンは時間泥棒@18年12月15日(土)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

店内イベント

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【01月】12日(土)/17日(木)/26日(土)/31日(木)

今日のマクラ

土曜日の夜、諸事情が重なって文章を書く時間がなかったので、本日月曜日の夜にスライドさせました。

ということで、少し遅くなりましたが、朝日カルチャーセンター横浜での店長による講座にお越しくださった皆様、ありがとうございました。フタを開けてみれば、予定していた申込締め切り人数を上回り、オーバーブッキングとなる25名からのお申込みをいただいたようで。

でもこういうのって、1回目はいい数字が残しやすいんですよ。問題は2回目があれば、というハナシ。2回目、3回目と、こういう機会をいただいたときに同様の方々にお集まりいただけるかどうかで真価を問うべきなわけです。

当日の様子はね、写真なんてないです。「店長がしゃべってるところ、写真に撮って来てよ」と店長に伝えておいたのですが、やはり光速を超える速さで移動することは難しかったようで、自分が講義している様子を撮影することは叶わなかったとのこと。

裏話として、会場ではルッセカットに合わせてコーヒーを参加者さんに提供するというハナシになったのですが、インスタントコーヒーを提供するかどうかで少々2人の間で紛糾が。20名超分のコーヒーを液体で運ぶって、結構大変なんです。まあ紛糾と言っても、結論としては当然「いいものを召し上がっていただく」というところに着地するわけで。

3リットルのコーヒーを運ぶためにポットを新しく買って、当日朝から店長はコーヒーを沸かして淹れていました。コーヒーが苦手という方もいるかもしれないということで、紅茶も。そういうところ、マメですなぁ。講座で提供するコーヒーまでもこだわるという姿勢、見上げたものです。

今回、講座の機会を与えてくださった朝日カルチャーセンター横浜さん、並びにご参加くださった皆様、重ねてありがとうございました。

今日の時間泥棒

「スウェーデン人だけど質問あるコーナー」にハガキ来た

来るよね、来ちゃうよね。お遊びにお付き合いいただき、ありがとうございます。半分冗談、半分本気の「スウェーデン人だけど質問あるコーナー」に、山のようなおハガキが届きました(初めてこのページにたどり着いてくださった方には何のことだかわからないと思いますけど、いろいろと説明不足なまま進めます)。

届いたハガキの総数、なんと!1通。すばらしい。

ゼロでも全然おかしくはないし、いまどきハガキを出す労力を考えると、そのハードルを飛び越えてくださった方がいることが、やはり嬉しいことです。

で、肝心の質問。2つ書いてくださっていました。リカードに質問だ。

Q. 日本の「ここがいいなー」と思う点はなんですか?

リカードによる回答
  1. 治安がいい
  2. 食事がおいしい
  3. 食事が安い
  4. 食事にチップがいらない
  5. メニューに写真がある

いろいろと雑談で脇道に逸れながら、いろいろと出てきました。日本に留学経験もあって、日本語も堪能なリカードからの視点でも、やはり「治安がいい」というのは魅力的なようで。

「人生で何か盗まれたことある?」と尋ねたところ、「自分は盗まれたことないけど、ヒトから”盗まれたハナシ”は聴いたことはある。ただし、大体ストックホルムで、だね。ヨーテボリじゃない」とのこと。

「北欧は治安がいい」という認識があるヒトもいるかもしれませんが、実際は日本以上に治安のいいわけではありません。観光地、とくにストックホルムでは常に窃盗に気を付けた方がいいわけで。10年前にスウェーデンを一人旅をしているときに、ちょっとした田舎の駅でトイレに行こうとスーツケースから数メートル離れただけで「危ないよ」なんて注意されたり。

窃盗ならまだ可愛いもので、スウェーデン国内のニュースでは発砲事件がしきりに発生していて、どうやら外国から流れて来たギャング同士の抗争が街なかで起きているようで。あとは「こんなに学校が燃える国はほかにない」と揶揄されるほど、学校がよく放火されたり。

自分も店長もスウェーデン移住に対して憧れを持っていないのですが、そういった治安の面では日本に勝る国なんてそうそうないわけです。それが当たり前になってしまってなかなか気が付けないことですが、本当にありがたいことだと思います。

そして、気になる回答として挙げたいのは「食事にチップがいらない」というところ。旅行ガイドブックには「基本的にチップの習慣はない」と紹介されている媒体もあるようですが、実際にはチップが必要なレストランも存在するとのことです。

ここからがキャッシュレス先進国らしいのですが、チップも電子マネーで支払うとのこと。本来の支払額にプラスして、チップをいくら払うかまで入力できるようになっているらしいです。そんなチップの渡し方、なんだか情緒がないやり取りだな。

自分はスウェーデンでチップを払ったことがないので、リカードに「チップが必要な店かどうか、どうやって判断できるの?」と尋ねると、ちょっと困った顔で「雰囲気?」と。「だから面倒なんだよ」ということです。それに対して日本は、どんなに格式高そうな店でも、基本的にチップを払うという概念はないからラクということです。

「メニューに写真がある」というところも、日本人の気が付かない日本のいいところなんですね。言われてみれば、たしかにスウェーデンのレストランで差し出されるメニュー表には文字情報しかないかも。「アジア料理の店ではメニューに写真がある店も多いけどね」とのこと。

テキトーに頼んで、実際に料理が運ばれてきたときに「そっち行っちゃたかー!」みたいに、あえて失敗するのもキライではないけれども。ドバイを経由するエミレーツ航空に乗った時、機内食として提供されるメニューリストに書かれた料理の内容がまったくわからなかったから何を食べさせられているのかさっぱりわからなかった記憶が。

Q. 日本の「ここがイヤだなっ」と思う点はなんですか?

リカードによる回答
  1. 現金主義なところ

前半でかなり時間を使ってしまったので、こちらの「イヤなところ編」はあまり時間を割けなかったのですが。

「日本のイヤなところ=現金主義なところ」とは、またまたキャッシュレス先進国的な回答。いつだったか、店を訪れてくれたスウェーデン人が「1円玉がイヤだ。価値がほとんどないのに、重いから」なんてことを言っていたけれども、極度の現金主義を表明している荒川強啓に説教されるがいい。

自分がスウェーデンに行った時。たとえば98kr(スウェーデンの通貨単位はクローナ:kr)の買い物をしたときに、5krのお釣りをもらおうと、103krを払うと、「何だよこれ。100kr札で足りんだろ」って顔で3kr突き返されるんですよ。

「なるほど、スウェーデンではそういう考え方ね。完全に理解した」と思って、今度は別の店で、98kr(スウェーデンの通貨単位はクローナ:kr)の買い物をしたときに、100kr札だけ出すと、「コインで3kr持ってない?」と言われる。

「なるほど、スウェーデンではそういう考え方ね。どっちだよ」って、面倒くさくなって最終的にクレジットカードで支払うのが一番ラクという考え方に落ち着いてしまう、と。しまいにはペットボトル1つ買うだけでもクレジットカード決済するようになってしまうわけですが、店のヒトももちろんイヤな顔ひとつせず当たり前に対応してくれます。

でも最近、自分がどこかのお店のお客さんとしてレジに並んでいると、お年寄りが財布から小銭を出すことに時間が掛かってレジに行列ができるケースを目にすることが多くなっているんですよ。大袈裟ではなく、1~2分ほど時間が掛かっている場合もあったりで、細かく給料に換算すると店員の1分には15円ほどの賃金が発生しているんですよね。

この現象が全国レベルで発生しているとすると、お年寄りの小銭取り出す時間のウエイトだけで毎日数百万円単位での労働機会の損失が発生しているんじゃないかと思うわけです。1件単位、つまりミクロで見れば些細な損失でも、マクロで見れば相当な額になります。

キャッシュレス化することによって、そのようなロスの発生を防げるとすれば、強ちキャッシュレス化も悪ではないかもしれないと考えたり。

でも、小規模の小売業者にとって、日本のクレジット決済利用時の手数料3%(~5%くらい?)って死活問題ですけどね。


リカードとはここに書いていない内容のこともいろいろ話しましたが、送っていただいた1通のハガキの内容だけで結構広がりました。質問ハガキを送ってくださったMさん、ありがとうございました。ちゃんと質問の内容に答えていないかもしれませんが、きちんとリカードとの話題のタネにさせていただきました(それでいいのか)。

次回は来年1月に入ってから繋ぐことを約束しました。近年のスウェーデン(ヨーテボリ)では、クリスマスに街に雪が降り積もる確率は五分五分といった感じらしいです。多くのスウェーデン人ももちろん雪が積もったクリスマスを望んでいるので、今年のヨーテボリに雪が降ることを願います。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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