スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。
「御魚ギャラリー」展示内容
- 18年11月06日(火)~12月15日(土)
『エルサ・ベスコフ絵本展』 - 18年12月18日(火)~19年01月29日(土)
『スウェーデンの冬を描いた絵本展』
お話会(残2席):18年12月19日(水)12時~(詳細)
店外イベント
18年12月15日(土)
「スウェーデンの食と文化 ― ルシア祭とルッセカット」
朝日カルチャーセンター横浜教室 にて
今日のマクラ
TBSラジオが、いわゆる”スペシャルウィーク”をやめるそうで。
“スペシャルウィーク”とは、聴取率調査週間にあたる期間。そのため、各ラジオ番組が聴取率を上げるために「特別なプレゼントや企画を用意するから是非聴いてね」という人気取り的な姿勢が強くなるわけです。
でも、実際は豪華なプレゼントを用意されようが、聴かない番組は聴かないし、逆に聴く番組は聴くし。大半のラジオを聴く側の人間にとっては、「豪華プレゼントを過剰にアピールされる時間の方が勿体ないから普通に番組進めてよ」くらいの冷めた態度であったようです。
それを考慮した結果が冒頭にあるように、TBSラジオがスペシャルウィークの概念をやめるという考えに至ったということなんですね。
提供側のエゴで「ないよりあった方がいい」と思っていることって、結局消費者側に届いていなければやっている意味がないということなのですが、実際にこの英断を下すには勇気がいったことだと思います。
聴取率トップであるTBSラジオですら危機的状況ともいえるラジオ業界的。すでに
ちょうど今日、リッラ・カッテンでもこんなハナシになっていたんです。会話の内容は抽象的にしますが「コレ、お客さんに存在を気が付いてもらえないなら止めちゃってもいいんじゃない」みたいな。その際、「アルフィーの坂崎幸之助のアコースティックギターじゃないんだから」と上手いこと言ったのに、店長にわかってもらえませんでした(もちろんアルフィーは坂崎幸之助がいなくては成立しないでしょうけれど)。
燃え上がれ!愛のレジスタンス。
今日の時間泥棒
12月18日(火)からの展示、『スウェーデンの冬を描いた絵本展』に並べる予定の絵本作品の一部を紹介したいと思います。ここで紹介するのは10作品ですが、この後の準備段階でもうちょっと増えるかも。
「冬がテーマ」という縛りは設けつつ、裏テーマとして「スウェーデン絵本作家の層の厚さを世に知らしめる」という目論みもあるので、どの絵本も「スウェーデン絵本を語る上で知っておいて損はない作家/作品」であることも意識して選びました。
画像と超簡易的な説明をツラツラと並べていきます。メンドウなので、ここでは読み仮名は振りません。展示の時にはちゃんと読み仮名振っておきますから。
1冊目は、作:Astrid Lindgren/絵:Ilon Wiklandの「Kajsa Kavat hjälper mormor」という作品。
スウェーデンといえば言わずもがなのリンドグレーン作品ですね。リンドグレーン作品のなかからどの冬絵本にするか迷ったけれども、スウェーデンのクリスマス文化を紹介するという点で見ると、この絵本がピッタリだという結論。
2冊目。作&絵:Inger och Lasse Sandebergによる「Tummen」。厳密には絵本と小説の間のような作品だけど。
サンドベリ夫妻の作品「おばけのラーバン」シリーズにも、「アンナちゃん」シリーズにも、クリスマスがテーマの絵本がありますが、あえて日本語訳されていない「Tummen」(翻訳されてないよね?)。
サクサクいかないと終わらないので、3冊目。Gösta Knutssonによる「Pelle Svanslös」。登場人物の顔が濃い!個人的にはデビルマンとか、そういう永井豪イズムを感じます(よく知らんけど)。
でもスウェーデンにおいてのクラシカルな作品として知っておいて損はないので入閣させます。
4番打者、Elsa Beskowの「Olles skidfärd」。
いまエルサ・ベスコフ展やってるし、エルサ・ベスコフ作品を今回の展示に入れるかどうか迷ったけれども、すべてのヒトがエルサ・ベスコフ展を訪れてくれたわけではないので連荘で出勤してもらいます。
5冊目、Bertil Almqvistの「Barna Hedenhöf på vinterresa i Sverige」。
何気にシリーズ第一作にあたる絵本が「げんしじん ヘーデンホスおやこ」として日本語で翻訳出版されているという驚きのダークホース。しかし、かつて翻訳されたとしても不思議ではないくらいにストーリーや発想が満点のシリーズだと思う。
6冊目、Sven Nordqvist先生の「Pettson får julbesök」。大学時代、スウェーデン人の先生が教材として紹介し、自分にとって初めて触れたスウェーデン語の絵本はこれだったかも。
絵本シリーズの正統な続編はもう10年ちかく作られていないけれども(スピンオフ的な作品はたまに出るけど)、いまでも近代スウェーデン語絵本を語る上で欠かせない存在の『ペットソン&フィンダス』シリーズの1冊。
7冊目、Olof och Lena Landströmの「Bu och Bä i blåsväder」。2冊目として紹介した絵本の作者と同じく、夫婦絵本作家による作品。
ヒツジのブゥとべェが主人公のシリーズ、とにかくゆるい。文章がとにかく短いのに、余白を感じさせるストーリー展開づくりが素晴らしいので、スウェーデン語を習い始めたばかりの方にオススメできるシリーズ。
8冊目、Ulf Löfgrenの「Albin och de busiga tomtarna」。じつはまだこの「Albin」シリーズをあんまり読んだことない。本棚を漁っていたらサンタが描かれていたので。
でも同じ作者による絵本シリーズ「Ludde」シリーズが面白いから、きっと「Albin」シリーズも面白いにちがいない。展示会が始まるまでにはもちろん読んでおきます。
9冊目、作:Eva von Zweigbergk(読み方がよくわからん)、絵:Birger Lundquistによる「Johans jul」。
クリスマスからニューイヤーまで、スウェーデンの年末年始を彩り豊かに描いた絵本。この作者コンビによる作品はおそらくこの1作だけだけれども、単発作品としては一番好きな絵本かもしれない。文化を知るためにも重要な一冊。
最後10冊目、Kaj Beckmanによる「Måns och Mari om vintern」。
この絵本は冬の習慣を描いた作品ということで、ほかの四季それぞれに対応した絵本もあります。ストーリーよりも文化を描写することに重きを置いたシリーズ。
主人公の一人、Mariが着ている三毛猫柄のパーカー欲しい。
急ぎ足でスウェーデンの冬を舞台にした絵本10冊を紹介しました。
ちなみにここで紹介した絵本は店の商品棚から引っ張り出してきたものだけで構成したので、実際の展示の際には自宅の書庫からの絵本も加えて展示する予定です。
余談ですが、夏を舞台にした絵本となると一気に候補が少なくなります。2、3冊くらいしか思い浮かばない。スウェーデンにおいてそれだけ冬は読書の季節ということなのかもしれません。夏は外で遊べ、ということですかね。
この展示会に関するお話会も残2席、つまり現時点で4名の方にお申込みをいただいています(ありがとうございます)。ルッセカットやジンジャークッキーをつまみつつ、これらの絵本のシーンから思いつくままにスウェーデンの「何コレ?」な風習、スウェーデンの絵本作家について、参加者の方の興味に合わせてお話できればと思います。
あ、あと『1日1冊スウェーデン語絵本の情報を登録するプロジェクト』が休止中ですが、忘れているわけではありません。言い訳すると、優先順位が高めの仕事&作業があって手が回っていないのです(12月は特にヤバイ)。一応、データは閲覧できるようになっているのですがページのデザインができていないので超見づらいですが、スウェーデン語絵本データから見られます。