ビョルネンは時間泥棒@19年06月12日(火)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

  • 19年06月11日(火)~19年08月02日(金)
    『インゲル&ラッセ・サンドベリ夫婦作家の絵本展』

店内イベント

店外イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【06月】20日(木)/22日(土)/27日(木)
  • 【07月】06日(土)/11日(木)/20日(木)/25日(土)

今日の時間泥棒


まずはお知らせです。7月12日(金)と13日(土)にスウェーデン洋菓子教室を開催します。テーマは『ルバーブのクランブルタルト』です。

使用する予定の赤いルバーブは、店長がこだわって仕入れている農園のもので、お店でつくる洋菓子にも使われているルバーブと同じもの。ほかの農園からもルバーブを取り寄せることがありますが、やはりこの農園のものはイイらしいです。

ちなみに。店頭での申し込みを経て、現在の残席数は「12日(金)残4席」と、「13日(土)残1席」です。

で。昨日は店休日でしたが、土砂降りの雨のなか絵本の展示を更新してきました。いっつもギリギリなのは、それと知らずに「ギリギリの実」でも食べたんでしょうね。まあ、泳げるけど。

スウェーデン語絵本は、相変わらず商材として利益にもならないし、とてつもなく扱いずらいものですが、それでも絵本が繋いでくれてきた縁もあるので、お金じゃないところでキチンと店の大事な部分を形成しているのでしょう。

今回は「インゲル&ラッセ・サンドベリ」という夫婦の絵本作家がテーマ。個人的にはスウェーデン語絵本に興味がある方であれば避けては通れない存在だと思っています。そして、展示に添える文章を書くために、夫のラッセ・サンドベリのWikipediaに掲載されている文章をザっと拾い読みしたのですが、更に彼らに興味が持てました。

スウェーデンにおける絵本の社会的役割。彼らの絵本はそれらを広く体現しているように思えるのです。

自分にとっての新しい発見は、例えばこの絵本。「Tummens mamma slutar rökaトゥンメンス・マンマ・スルータル・ルーカ(おやゆびママの禁煙)」という絵本。インゲル&ラッセの代表シリーズのひとつに登場する「おやゆびくん」というキャラクターがいて、タイトルそのままの「おやゆびくんママ」が禁煙を目指すというストーリー。

この絵本を初めて手にしたときから「攻めたテーマだな」と思いましたが、インゲル&ラッセ夫婦は禁煙活動に積極的で、禁煙に対する3冊の啓蒙を促す内容の絵本を手掛けたとWikipediaに書いてありました。

サンドベリ夫婦は社会に対するメッセージを含んだ絵本も多く手掛けてきましたが、その社会的メッセージをかわいらしいキャラクターを通じて、面白いストーリーのなかに練り込むのが上手なんですね。

日本の絵本にそれほど詳しいわけではありませんが、日本の絵本とスウェーデンの絵本では、社会から期待されている役割が違うような気もするのです。

展示では10冊を並べましたが、それぞれの絵本にはどんな内容を扱った絵本なのかが分かるように短い説明を付けておきましたので、スウェーデン語を読めない方でも「こんなテーマの絵本を作っていたのか」ということが分かってもらえるかと思います。

イラストを担当していた夫のラッセは既に亡くなってしまっているため、もう夫婦による作品は生まれないわけですが、でももしまだ2人が活躍していたら『歩きスマホ』とかをテーマにした絵本とか描いてくれていたんじゃないかな。

もうちょっと彼らの存在が日本で知名度を得てもいいんじゃないかと思いますけどね。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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