北欧絵本@Tummen tittar på natten

インゲル&ラッセ・サンドベリ夫妻による「おやゆびくん」の物語。まだ日が明けない夜の世界をおやゆびくんが探検します。

タイトルの「Tummen tittar på natten」を日本語にすると、「おやゆびくん、夜を見る」といった意味。スウェーデン語で「tummen(トゥンメン)」は、ずばり「おやゆび」なのです。

まだ夜が明けきらないうちに目を覚ましてしまったおやゆびくんは、夜の探検に出掛けることにします。とても好奇心旺盛なおやゆびくん。

このおやゆびくんは、イラストを担当しているラッセ・サンドベリ(Lasse Sandberg)の指をスタンプ台に押し付けて、紙に写して描かれています。よく見ると、おやゆびくんに指紋の模様が浮かんでいますね。

ちなみにこちらが1978年のシリーズ最初のころのおやゆびくん。いまのようなまんまるではなく、ちょっとヒョウタンのようなカタチでした。

暗い外には霧がかかっています。一部フォントの色をグレーにすることによってその雰囲気が表現されているところが遊び心溢れるサンドベリ夫妻らしい細かい演出。

探検していく中で出会った、暗闇に光る2つの目。

「きっとトロルたちは起きている間は目を閉じていて、寝ている間は目を開けているんだ。よし、起こしてみよう!」

突拍子もない発想の持ち主のおやゆびくんは、この2つの目をトロルの目だと考えているようです。(注:トロルだって寝ている間は目を閉じると思います)

とりあえず石を投げてトロルを起こそうとしてみたり。

おやゆびくんのママ。おやゆびくんは暗闇で出会った不思議な体験をママに話すのでした。

おやゆびママは、こうみえて実は喫煙家だったりします。

最後に、ヨーテボリの蚤の市で見つけたおやゆびくんのぬいぐるみ。手足はヒモで作られていて、ちょっとチープなところがいいんです。モフモフしています。

日本ではあまり有名ではないキャラクターかもしれませんが、じわじわとくるその愛くるしいキャラクターがクセになりますね。

インゲル&ラッセ・サンドベリ作品の中では読みやすいテキストなので、スウェーデン語が少しわかってきたかも!というくらいの方であればスウェーデン語も読みながら楽しめる内容の絵本です。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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