北欧絵本@ABC by Lennart Hellsing

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レナート・ヘルシング(Lennart Hellsing)とポール・ストロイエル(Poul Ströyer)のコンビによる、彼らの作品の集大成ともいえる最高のポップ絵本です。

レナート・ヘルシングが楽しく弾むテキストを担当し、そこにポール・ストロイエルが大胆なイラストを添える。北欧スウェーデン語の絵本を専門に扱うLilla Bokhandeln(リッラ・ブークハンデル)でも人気のこの一冊。今回はこちらをご紹介します。

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この絵本が発表されたのは1961年(この本の印刷年は1980年)。アルファベットで構成される言語ではおなじみのテーマである「ABC本」の絵本作品。この「ABC」は何度もバージョンを変えながら、スウェーデンにおいて新しい世代に読み継がれている作品のひとつです。

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古本を購入すると、持ち主の名前が書いてあったり、両親や祖父母からへのメッセージが書かれていることもしばしば。この本の元の持ち主は「FREDRIKくん」らしい。スウェーデンではプレゼントとして本を贈ることが多いようです。

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ABC本の基本ルールは、1ページごとのテキストの書き始めが「A」、「B」、「C」と順番になっていること。この絵本も、もちろん1ページ目は「A」の文字からスタート。ちなみにこの絵本は、全編レナート・ヘルシングの詩で構成されています。

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そして「B」から始まる2ページ目。ABC本の醍醐味は、母国語以外への翻訳が難しいこと。文章の意味を変えずにアルファベットのアタマをそろえるのは難しいことですから。

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ポール・ストロイエルのイラストは力強くてとってもポップ。どの絵もポスターにできたら素敵だと思います。

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こちらは日本でも「ちゃっかりクラーケル」として翻訳されているクラーケルくん。しかし、日本で翻訳されているのは陶器作家であるスティーグ・リンドベリ(Stig Lindberg)がイラストを担当したクラーケルくんなので、こちらのポール・ストロイエル版は日本でなかなかお目に掛かれないかも。

この「ABC」という絵本には、レナート&ポールがコンビで制作した絵本のキャラクターが随所に登場します。実は先に紹介した「B」のページにも「Bagar Bengtsson」という絵本の主人公が取り上げられています。

まさに、スウェーデンが誇るレトロ絵本作家、レナート&ポールのコンビによる作品の集大成と呼べる一冊です。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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