まあまあ時間が経ったから書いてもいいかな?というスウェーデン語絵本を巡るエピソードについて書いてみます。
ドラマ制作担当の方から連絡をいただいたエピソード
まだLilla Bokhandeln(リッラ・ブークハンデル)時代の頃だった2015年夏、とある放送局からメールをいただきました(ここでは具体的に何のドラマであったかも伏せますが、気になる方は直接聞いてください)。「ドラマの小道具にエルサ・ベスコフの『リーサの庭の花まつり』が出てくるので、その本の初版ないし1941年までに出版されたものがほしい」とのことでした。もちろんスウェーデン語の原書の初版という意味です。
そのメールを受けて、こちらで調べてみたところ、原書は「Blomsterfesten i täppan」というタイトルで、初版は1914年発行とのことでした。なかなかこの年代の本は見つけることすら難しいですし、あったとしてもきっと数万円の値がついているはずなので、小道具にそれだけのお金を掛けられるものなのかな?という感想は持ちました。もちろん、ダメ元での”確認”だったと思います。
そのほかにも、日本でおなじみの「ニルスのふしぎな旅」をはじめとして、スウェーデン語から日本語のものまで含めて数冊を探されているということでしたが、前述の絵本同様にどれも見つけるだけでも困難であり高値であろうことが予想される本ばかり。当店ではとても用意できるものではありませんでした。
ストックホルムにロケハンに行かれる予定とのことなので、ストックホルムでおそらく一番大きな古本屋(みんなで探してみよう!)の場所をお伝えして、一連のやり取りをクローズとさせていただきました。
まあ、自宅にも店舗にもテレビがないので結局ドラマを観ていないんですけどね。絵本の小道具が必要なシーンはどうなったのか気になりますが。
このエピソードで思ったところは2点。
まずは「ドラマ制作に掛ける熱意ハンパない!」というところ。実際にドラマが放送されたのはメールをいただいた時点からおおよそ1年後ですが、それまでに現地まで取材に行ったり、小道具を探したり、数時間のドラマひとつを作るためにスゴイ労力を掛けている裏側が垣間見えました。
そして、ドラマ制作の担当者さんがウチのような小さな店に問い合わせをくださったこと。当時はネットショップしか無かったにも関わらず、スウェーデン語絵本についてこんな小さな店に問い合わせをくれたことが嬉しく感じられました。
実はテレビ番組からスウェーデン語絵本に関する問い合わせは何度かいただいていたりするんですけどね。問い合わせ内容によってはもちろん対応可能なものと不可能なものがでてきてしまうのですが、「日本でスウェーデン語絵本について問い合わせるなら、まずはリッラ・カッテンだべ」「んだんだ」というポジションを確立できたら面白いな、と思うようになりました。
スウェーデン語絵本を集めてます
そんな背景もあって、スウェーデン語絵本を手に入れたらできるだけ1冊目は資料用として保存するようにしています。古い教科書から無名な絵本、自分が気に入った表紙の絵本などなど。いまではスウェーデンの新書本屋の児童書コーナーに匹敵する冊数になってきました。これはスウェーデン国内から協力してくださる方々のご尽力なしでは実現できなかったことですので、感謝しかありません。
日本語翻訳版についても、販売はしなくても資料用として集めようかなと考えています。スウェーデン語絵本を紹介する機会をいただく際に「できれば日本語翻訳版が出版されたもので…」というオーダーがあったりするので、手元にそれらがあればスムーズに選書ができたりしますし。
ただ、正直に言うと自分はまだ本棚に並ぶ多くのスウェーデン語絵本のほとんどに目を通していません。なぜなら、スウェーデン語能力が乏しいために絵本を読むテンポが悪すぎて、テンポが大事な絵本を全然楽しめないのです。もっとスラスラと読めるようになってからこれらの絵本を楽しみたいという気持ちがジャマをして手が伸びないんですよね。
勉強のために辞書を引きながらゆっくり読む絵本もありますが、いつかスラスラと多くの絵本に目が通せるようになることが当面の目標です。でも定期的にスウェーデン語絵本を紹介するために、ちょっとは読まないといけないかなー、とか思ったりのジレンマ。
別に野望ではないけれども、スウェーデン語絵本が世の中を席巻する時代を日本にもたらすという、壮大なイタズラゴコロが原動力として働いているだけなんですけどね。
ちなみに。スウェーデン語絵本の日本語翻訳版がブームになるのもいいけれども、スウェーデン語絵本を原書のまま読むのがオシャレみたいなブームをつくる方が無茶な感じがして面白そうなので、いまのところリッラ・カッテンでは日本語翻訳版を置いてません。
ちょっと最後の方、話しが大げさになりすぎてマズいですね。頑張りはしませんので、マイペースでやっていきます。
mvh ビョルネン・ソベル