あなぐら@プリンセスケーキはレギュラーになりうるのか問題

スウェーデンを代表するケーキであるプリンセスケーキ。いま、当店でレギュラーメニューとして提供すべきか否か悩んでいます、というお話。

プリンセスケーキの緑色はなに?

のっぺりした緑色の生地に覆われた日本人にとって見慣れない容姿をまとった、スウェーデンの代表ケーキであるプリンセスケーキ。

スウェーデン語では、まだカットしていないホール状態であれば「Prinsesstårta(プリンセストータ)」と呼び、これをカットした状態であれば「Prinsessbakelse(プリンセスバーケルセ)」と呼ぶみたいなのですけどね。そんな細かい定義もあるようなのですが、リッラ・カッテンではどのような状態にあっても「プリンセスケーキ」と呼ぶようにしています。さもないとわかりづらいですからね。

「Prinsessbakelse(プリンセスバーケルセ)」はこのカタチをしたプリンセスケーキのことを指すのだそうです。まんまるのプリンセスケーキを切っても「Prinsesstårta(プリンセストータ)」の一切れ(tårtbit)になるだけということで訂正します。(2016.10.15)

で、この緑色はマジパンです。あまりケーキや洋菓子に詳しくないと、どうしてもアタマの中では「本気パン」の文字が浮かんでしまいがち。(・A・)

何を隠そう自分もそっちの人間なのですが、「マジパン」は砂糖とアーモンドを混ぜたお菓子。少し硬めのこしあんのような食感でしょうか。粘土のようにカタチを自由に変えられるので、ケーキの上に乗せるような装飾品を作ったりするのに便利な存在のようです。

プリンセスケーキをレギュラー化すべきか否か

今ひとつの問題が当店に浮上しています。それは、このプリンセスケーキをレギュラーメニューとして毎日お店に並べるのか否かという問題。

見た目のインパクトはもとより、口に運ぶとラズベリーの風味が広がり、とてもスウェーデンらしいケーキであることは間違いありませんが、このケーキには弱点があります。

ちなみにプリンセスケーキのアタマに乗ったバラの飾りは、カットした状態には付けていません。当店ではホール状態のときのみの登場ですので悪しからず。

弱点のマジパン

マジパンの層をフォークで切ってみたところ

正直、マジパンは好き嫌いが別れる食材だと思います。ハマるヒトはハマるし、ハマらないヒトにはハマらない。

スウェーデン人のお客さんや一度スウェーデンでプリンセスケーキを食べたことがあるお客さんからは好評をいただいていますし、自分が食べてみても味はいい。ちょっと甘めなので、コーヒーや紅茶などの甘みがリセットできる飲み物があった方が食べやすいですけどね。

ただ、当初は物珍しさから地元の方にも買っていただいていたプリンセスケーキも、一通りの地元のお客さんに買ってもらった今では売れ残る日も出てきました。遠方から北欧ファンの方がお店を訪れて注文してくださる日とそうでない日で、売れ方に大きく差がでるようになってきてしまったのです。

というわけで、意外と作るのに時間が掛かるということもあり、最近はプリンセスケーキを平日にお店に並べないことにしていました。その分の仕込み時間を新作だったりクッキーの準備に回したり、お店のラインナップの充実に当てているというわけです。

でも、やっぱりスウェーデンを代表するケーキなんですよね。スウェーデン洋菓子店の肩書を掲げる店がそれでいいものか、と自問自答。SNSに掲載したプリンセスケーキの写真にはたくさんの反応をいただけるし、『食べに行きたい』というありがたい声もいただきますし。

10月はプリンセスケーキ強化月間

さてどうしたものか。というところで、店長と協議した結果、10月は一日あたりの数を限定することを条件にプリンセスケーキを毎日ちゃんとお店に並べてみようか、というハナシになりました。

もしこれで売れ残る日が続くようであれば、しばらく土曜日のみ登場というベンチメンバーに格下げです。小さなお店ながらも熾烈なレギュラー争いが繰り広げられています。

自分もプリンセスケーキの魅力をもっと知ってもらえるように、ちょっと頑張ってみます。10月はプリンセスケーキ強化月間、もう10月半ばだけど。

もしプリンセスケーキを平日に食べに来てくださるという方がいらっしゃれば、前日までにFacebookやらTwitterやらで「とっておいてください」みたいな感じでお知らせいただければ用意しておけるようにします。SNSやっていらっしゃらない方であれば、もちろん電話でも。

とりあえず、以下のページに書いてあるプリンセスケーキの情報が面白そうなので、こちらを参考にプリンセスケーキの魅力を後日まとめたいと思います。

おまけ

自分はブラックのコーヒーが飲めないので、掲載用のプリンセスケーキの写真を撮った後はちゃんと牛乳と砂糖を加えておいしくいただきました。ひさしぶりにホットコーヒーの状態で飲みましたが、これからの季節はアイスコーヒーよりもホットの方がやっぱりいいのかも知れません。

そして、スウェーデンの人気者スイーツのセムラは春先までお待ち下さい。店長は頑固者。まあセムラは本来季節の品なので、それでいいと思います。

mvh ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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