ビョルネン日報@18年10月03日(水)くもり

18年10月03日(水)くもり。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

「御魚ギャラリースペース」展示内容

現在お申込み受付している店内イベント

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【10月】11日(木)/25日(木)/27日(土)

店外で開催予定のイベント

今日のリッラ・カッテン

問題。設題。難題。六波羅探題。

六波羅探題鎌倉幕府の職名。承久の乱後,幕府は北条時房,泰時を京都に常駐させ,幕府の出張機関として公家方の行動を監視させるとともに,洛中警固と西国御家人の統制を任務とした。

引用:六波羅探題(ろくはらたんだい)とは – コトバンク

ルシアをモチーフとした一枚の古い絵ハガキ、これは誰によるイラストでしょう。たぶん、このイラストの存在を日本で知っている方は少ないんじゃないかと思います。自分と店長も「こんな仕事もしてたんだ」って感心しましたから。

スマホのような小さいデバイスで見ている方は判別が難しいかもしれませんが、左下に作者のサインがあります。そう、エルサ・ベスコフ(Elsa Beskow)によるもの。絵本ばっかり描いているものかと思ったら、こういう時候の挨拶のためのポストカードのイラストも手掛けていたんですね。

ルシアが持っているお盆に載っているのはルシアパンとも呼ばれるサフランパンである「ルッセカット(Lussekatt)」と、こちらもスウェーデンの家庭では定番の「ジンジャークッキー(Pepparkakor)」。

エルサ・ベスコフの絵本はたしかにスウェーデンらしさは随所に垣間見られるものの、森が舞台となっていたり自然の描写が多いのですが、こうしてスウェーデン文化を前面に出したイラストを目の当たりにすると、たしかにエルサ・ベスコフがスウェーデン人であったということが再認識できます。

たぶんこのイラストはスウェーデン以外ではあんまり紹介されないんですよ。だって、スウェーデンのルシア祭の存在を知らないヒトにとっては「この子、何してんの?」という絵で終わってしまいますから。

ちなみにハガキ左面下半分に書かれているスウェーデン語のメッセージの冒頭にはこう(*のところはわからない)。

god jul och ett gott nytt år. Tillönskas familjen Bergman af *-a.メリークリスマス&ハッピーニューイヤー。ベリィマン一家より。

消印を見ると「22.12.13.2-3em」とあります。油断すると『1922年12月13日』の消印かと思ってしまいそうですが、この消印はきっと『1913年12月22日』。

じつは自分もこの消印を一瞥した時に前者だと勘違いしてしまったのですが、スウェーデンでは日本とは日付が逆に表記されることが圧倒的に多いのです。つまり、日本式だと「年月日」のところ、スウェーデン式だと「日月年」の順で記載する。クリスマス前に投函したであろうことから察するに、きっとクリスマスが近い後者の日付が正しいと判断します。

さらにこの3か所に押された消印の場所から察するに、きっとローラーのようなハンコで一気に複数枚の上を転がすように消印を押していたんでしょうね。いまみたいに機械ではなく、こうやってヒトの手が入っていたであろう痕跡を探すのも古いものを手に取る醍醐味。

ちなみにこのカードは、11月の東京蚤の市までにポストカード化して販売する予定。(日本国内における)著作権の問題がクリアであるもののなかからどれがいいかと考えているところなのですが、今回はエルサ・ベスコフだけではなく、自分たちが気に入っているベスコフ世代の別の画家のイラストも数点ほどポストカード化することを考えています。

オリジナルは来月のエルサ・ベスコフ展でも展示します。

登録したスウェーデン語絵本情報:
Årets saga av Elsa Beskow(エルサ・ベスコフ)

1月で一年がはじまり、2月がそれにつづく。3月と4月で髪に芽が生えて、5月と6月に花盛りとなる。7月、8月そして9月は素晴らしい季節がつづくけれど、10月、11月、12月は灰色の季節が訪れる。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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