ビョルネン日報@18年09月13日(木)くもり

18年09月13日(木)くもり。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

現在お申込み受付している店内イベント

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【09月】13日(木)/22日(土)/27日(木)
  • 【10月】11日(木)/25日(木)/27日(土)

店外で開催予定のイベント

今日のリッラ・カッテン

最近、「リンドグレーンの描いた世界の子供たち写真絵本展(仮)」の展示会の準備ばかりにアタマが行ってしまって、この日報における洋菓子成分が薄まりつつあります。洋菓子店なのに(いまさらか)。

スウェーデン文化を発信するお店という意味ではベクトルは同じなのですが、あんまり一般ウケしない話題ばかりで飽きられてしまっても困るので、もしお菓子成分多めの情報を欲していらっしゃる方がいらっしゃれば、ぜひ店長が毎日更新している、毎日更新しているインスタグラムもぜひご覧ください。

リッラ・カッテンは現在、スウェーデン文化に関して2つの分野で裾野を広げていこうと画策しています。ひとつは従来のスウェーデン洋菓子であり、今後も軸足をこちらにある状態で動いていくのですが、もうひとつはスウェーデン絵本の分野の開拓。前者は当然のことながら店長が、後者は自分が担当していくことになるでしょう。

というのも、写真にある冊子状の本「大人が味わうスウェーデン児童文学」を読んでみたのです。NHKのラジオで放送されていた番組を書き起こしたもののようで、これがオンタイムで放送されているときから一部スウェーデン語レッスンの生徒さんのあいだでも話題になっていたかと思います。

失礼なハナシ、自分はこういう堅い話題にあんまり興味は持てないだろうなと期待せずに読んでみたのですが、意外と面白く読めてしまって。途中まで読んでいる『化物語(自分にとって初めてのライトノベル)』を放り出して、こちらを先に読んでしまおうかと思えるくらい。最近歳をとったことが実感できるせいか、ちょっと自分の興味の幅が意外なところに延びていたのかもしれません。

「大人が味わうスウェーデン児童文学」を読んだことも相まって、スウェーデン児童文学史に興味がでたことで、最近はいろいろな情報を探りまくっています。これまで日本でほとんどまとめられていないと思われるスウェーデン児童文学史を掘っていくことの、なんと面白いことか。

いままでスウェーデン語の絵本をひたすら集めてきましたが、これまでは目的が収集でした。将来的な資料としての期待を持たせつつ、「ある程度、辞書がなくてもスラスラ読めるようになるまで読むのを待とう」と思って本棚にしまっておいたのです。

しかし。最近ふと、やかまし村の冒頭を読んでみたところ「こいつ…読めるぞ!」と。聡明な皆様がお察しの通り、元ネタはガンダムに初めて乗り込んだアムロ・レイの「こいつ…動くぞ!」ですけど。

普段あまり使わない単語は辞書のチカラを借りなくてはならないものの、ストーリーの主軸は理解できるくらいなので、読んでいて楽しいと感じられるくらいの読解力がいつの間にかついていたようです(リンドグレーン独特の言い回しの意味がわからないところもあるけれど)。

ちなみに自分はスウェーデン児童文学史上の王道ともいえる、リンドグレーン作品を日本語で読んだのは「ミオ、わたしのミオ(スウェーデン語タイトル:Mio, min Mio)」くらい。たしか大学の課題のために一冊しかたなく読まなくちゃいけないというタイミングで読んだような気がしますが、ピッピもエーミルも日本語翻訳版では読んでいません。

それは「リンドグレーン作品が読みたければ自身のスウェーデン語力をアップさせないと読めない」という自分に課した足枷でもありましたが、その枷をついに外すときが来たようです。なんだかセリフに若干の自惚れを感じるけれども、またそれも大事な成長要素。自分で「もしかして成長した?」と認識することがないと、続けていけないことってあると思うので。

例の展示会の準備のために、まずは「リンドグレーンの描いた世界の子供たち写真絵本展(仮)」に展示する予定の9冊を一気読み。なんだか1冊だけ分かりづらい言い回しが多い作品があったけれども、とりあえず全部読み終えて、ストーリーの概要をまとめて作品説明用のパネルは作りました。

でも、やりたいことが増えてしまったり、緊急性の高い仕事が外から入ったりで、思ったよりも準備に時間が掛かっています。最悪10月のアタマには展示会をスタートしたいのですけれど、まあそれまでには(誰も期待していないかもしれませんが、お話会の日程がまだ定まりません…)。

今後展示会を開いていこうということをきっかけに、スウェーデン人と直接やり取りする機会も増えました。もちろんそれはスウェーデン語で。

机の上だけの閉じた世界で使っていた自分のスウェーデン語が、ようやく生きたコミュニケーション手段のためのスウェーデン語として活用できはじめた気がします。

いまだにスウェーデン語でコミュニケーション取っていると、「まさか自分が外国のヒトとコミュニケーションしているとはね」と不思議な気がするんですけど。

登録したスウェーデン語絵本情報:
Visst kan Lotta cykla av Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)

Bråkmakargatan(ブロークマーカル通り)に住んでいるロッタちゃんは5歳になります。ロッタちゃんはみじめな三輪車しか持っていないというのに、誕生日ですら2つの車輪で走る自転車を買ってもらえないというのです。そんなことだからロッタちゃんはあまりにも怒ってしまって、ベリーおばさんの古い自転車に乗って行ってしまいました。でもロッタちゃんにとってその自転車はあまりにも大きく、坂道はあまりにも急で…

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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