ABC-resan

av Elsa Beskow (Bonnier)

アンナちゃんとボゥくんと一緒にABCをまなぶ旅へ、
でも大事な人形がリスに盗まれてしまいました。

1945年に出版されたエルサ・ベスコフによる「ABC絵本」で、出版から70年以上経ったいまでも版を重ねて愛されている作品です。

この物語の主人公である"アンナちゃん"と"ボゥくん"はABCを学ぶための旅に出ます。

二人は"自転車"に乗って出発すると早速、ボゥくんが「まずは水浴びしよう!」と言い、アンナちゃんも喜んでその提案に乗ることにしました。しかし浜に一緒に持ってきていた大事な"人形"を忘れて行ってしまいました。人形は「もう誰もわたしのことなんか気にしていないんだ。もうアンナちゃんに会えないんだ」と悲しみます。

そんな人形のところへ一匹の"リス"がやってきて、口にくわえてサッと持って行ってしまいました。それを目にしたアンナちゃんは、リスに「待って!待って!」と叫びます。その叫び声を聴いた"サカナ"が近寄ってきて、「さあ乗りなさい、泳いで一緒に泥棒をつかまえに行こう」と言いました。"カエル"もサカナの背に乗るのを手伝ってくれて、二人は人形を取り戻すためにリスを追いかけはじめました。

ここまでのあらすじのなかで登場した、「"(ダブルクォーテーション)」で括ったキーワードが、「Anna(アンナ)」、「Bo(ボゥ)」、「Cykel(自転車)」、「Docka(人形)」、「Ekorre(リス)」、「Fisk(サカナ)」、「Groda(カエル)」と、ABCの順に並んで登場していますが、こうして物語はスウェーデン語の最後のアルファベットであり「Ö」まで続いていきます。

スウェーデン語だからこそ成立するストーリー展開なので、世界で読まれているエルサ・ベスコフの作品とはいえ、なかなかこの作品が翻訳されることはないでしょう。

スウェーデン語を勉強してこそ楽しめる絵本なので、スウェーデン語学習を始める際にはこの作品が読めるようになることを学習のひとつの目標にするのもいいかもしれません。

(文: ビョルネン・ソベル)

発行年1945年
印刷年 1953年
作者 Elsa Beskow (エルサ・ベスコフ)
出版社Bonnier
サイズW: 220mm x H: 260mm
ページ16ページ

Elsa Beskow (1874-1953)

エルサ・ベスコフは19世紀末よりイラストレーターとして活動をはじめ、1897年に自身による初の絵本「Sagan om den lilla, lilla gumman(ちいさな ちいさな おばあちゃん)」で絵本作家デビューしました。かつての牧歌的なスウェーデンの姿や豊かな自然を背景とした作品を多く手掛けました。ベスコフの作品に登場するキャラクターのなかには、彼女の子供たちや親戚、ご近所さんたちがモチーフになっている場合も少なくないそうです。

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