10までかぞえられるこやぎ(福音館書店) Killingen som kunde räkna till tio
av / Björn Berg (Rabén & Sjögren)
何かができるようになったことが嬉しくてたまらない、
そんな気持ちを抑えきれなかった仔ヤギのお話。
ノルウェーの作家であるアルフ・プリョイセンと、スウェーデンの画家・イラストレーターであるビョーン・ベリィの、「スプーンおばさん」シリーズを手掛けた2人による絵本です。
10まで数えられるようになった仔ヤギが主人公。嬉しくなった仔ヤギは、まず水たまりに映った自分の姿を「いち」と数えます。近くで草を食みながらその様子を見ていた仔ウシがやってきて「なにをしているの」と尋ねると、仔ヤギは「自分のことを数えていたんだ、キミのことも数えていいかな?」と返します。
仔ウシは「痛くないならね」と言ったものの、やはり自分が数えられるのが怖くなり逃げ出してしまいます。それでも仔ヤギは、自分と仔ウシを「いち、に」と数えました。そこに母ウシがやってきたので、今度は母ウシを含めて「いち、に、さん」と数えると、母ウシを怒らせてしまいました。怒った母ウシは仔ウシと一緒に追いかけてきます。
仔ヤギは逃げながら、道で出くわす動物たちのことも数えてしまいます。みんな、自分が数えられてしまうということがよくわからなくて混乱してしまって、やはり彼らも怒って追い掛けてくるので、仔ヤギとその仔ヤギを追いかける一団はどんどん大きくなっていきました。
このまま仔ヤギが追いかけられ続けて最後はどうなるのだろうと、大人が読んでいてもワクワクします。読みながら最後のオチのことを考えてしまう時点で「自分は大人になってしまったんだ」と自覚してしまうのですが、子供だったら物語に没頭して、逃げ回る仔ヤギがどうなってしまうのだろうとハラハラしながら見守るのかもしれません。
アルフ・プリョイセンによるリズミカルに進むストーリーも好きですが、ビョーン・ベリィが描く4つ足動物の躍動感も好きです。
(文: ビョルネン・ソベル)
発行年 | 1973年 |
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印刷年 | 1956年 |
作者 | Alf Prøysen (アルフ・プリョイセン) |
挿絵・写真 | Björn Berg (ビョーン・ベリィ) |
出版社 | Rabén & Sjögren |
サイズ | W: 140mm x H: 170mm |
ページ | 24ページ |
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