Eva möter Noriko-San

av Astrid Lindgren / Anna Riwkin-Brick (Rabén & Sjögren)

スウェーデンの女の子、エーヴァが夢見る
遠くの国ヤーパンに住むノリコさんとの文化交流。

エーヴァはおかあさんに、とある遠くの国について書かれた本を読んでもらっていました。その国の名前は「Japan(ヤーパン)」といいました。

「ねえ、ママ。わたしは明日、ヤーパンへ旅行しにいくんだよ」といいだすエーヴァ。「そこには女の子が住んでいて、わたしと同じ5歳で、一緒に遊ぶんだ。そう、名前はノリコさんっていうの」と空想は続きます。

シーンはエーヴァが飛行機に乗り込む様子に移り、ヤーパンに住むノリコさんの下へ向かいます。ノリコさんは、畳の上に布団を敷いて寝て、温かい湯舟につかる前に身体を洗って、箸でご飯を食べて、着物を着て過ごします。外では神輿を担いだ祭りが行われ、一方で家のなかには雛壇が飾られて、庭ではこいのぼりを手に持って走りまわったりもします。

この本の文章を担当したのはアストリッド・リンドグレーン。おそらく生涯で日本を訪れたことのなかったリンドグレーンは、写真家のアナ・リウキン=ブリックが撮影してきた写真などを基にインスピレーションを膨らませて、日本のことを調べて、この写真絵本のためのテキストを執筆したのだと思います。

作品には色々な日本の文化が詰め込まれていて、日本をよく知っている側からするとツッコミたくなる場面も少なくありません。しかし、この本がつくられた1956年という年代を考えると、スウェーデンの子供たちが日本という国の文化を知るための入り口としての役割を果たしたことだと思います。

余談ですが、この写真絵本は、写真を担当したアナ・リウキン=ブリックと縁の深かったイスラエルでも翻訳されて人気を博し、この絵本に登場する「ノリコさん」はとても有名な存在になりました。それこそ、海外に関する情報の乏しかったイスラエルにおいて、こうした外国の文化について書かれた本は貴重な情報源であったという背景があったようです。

後日談として、大人になったエーヴァさんは、ノリコさんに再会するために日本を訪れたことがあります。そして、無事に会えたみたいですよ。

(文: ビョルネン・ソベル)

発行年1956年
印刷年 1956年
作者 Astrid Lindgren (アストリッド・リンドグレーン)
挿絵・写真 Anna Riwkin-Brick (アンナ・リュウキン=ブリック)
出版社Rabén & Sjögren
サイズW: 210mm x H: 260mm
ページ47ページ
2024 © スウェーデン菓子「リッラ・カッテン」