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あなぐら@センター試験のムーミン問題について

2018.1.15

センター試験でムーミンとフィンランドの関係性について、世の中で議論されているけれども、それについてどう思っているか、というお話。

2018年1月のセンター試験にムーミンが登場したことによって、その設問の内容が話題を集めたようです。それに対する独り言。

自分もその話題について、問題が出題された当日に何か書こうと思って途中まで書いたのですが、途中で全部消してしまいました。「まあ、どうでもいいかな」って。でも、ようやく自分のアタマのなかでこの事象からどのような教訓を得るべきかがまとまり始めたので、いまこうして話題に触れています。

まず、この話題がここまで取り上げられたことについて。センター試験にムーミンが登場したことが、速報的に受験者によってSNSにアップされたことが発端でしょうか。それが世の目にとまり、それぞれが自分の知っている知識の範囲でいろいろと「自分は知ってるけどね!」みたいな知識自慢が始まっただけで、それをメディアが”ムーミン炎上”とかいう極端なコトバで煽っただけです。

小学校の教室で、先生が「まず授業のはじめに教育テレビの番組を見ます」と言い、教室のカーテンが閉められ、電気が落とされ、教室内全体がちょっとワクワクした気分になる。それと同じだと思いました。教室という普段テレビを見てはいけない場所でテレビを観ていいという高揚感と、センター試験という堅い場所にムーミンというキャラクターが登場したことの高揚感、一緒なんじゃないかと。

これが仮にムーミンではなく、アンデルセンだったら、ほとんど話題に上がらなかったでしょうね(設問の本質が変わってしまうけれども)。

今回のムーミン問題について、いろいろとネットで議論されているかもしれませんが、実際に議論されている内容よりももっと本質的に議論したり、反省したり、得るべき教訓は多いんじゃないかと感じています。だから「ムーミンの原作はスウェーデン語で書かれた」とか「ムーミンの舞台は厳密にはフィンランドではない」なんて事実は、この一件に関しては”どうでもいい問題”だと個人的には思っています。

識者のなかから「ムーミンはそもそもスウェーデン語で書かれたのだから、選択肢にムーミンとフィンランド語を結びつけることを解とするこの設問は成り立ってない」という声も上がっているかもしれません(知らんけど)。でも、センター試験の問題をつくった人間がそこまでひとつひとつの問題に対して深い知識を持つことも現実的に不可能でしょう。”ムーミンはスウェーデン語で書かれた”くらいの事実まで知っているのであれば、ムーミンはスウェーデン系フィンランド人のトーヴェ・ヤンソンによって書かれたというところまで知っているでしょうから、別に問題解けるからいいんじゃないか、とも思うのです。

もちろん、正しい答えがあるのであれば、それを知っておいて損はないですが。

センター試験なんて、受験者がすべての問題に対して有識者クラスの知識を持つことを確認する場ではなく、幅広い基本的な知識を持っているかを確認する場だと思うので、各業界の識者が寄ってたかってセンター試験の問題ひとつにフォーカスして「あーだこーだ」と評論するのも気の毒な気はします。そういう声があることを受けて、受験生が「設問がおかしかったのか」という不安を持つのも、どうかと思いますし。たまたま世間の注目を集めてしまったからここまで深堀されているけれども、すべての問題に対してこのレベルで検証していたらキリがない。

たしかにこの”ムーミン問題”は不条理さを多分に含んでいる設問です。でも、社会に出れば不条理だらけですからね。もっと不条理なことだらけです。今回の問題はビミョーではあるけれども、設問の意図を汲めば解答は見いだせるわけです。だから世の中にそれくらいの臨機応変力は持っておいてほしいと思うのですが、そうはいかないものでしょうか。

まとめると、今回の”ムーミン問題”は世間が騒ぐほどのものではないと思っています。なんだかメディアが面白おかしく取り上げたことで、集団心理的に問題が大きくされてしまって、一見不利益を被ったと感じている人たちの声がまたメディアによって煽られている。そんな構図だと思います。

綴りたい独り言はたくさんあるけれども、長すぎるのでオシマイ。大した学歴のない人間の独り言でした。

最後に。もしこの問題によって人生を狂わされたと感じている方がいらっしゃれば、その憤りをバネに、より一層の高みを目指してみてはいかがでしょうか。たとえば「こんなくだらないセンター試験をつくった人間の代わりに、自分が問題をつくる人間になってやる」とか(誰が問題を作ってるのかしらないけど)。「この問題のおかげで人生が狂わされた」と一生恨みながら生きるのも疲れるでしょ。

ビョルネン・ソベル