ビョルネンは時間泥棒@19年06月27日(金)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

  • 19年06月11日(火)~19年08月02日(金)
    『インゲル&ラッセ・サンドベリ夫婦作家の絵本展』

店内イベント

店外イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【06月】27日(木)
  • 【07月】06日(土)/11日(木)/20日(木)/25日(土)

今日の時間泥棒


今朝のTBSラジオ「伊集院光とらじおと」で、いい言葉がありました。

10時台にゲストで来ていた、女優の藤山直美さんによる言葉で、一字一句合っているわけではないけれども主旨はこのようなこと。「人間の失敗はチャーミングになり得ることが、機械と人間の大きな違い」と。きっと同じような主旨の言葉を発した方はどこかにいるでしょうけれども、今日耳にしたこの言葉は自分の中で今後長きにわたってアタマに残る予感がします。

人間は失敗したときに「あのヒトらしい」と思わせることで、失敗ながらもその場を和ませることだってできるわけです。この自動車のハンドルでいう”アソビ”の部分がないと、コミュニケーションを1ミリでも間違ってはいけないような息苦しい関係が続くことになるわけで。

どこかのお笑いだったか落語家の師匠で「弟子が遅刻したときの言い訳が面白ければ不問とする」なんてエピソードを聞いたことがありますが、これは人間と機械の間には生まれることのない”アソビ”を多分に含んだいいコミュニケーションだと思います。

一方で、対機械へのコミュニケーションは、アソビがないんですよね。ボタンを押したら絶対に期待したどおりの動作を返してくれることがメリットでもあり、逆にそこから1ミリでも間違った反応が返ってくると不良品となってしまう。

自分は最近の社会において、このコミュニケーションのアソビ部分が少なくなっているヒトが多くなってきたとも感じます。対機械コミュニケーションに慣れすぎてしまって、対人間コミュニケーション間に生ずる『予期せぬ出来事』が許せなくなってしまっているんじゃないかと。

これも藤山さんが仰っていましたが、「なぜ最近チャーミングな失敗すら許されない世の中になってしまったと思いますか」という問いに対して、「急いでいるからじゃないですか?」と。『予期せぬ出来事』が起こると、それに対処する時間が必要になりますが、コレが許せないのかもしれません。たとえそれが数秒であっても。

この前フェリーに乗ったときにも、北海道まで飛行機が2時間程度のところを17時間掛かったわけですが、久しぶりに「急がない」を体験することができてよかったかなと思っています。「時は金なり」という言葉があるために、その言葉を実践してしまおうとしがちですが、最近は「そうじゃないだろう」とも思うようになってきました。

要するに。時間に対する余裕を持つことが、めぐりめぐってヒトの失敗を許せる人間になる秘訣なのかもしれません(もちろん、許してはいけない性質の失敗はダメだけど)。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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