18年08月21日(火)はれ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。
- 2018年08月10日(金)/08月22日(水)
お菓子教室「レモンとエルダーフラワーのチーズケーキ」
お申込み状況:8月10日(満席)、8月22日(残2席) - 2018年08月31日(金)/09月01日(土)
スウェーデン夏の風物詩「ザリガニパーティー」
お申込み状況:8月31日(満席)、9月1日(残1席) - 入門者向け「スウェーデン語講座(ガイダンス)」のご案内
- 今後のガイダンス開催予定日
- 08月23日(木)16時~17時
- 08月25日(土)16時~17時
- 09月13日(木)16時~17時
- 09月22日(土)16時~17時
- 09月27日(木)16時~17時
※ お申込み方法はコチラの詳細PDFをご確認ください
店外で開催予定のイベント
【鎌倉店イベント 8月24日】北欧野外文化倶楽部
UPI アンプラージュインターナショナル 鎌倉店さんにて18年11月10日(土)/11日(日)「第14回 東京蚤の市」
調布市・東京オーヴァル京王閣にて
今日のリッラ・カッテン
日曜日、八王子にある富士美術館で行われている「長くつ下のピッピの世界展 〜リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち〜」へ行ってきました。はるばる来たぜ八王子へ。
「長くつ下のピッピ」について、ここであらためて説明するのも面倒なので、作品についての説明はしませんけどね。言わずと知れたスウェーデンを代表する児童文学作家、アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren)本人についてはもちろん、作品に寄せられた挿絵
あまり八王子方面へ赴いたことはないのですが、自宅のある横浜から八王子まではほぼ16号線で繋がっているんですね。電車でいえばJR横浜線とほぼ並走しているようなイメージ。
『八王子=めちゃくちゃ遠そう』というイメージだったのですが、そこまで道路が混むこともなく、遠いといえば遠いけれども、1時間半ほどで美術館に着きました。
ちなみに電車からのアクセスだと、JR八王子駅からバスに乗る必要があるようです。
長い廊下の先に掛けられていたピッピのタペストリーを見つけて反応する3歳児。
美術館なんて飽きちゃうだろうけど、もちろんマディッケンも一緒。3歳児とはいえ、マディッケンも日ごろからリンドグレーン作品に触れているので、少なからず展示されているものが何かはわかるのです。
ピッピのぬいぐるみ、ニルソンさんのぬいぐるみを2つ、ウマのぬいぐるみ、それぞれを所持(いずれもスウェーデンからの戴きものです)。スウェーデン語の意味はわかっていないながらも、ピッピやエーミルの歌もちょっとだけ口ずさめるという、リンドグレーン偏差値高めの生活を送っていますから。
館内の8割ほどは撮影禁止となっていますが、一部の展示は写真撮影OK。そのコーナーの展示物に関しては「SNSでシェアしてね」という旨のメッセージも。
展示の内容はピッピを中心としたリンドグレーン作品の挿絵の原画がメイン。イングリッド・ファン・ニーマン(Ingrid Vang Nyman)、イロン・ヴィークランド(Ilon Wikland)、ビョーン・ベリィ(Björn Berg)などの原画が展示されていました。
自分自身が世界史とか苦手だから理解できますが、この分野にまったく興味ない方にとってはカタカナ名の羅列は全然アタマに入ってこないかもしれませんけれど。お店で彼らのイラストが使われている本を扱っているし、自分自身も彼らの関わった作品は資料として集めています。
写真撮影OKのエリアに展示されていたのは、主にイングリッド・ファン・ニーマンによるピッピ関連作品の原画でした。ニーマンはデンマーク人なので、多くの作品がデンマークのヴァイエン美術館(Vejen Art Museum)に収蔵されているようです。
原画には鉛筆でレイアウトの目安がつけられていたり、メモが書かれていたり、ホワイトで修正されていたり、ニーマンの体温が感じられるものでした。ちなみに右上に書いてある「Sid.12」は「Sidan 12」の略で、つまりは「12ページ」に使うための挿絵だったんでしょうね。マルのなかに書かれた「G」は…「Godkänt(承認・合格)」の頭文字かな?知らんけど。
会場のなかに掲示してあった説明によると、ニーマンは「日本の芸術から影響を受けた」とあります。スウェーデンを代表する画家の一人であるカール・ラーション然り、日本の美術に影響された芸術家って多いんですね。
スウェーデン語版ピッピの挿絵を目にしたときのファーストインプレッションは「ちょっとヤバい人間が描いたのかな?」というものでした。でも、いまではニーマンの絵が醸し出す独特の雰囲気がクセになって、自分はニーマンの生涯に強い興味を持っています。
そんな自分にとって興味深いのは、会場で販売されている図録にも書かれているエピソード。
引用:長くつ下のピッピの世界展[図録] 66ページより(発行:東映、東京富士美術館)
日本ではほとんど知られていないと思いますが、ピッピの第一作が発表された1945年の翌年にあたる1946年、Wawrinsky Annieによって書かれた「Peppo och hans vänner(ペッポと彼の仲間たち)」という作品のイラストも担当しているんですよね。ペッポって誰…
ピッピは出版されるや否や大人気になったらしいですが、その翌年に出版されたのがペッポ。そしてイラストはどちらもイングリッド・ファン・ニーマン。偶然かな?偶然かな?
ピッピに関与したのにその恩恵が限定的であった傍らで、偶然にも名前の似ているペッポ作品のイラストを担当するとか、なんだか精神的ダメージを受けそう…と、思ったのでした。
ほかにもいくらでも書けることはあるのですけどね。図らずも先週末に紹介した「Klumpe-Dumpe(クルンペ・ドゥンペ)」に掲載されていたピッピの漫画の原画があったり、リンドグレーンの動画が会場で流されていたり、ニーマン以外の作家の原画展示があったり。
3歳児のおかげでゆっくり観て回ることは叶いませんでしたが、売店スペースで販売されている図録がかなりしっかり作ってあるので家に帰ってきてからじっくりと展示内容のおさらいができています。
展示会の回し者ではありませんが、もしこの展示に行ったら図録は買って帰ることをお勧めします。
Pippi Långstrump av TEXT: Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)
長くつ下のピッピは世界で一番つよくて、やさしくて、おもしろくて、お金持ちな女の子。一頭の馬、そして猿のニルソン氏と一緒に、ヴィッラ・ヴィッレキュッラ(Villa Villekulla)に一人で住んでいます。ぎっしりとお金が詰まった旅行カバンだって持っています。ヴィッラ・ヴィッレキュッラの隣の家にはトミーとアニカが住んでいて、ピッピが引っ越してきてからというものすべてが楽しくなりました!だって、ピッピがジンジャークッキーを床でつくったり、自分の馬をひょいと持ち上げたり、ピッピを施設に入れようとしてやってきた警察官たちと鬼ごっこして遊んだりするものですから。
ビョルネン・ソベル