ビョルネン日報@18年08月18日(土)はれ

18年08月18日(土)はれ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

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  • UPI アンプラージュインターナショナル 鎌倉店さんにて
    【鎌倉店イベント 8月24日】北欧野外文化倶楽部

    UPI 鎌倉店さんにて、リッラ・カッテン店長を講師として無料のスウェーデン語レッスンを開催します。スウェーデンのトレイルについて書かれた本を教材にしてスウェーデン語を学びます。
    ※ お申込み方法はリンク先のページからご確認ください

今日のリッラ・カッテン

1950年代にスウェーデンでRabén&Sjögren社より発行されていた「Klumpe-Dumpe(クルンペ・ドゥンペ)」という子供向け雑誌。クルンペ・ドゥンペは、ハンプティ・ダンプティのスウェーデン語名。

なぜこの雑誌がこの名前になったのかはよくわかりませんが、いまでも「Klumpe Dumpe-biblioteket(”クルンペ・ドゥンペ文庫”のような意味)」のシリーズ名が残っているので、もし手元にスウェーデン語絵本を持っている方がいらっしゃれば、「このKlumpe-Dumpeってなんだろう?」と思ったかもしれません(少なくとも自分はそう思っていました)。

この雑誌の存在は知っていたのですが、リカードからのお土産として数冊ほどもらったときに初めて手にしました。

先日の日報のなかでアストリッド・リンドグレーンとトーヴェ・ヤンソンが一枚に収まった写真を掲載しましたが(この写真はWikimediaからダウンロード可)、2人がこのKlumpe-Dumpe紙のなかで(ある意味)共演していたことを見つけました。

ところでこの写真が1958年のストックホルムで撮影されたという情報まではわかっているのですが、いったい何の会で撮影されたものであるかの真相まではたどり着けていません。

アストリッド・リンドグレーンは同年に国際アンデルセン賞、トーヴェ・ヤンソンはエルサ・ベスコフ賞をそれぞれ受賞しているのですが、きっとそれらの賞とは関係ない場所でしょうね。

ハナシを元に戻しますが、まずアストリッド・リンドグレーン。イングリッド・ファン・ニーマン(Ingrid Vang Nyman)のイラストでピッピの漫画を連載していました。

Klumpe-Dumpe紙に連載されていたこの漫画は後に絵本としてまとめられて出版され、いまでも購入は可能です。残念ながら当時と同じ内容であれ、印刷の雰囲気が全然ちがいますけれど。

そしてこちらがトーヴェ・ヤンソンのムーミン作品の連載。Klumpe-Dumpe紙に連載されていたのは「Trollkarlens hatt(邦題:楽しいムーミン一家)」のスウェーデン語版がいま手元にないので、この連載が子供向けに書き直されているのかどうかを確認できなくて残念だけど。

でもムーミンの原作は自分のスウェーデン語力だと辞書がないと読めないくらいだけど、このKlumpe-Dumpe紙に載っている文章は辞書がなくても読める。ってことは、やっぱり子供向けに書き直しているのかな。

どちらにせよ、この時代のスウェーデンの子どもたちの間にもスウェーデン系フィンランド人によるムーミン作品が身近なものだったということが分かりますね。

あと、ついでに。日本での知名度はそれほど高くないですが、Eva Billow(エーヴァ・ビロウ)という作家の漫画も連載されていました。1961年にはエルサ・ベスコフ賞を受賞したりしていて、彼女の作品は3冊ほど日本語訳されています。

日本人ウケしそうなタッチのイラストで、個人的に注目している作家なのですが、なかなか彼女の絵本は(少なくとも自分が把握できている範囲において)市場に出回っていないので入手が難しい。

ほかにも陶器デザイナーとして日本でも知名度の高いスティーグ・リンドベリ(Stig Lindberg)がイラストを担当した作品が古いKlumpe-Dumpe紙には掲載されていたり(予想では書籍化されていない)、いろいろな発見があります。

日本で誰も知らなかったようなことを知るのが楽しいだけですので、べつに研究家を気取るわけではないですが、Klumpe-Dumpeはスウェーデンの絵本史を紐解くための重要な資料となりそうです。

登録したスウェーデン語絵本情報:
Pippi flyttar in av Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)

Rabén och Sjögren社より発行されていた子供向け雑誌「Klumpe Dumpe」に掲載されていた長くつ下のピッピをテーマにした漫画をまとめた本。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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