時間泥棒

ビョルネンは時間泥棒@19年03月14日(木)

スウェーデン洋菓子店のブログのようなものですが、スウェーデンがまったく関係ない話題ばかり。

「御魚ギャラリー」展示内容

  • 19年02月05日(火)~19年03月30日(土)
    『日本語に翻訳されたスウェーデン絵本展』

店外イベント

スウェーデン語教室

今後のガイダンス開催予定日(いずれも16時~17時)
  • 【03月】28日(木)/30日(土)
  • 【04月】06日(土)/11日(木)/20日(土)/25日(木)

今日の時間泥棒

FÅGEL BLÅ(1911)

久しぶりに本の話題。この構図の写真の日は見てくれる方の数が少なくなるのですが、それでもこのページを開いてくださった貴方に感謝です。いつもありがとうございます。

1911年に出版された「FÅGEL BLÅフォーゲル・ブロー」というタイトルの児童書。販売者による商品説明には特に書かれていませんでしたが、表紙が一目でそれとわかる「John Bauerヨン・バウエル」によるものだったので、それだけのためにジャケ買いしました。児童書のタイトルが示すとおり、イラストも”青い鳥”がモチーフになっているので、きっとこの児童書のために描きおろしたものだと思います。

本に収録されている作品は「Louis Moe(読み方の詳細不明)」という、ノルウェー出身の作家によるもの。彼も当時のスウェーデン児童文学会で活躍した人物ですけどね。残念ながら(失礼)、ヨン・バウエルによるイラストは表紙だけですが、表紙だけでも素晴らしい。アラレちゃん風に言うと「かっくいー!」ですね。

barnkalenderバーンカレンデル」と併記されています。いままでは騙し騙しに、この「kalenderカレンデル」という単語について「カレンダー?」と思いつつも、「きっと”本”という意味もあるのかな?」くらいに考えていて辞書を引かなかったのですが、ついに調べました。ウチには無駄にスウェーデン語の辞書が何冊もあるのですが、3冊目の辞書にようやく答えが書いてありました。

kalend/er-ern,rar [substantiv]
periodiskt (vanligen årligen) utkommande bok med uppgifter på visst område

引用:SVENSKA ORDBOK + UPPSLAGSBOK(Norstedts)

なるほど。『ある分野における情報がまとめられた、定期的に(1年おきが一般的)刊行されている本』ということらしいです。だからクリスマスに定期刊行されている雑誌には「JULKALENDERユールカレンデル」って書いてあるのか。ガッテン!ガッテン!

ちなみにスウェーデン語でカレンダーのことは、英語的な綴りの「kalenderカレンデル」よりも、「almanackaアルムナッカ」という方が一般的でしょうか(一応、そう習った記憶が…)。

本文はシミだらけ

1911年に出版されたこの本は14巻ということで、つまりこの「FÅGEL BLÅフォーゲル・ブロー」は遡ること1897年にシリーズがスタートしたということでいいのかな。このシリーズの存在はあんまり耳にしたことがなかったけれども。

Elsa Beskowエルサ・ベスコフ」のイラストレーターとしてのデビューのきっかけとなった、クリスマスシーズンに出版されていた子供向けの読み物雑誌である「JULTOMENユールトムテン(意味:サンタクロース)」のスタートが1891年だったり、1890年代は本当に子供向けの読み物が盛んに出版された時代だったんですかね。

じつはこの扉ページには「UTGIVEN AV JULTOMTENS REDAKTION」と書かれていて、この「フォーゲル・ブロー」という雑誌がユールトムテン編集部による出版物だということがわかります。

スウェーデン児童文学の源流をたどろうとすると、イヤでもこの「ユールトムテン」の名前にぶち当たるし、その時代のスウェーデン国内の著名な作家との関りも深い。どれだけの方が名前だけでわかってくれるか知らないけれども、自分がパッと思いつく限りでユールトムテン編集部の仕事を受けたことのある作家は、「Elsa Beskowエルサ・ベスコフ」、「Carl Larssonカール・ラーション」、「Einar Nermanエイナール・ネールマン」、「Jenny Nyströmイェニー・ニーストルム」、「Selma Lagerlöfセルマ・ラーゲルレーブ」、「Ottilia Adelborgオッティリア・アーデルボリ」…そして、今回の「John Bauerヨン・バウエル」。

ユールトムテン編集部ってスウェーデン国内における人脈がスゴカッタンダナァって。1800年代終わりごろからのスウェーデン児童文学界を牽引して、現在のスウェーデン児童文学の発展に一役買ったことは間違いないですね。

エルサ・ベスコフの伝記のなかに、彼女とユールトムテン編集部との関係も書かれていたと思うけれども、それを読めばユールトムテンという存在に少し近づくことができるのかな。

誰もやらなそうなことをやるのは好きなんです。でももし誰かほかにすでに同じことをやろうとしているヒトが居ると、それが分かった途端に一気に醒めるんですけどね。「働きアリの法則」でいうと、自分は絶対に2割の”すぐサボるアリ”だと思うんです。

いや、サボっているようで実はいろいろ考えている、「機動警察パトレイバー」でいうところの後藤隊長のような存在だと思っていただければと。

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