ビョルネン日報

ビョルネン日報@18年08月09日(木)はれ

18年08月09日(木)はれ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

現在お申込み受付している店内イベント

2018年7月のガイダンス開催日
  • 08月23日(木)16時~17時
  • 08月25日(土)16時~17時
  • 09月13日(木)16時~17時
  • 09月22日(土)16時~17時
  • 09月27日(木)16時~17時

店内で開催予定のイベント

店外で開催予定のイベント

  • NEW UPI アンプラージュインターナショナル 鎌倉店さんにて
    【鎌倉店イベント 8月24日】北欧野外文化倶楽部

    UPI 鎌倉店さんにて、リッラ・カッテン店長を講師として無料のスウェーデン語レッスンを開催することになりました。スウェーデンのトレイルについて書かれた本を教材にしてスウェーデン語を学びます。
    ※ お申込み方法はリンク先のページからご確認ください

今日のリッラ・カッテン

今日は店番の傍ら、日報に書くために「炭酸水素アンモニウム」について調べていました。その調べ物の一環でこの物質の匂いを嗅いだら、アタマがその匂いを記憶してしまったようで、ずっとその匂いが鼻から離れなくなってしまった気がします。幻聴、幻視があるように、幻臭という日本語はあるみたいですね。それそれ。

そこまでしたのに、今日が「ムーミンの日」であるということを知ってしまったがために急遽日報の内容を変更しました。炭酸水素アンモニウムについては…明日に回します(洋菓子教室だけど)。

ということで、今日8月9日はトーヴェ・ヤンソンの誕生日であり、ムーミン公式サイトによると「ムーミンの日」とされているようです。2005年のムーミン60周年を記念して、それ以来の14回目の記念日とのこと。各地でいろいろなムーミン関連イベントも開催されていたとか、いないとか。

以下のページになぜ8月9日がムーミンの日となったのかが説明されています。

スウェーデン系フィンランド人であるトーヴェ・ヤンソンの生活言語はスウェーデン語だったことに因んで、リッラ・カッテンにとってもトーヴェ・ヤンソンの存在は無視できないもの。お店で扱っている絵本は基本的にスウェーデン語の絵本のみに限定しているのですが、彼女の作品はもちろん取り扱い対象です。

トーヴェ・ヤンソン本人によるムーミン谷を舞台とした絵本は3冊出版されており、そのうちの一冊が「Hur gick det sen?(ヒュール・イック・デ・セン?)」という仕掛け絵本。

いい機会なので、自宅にある初版と、店で扱っている新装版を比べてみました。雰囲気でわかるかと思いますが、写真の左側が初版、右側が新装版です。

1952年の初版当時からきちんと穴があいた状態で出版されていた

「Hur gick det sen?」は1952年に出版された絵本です。1991年に「それからどうなるの?」というタイトルで日本語訳出版もされています。

ご覧の通り仕掛け絵本で、ほぼすべてのページに穴があけられています。見返し部分にスウェーデン語で「Hålen är klippta hos Gebers!」と書かれていますが、これは「穴はGebers社(出版社)によってあけられたものだよ!」という意味です。

ちなみに現在でも新装版は手に入りますが、この絵本の出版社はGebers社からRabén & Sjögren社に移っているので、この見返しに書かれているメッセージが「Hålen är klippta hos R&S!」とRabén & Sjögren社の頭文字に差し変わったものが出版されています。

自分が初めて手にした「Hur gick det sen?」は2000年代に入ってから新しく印刷されたものだったのですが、「この絵本は1950年代に出版された当時から遜色なく仕掛け絵本として高いクオリティを実現できていたのか」という興味があったので、少し高かったですが手に入れたのです。

結論からいえば、最近になってから印刷されたものとほとんど変わりありません。時代の変遷により技術が進み、印刷技術や精製技術の進化による紙の違いはあります。しかし、印刷のズレも切り抜きのズレもなく、完ぺきな仕上がりと言える状態でした。

この時代の出版物は技術的な問題があるのか、カラーページにおいては印刷ズレが当たり前のように起きていた時代。その時代にこれだけしっかりした印刷物を出版したのには、何かしらの背景があるんだと思います。たとえば、トーヴェ・ヤンソン自身の作品に対するクオリティに対するこだわりとか(根拠のない空想ですが)。

1952年(初版)に印刷された絵本のミムラねえさん
2014年に印刷された絵本のミムラねえさん

初版と重版では微妙な違いが散見されます。

たとえばこの写真に写っている9ページのミムラねえさん。なぜか新しく印刷されたものには初版にあったはずの頬の赤みがなくなっています。こまかいところで言えば、線も細くなっていたり。

時代に合わせていくなかで、微妙な調整がはいることは多々あるようです。このミムラねえさんの顔の描写だけでなく、作中のトーヴェ・ヤンソンのサインが消されているページがあったり、釣りのエサを入れるための缶に描かれていた「MASK(ミミズ)」という文字が消されていたり、色がちょっとずれていたり。

細かくマチガイ探しをしていると、ちょろちょろと違いが見つかるものです。デジタル印刷に移行する段階でトレースする際にズレたのかな?とか、グローバル展開するにあたって表現に問題があるから消してしまったのかな?とか。

ほかにも初版と現行版で本のつくりにちがいがあるので、参考までに写真を交えて紹介しておきます。

背が布張り(古いスウェーデンの本に多い)
本の綴じがホッチキス

長きにわたって出版が続いている本は、印刷された時代ごとの工業技術的な都合による装丁の違いが生まれてくるので、その違いを比べるのも面白いです。

いつだったか凸版印刷株式会社の運営する印刷博物館へ行きましたが、展示されていた内容が自分の求めていたものとなんだか違ってたので、印刷技術の歴史の変遷がわかるような書籍でもあればありがたいのだけれど。

そういえばLilla Bokhandeln時代のブログにおいて、この「Hur gick det sen?」の日本語版のブックデザインについて酷評した憶えがあります。もしその時代から読んでくださっている方がいらっしゃるとすれば、こんな駄文にお付き合いいただきありがとうございます。

登録したスウェーデン語絵本情報:
Mumintrollet och hemliga tecknen – LÄSLÄTT av Tove Jansson(トーヴェ・ヤンソン)

ムーミンパパが川の上に橋を架け終わったある晴れた日、スニフが何かを見つけてきました。不思議な道を見つけたのです。その道はひっそりと森の暗い部分にあり、スニフはしばらく立ってその道を眺めていました。彼は「これはムーミンに教えてあげないと」と独り言を放ちます。

ビョルネン・ソベル

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