スウェーデンおもひで噺 #12「スウェーデンで挫折した噺(3)」


スウェーデンへの留学を目指した噺(3)

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スウェーデン第2の都市であるヨーテボリにある「Folkuniversitetetフォルクユニヴァシテーテット(直訳:市民大学)」というスクールで開催される短期スウェーデン語コースへ通うため、Jan(ヤン)さんの部屋の一室を間借りして2週間ほどのホームステイが始まりました。

ホームステイ先は北欧最大の遊園地とされる「Liseberg(リーセベリ)」からほどなくの場所にあります。ヨーテボリ中央駅からは歩いて20分から30分といったところで、スクールまでは徒歩40分ほど。スウェーデンの冬のなか40分歩くのも大変なので、トラムを利用して通います。

ストックホルムは地下鉄が主な交通手段ですが、ヨーテボリはトラムが交通のメイン。街の至る所で道路に線路が埋め込まれていたり、トラムのために道が広くなっていたり、ストックホルムとは異なる雰囲気を擁した街です。

そしてヨーテボリはオランダの街づくりを模して造られたこともあり、街の中心地には運河が通っています。ヨーテボリはオランダ人から「新しいアムステルダム」とも呼ばれていたとか。個人的には、街のサイズとしてストックホルムよりも心地よさを感じるかもしれません。

さて。スウェーデン語クラスに通いはじめるわけですが、自分が申し込んだのは中級クラス。基礎はとりあえず日本で身に着けてきたという認識の上で、初級クラスではなく、背伸びをして一つ上のクラスにしたのです。

自分のほかにスウェーデン語クラスに参加するのはどんな人々かというと、もちろんクラスメイトはスウェーデン人ということはありえません。自分と同じくスウェーデン語を第2言語として習得したいと参加するヒト、スウェーデンへ移民としてやってきたヒト、そして配偶者がスウェーデン人のヒトたちで構成されます。

結果。ぜんっぜんクラスについていけませんでした。

スウェーデン語を第2言語として習得しようとするヒト。すでに英語が堪能だったり、そもそも母国語の言語体系がスウェーデン語に似ていることでコツを掴んでいたりします。自分は英語をほとんど勉強していないので、ここには該当しません。

スウェーデンへ移民としてやってきたヒト。授業に対する姿勢が違います。日本人の遠慮がちな性格とは正反対というか、発言権がなさそうな場面でも口を開いたり、とにかく圧倒されます。

配偶者がスウェーデン人のヒト。家にも先生みたいなスウェーデン人がいるし、言わずもがな。英語が堪能な方も多いでしょう。

サッカーの世界でいえば、Jリーグからイタリアのようなサッカーが盛んな国の試合へ放り込まれたような状態。試合展開のスピードが全然ちがう。

日本の大学で受けていたスウェーデン語の授業とはまったく異なる雰囲気だったのです。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper
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