北欧絵本@Mumintrollet vol.1

ロンドンの夕刊紙であるイブニング・ニュースに連載されていたムーミン・コミックス。その漫画のスウェーデン語版をまとめた一冊です。

1954年7月7日に連載が開始されました。ムーミン本来の言語であるスウェーデン語から英語版への翻訳は、作者であるトーベ・ヤンソンの弟ラーシュによるもの。

ちなみに1957年あたりからムーミンの連載はトーベ・ヤンソンからラーシュ・ヤンソンの手に引き継がれていきましたので、原作者であるトーベ・ヤンソン自身が実際に手掛けていた期間は意外と短かったのかもしれません。

この本は1994年に出版されたものですが、今なおスウェーデンにおいて新装版が出版されたり、日本語版として翻訳・再編集された本も出版されていますね。

画像の一番左上にあるのが記念すべきムーミン登場の第1コマ目。このコマにあるスウェーデン語の「Vad är nu det här?」は、日本語にすると「これはいったい何でしょう?」という意味。

小説版には登場せず、コミックスとアニメにのみ登場しているらしいスティンキー。大人になってからスティンキーがちょっと好きになったというヒトが多いイメージがあります。

根強い人気があるムーミンの親友スナフキンは、スウェーデン語オリジナルではSnusmumriken(スヌースムムリケン)という名前。日本ではあまり馴染みのない、Snus(スヌース:嗅ぎタバコ)を愛用するところから由来した名前ですが、実際にはパイプでタバコを吸うシーンしか登場しないようです。

子供の頃に観た日本のムーミンのアニメの明るい雰囲気とは少しかけ離れた、皮肉と家族愛に溢れるムーミン谷の住人達。よーく見てみるとシュールな彼らの生活を目の当たりにして、今まで持っていたムーミンたちに対する印象もすこし変わるかもしれません。いや、きっと変わります。

トーベ・ヤンソンの描く本来のムーミンに出会える一冊。新しいムーミンの一面に触れてみたい、ムーミンファン上級者を目指す方にオススメです。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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