あなぐら@スウェーデン語の絵本屋をはじめたときのハナシ

スウェーデン絵本専門店だから体験できたことや思うことをつらつらと書き綴るヒミツのあなぐら。

「へー、面白いね!でも、売れるの?」

スウェーデン語絵本を専門に扱うネットショップを開こうと思ったときに、数少ない友達にこのアイディアを話してみた時のリアクションはおおよそこんな感じ。

Lilla Bokhandelnが使用しているネットショップシステムの契約状況を確認してみると、どうやらスウェーデン語絵本専門店と銘打っているLilla Bokhandeln(リッラ・ブークハンデル)は2013年1月に仮オープンしたようです。手元に持っていた絵本を数冊だけとりあえず登録した状態だったかと。

実際に売り物として初期メンバーとなる絵本たちをスウェーデンに買いに行ったのは、仮オープンから1か月ほど経ったまだ現地で雪の降る2月のこと。雪の積もるスウェーデンの道をスーツケース転がして。そしてその時に買った絵本たちをネットショップに登録して4月ごろから本オープンをはじめました。

ところで、なぜスウェーデン語の絵本屋をはじめようと思ったかというと、日本でスウェーデン語を使う機会がまったくないから。大学でスウェーデン語を専攻していたものの、大学を卒業して10年ほど経てみて、せっかく勉強したスウェーデン語をまったく使わないのももったいないので、それならば無理やりスウェーデン語に接する機会を自分で作ろうと思ったのが主な動機です。そこで、スウェーデンに関連した商品でネットショップを始めることにしました。

ネットショップで何を売るかという問題なのですが、北欧雑貨は既に人気が高まっていて、こんな資本金も人脈もない自分がいまさら新たに北欧雑貨屋を初めても太刀打ちできないし、つまらないなと思ったので、まだ誰もやっていないであろうスウェーデン語絵本屋にしようじゃないかと。まあ、無謀ですよね。そもそもスウェーデン語っていう言語の存在すら知らない方も多いのですから。

当時の唯一の命綱は「スウェーデン語 絵本」での月間検索数200件ほどということのみ。とりあえずこのキーワードで1位に表示されるようになれば、延べ200件の訪問が見込めるということを示しています(Googleのマーケティングツールで、指定キーワードにおける月間検索数は調べられます)。しかし、逆に言えば、何もしなければ200件の訪問しか得られないネットショップを目指すことを意味していたわけですが。

しかし、ネットッショップをオープンしたとは言っても大々的に宣伝を打つわけでもなく、のんびりと検索に引っ掛けてくれるお客さんが来るのを待つだけ(いまでもそのスタンスはあんまり変わっていませんが)。コネもツテもない状態でネットショップを立ち上げるのも初めてなので、どうやったら効率的な宣伝ができるのかもまったくわかりませんでしたし。いや、いまでもよくわかっていませんが。

知人・友人から、雑誌とかにアピールすることを勧められたこともありますけどね。でも、自分たちからアピールをしにいって反応がイマイチだったり、仮にスタートダッシュがよかったとしても一時的な火花を散らして忘れ去らたり、いろいろなネガティブなイメージが先行してしまって、とりあえず黙って検索でお店の存在に気が付いてくれるお客さんを待つことにしたのです。

ちなみに記念すべき初めて売れたものは、ダーラヘストの絵が描かれた「定期入れ」。本ではありませんでしたけれども、とりあえず見よう見まねで初めてみたネットショップで実際に買い物をしてくださった方が登場してくれたことは本当に励みになりました。

とまあ、とりあえずそんな昔話をちょっと書いてみました。そんなこんなで始めたお店がLilla Bokhandelnです。また時間があるときに、くだらない昔話やら思うところを書いていきたいと思います。

mvh ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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