あなぐら@スウェーデン語を勉強して得したハナシ

スウェーデン絵本専門店だから体験できたことや思うことをつらつらと書き綴るヒミツのあなぐら。スウェーデン語を勉強することで体験できたことについて。

スウェーデン語という言語が存在していることすら世の中にはあまり認知されていないかと思うのですが、そんなマイノリティー言語をちょっと勉強したことでいろいろな経験をすることができました。

そしていままさに、その稀有な経験は進行中とも言えるのかもしれませんが、スウェーデン語を勉強してみてよかったこと、その一部についてご紹介してみたいと思います。

スウェーデン語をはじめた理由

まず、ちょっとテーマから逸れますが、そもそもなぜスウェーデン語を勉強したのかという理由について書きたいと思います。よく聞かれますが。

スウェーデン語を勉強し始めたきっかけは大学でスウェーデン語を専攻したからなのですが、大雑把に言えばスウェーデン語を選択した理由は英語以外なら何語でもよかったから。

英語の成績は激悪だし、いまから勉強しても英語はもうできるヒトがたくさんいるだろうし、そんななかで今さら勝負しても埋もれちゃうだろうな、という理由で勉強しているヒトが少ない言語にしようと考えたのです。

いまでこそ英語の重要性を痛感する機会が多々あるので素直に英語を勉強するべきだったのでしょうが、なにせ英語勉強に対するモチベーションが上げられる要素が皆無ではしょうがない。

そこで流れ着いたのがスウェーデン語だっただけなのです。

大学の時にはスウェーデンを含む北欧がこんなに日本で受け入れられるものだとは思っていませんでしたけどね。IKEAとかもありませんでしたし、リサ・ラーソンのことも知りませんでしたし、北欧関連の雑誌なんてあまりなかったんじゃなかろうか。

そして多分、先に英語を勉強してしまっていたらスウェーデン語を勉強することはなかったでしょうしね。スウェーデン人は日常会話レベルの英語であれば十分なコミュニケーションが取れる方が大半ですので、スウェーデン語を勉強しなくても問題なく旅行できます(自分は英語できないので、実体験は語れませんが)。

スウェーデン人とすぐに仲良くなれる

スウェーデン語がマイノリティー言語であることはスウェーデンのヒトたちも認識しています。だから、スウェーデン語をちょっとでも勉強したというと喜んでくれるのです。

もちろん、スウェーデン人と英語で会話することで仲良くなることはできますけどね。

しかし、最近「そうだったのか!」と思ったのですが、日本語ができる何人かのスウェーデン人と話していて、みんなが口にするのが「英語は不得意」だということ。そんなことないだろうと疑っていたのですけど、結構多くのスウェーデン人が英語は苦手だと感じているようなのです。

現地スウェーデンのテレビ番組は、英語圏の番組を買い取って下に字幕を付けた状態で放送されています。つまり、声を吹き替えたりはしませんので、英語の音が生活に溢れているわけです。しかもスウェーデン語も英語もゲルマン語派なので、言語体系が似ている関係でスウェーデン語がわかれば英語も理解しやすいハズ。

そう思ってスウェーデン人は英語が得意と捉えていたのですが、想像していたよりも彼らにとっても英語を使うのが大変らしいです。

なので、スウェーデン語で会話をすることが彼らにとっては落ち着くようで、やっぱりスウェーデン語ができればスウェーデン人と一気に距離が縮められるようです。

日本におけるスウェーデン語コミュニティはかなり狭い

スウェーデン語はマイノリティー言語なので、勉強している方は少ないです。なので、スウェーデン語を勉強しているヒトたちのコミュニティに入ると、すぐにさまざまな方との繋がりができてしまいます。

勉強する理由は「スウェーデン語を勉強して旅行に行きたい」とか「リンドグレーン作品が好きだから」とか、いろいろな理由がありますが、スウェーデン語を通じて打ち解けるのも早いと思います(そんなことを書いている自分は相当な引っ込み思案ですけど)。

日本語を勉強しているスウェーデン人も意外と多いのですが、知らないヒトが実は知人との共通の知り合いだったなどといったケースはかなりあります。

スウェーデン大使館もイメージされるような厳重な警備体制を敷いているわけではなく比較的自由に出入りできますので、イベントなどがあれば誰でも大使館内に入ることもできます。

こうしたスウェーデン語学習をとりまく環境は、かなりアットホームな環境だと思うので、スウェーデン語を勉強すると一気に世界が広がります。

IKEAがちょっと楽しい

スウェーデン語学習のちいさなオマケとしてIKEAの楽しみ方が少し変わります。

IKEAの商品名はスウェーデン語の単語からつけられた名前が多いです。決してテキトーに商品名をつけているわけではないのですね。

まるで謎かけのような、ちょっとひねった名前の付け方がされているので、「何でこの名前?」となる場合も多いですが、その理由を推測して回るのも楽しいです。

北欧4カ国で「とりあえずの意思表示」ができる

大学では北欧4ヶ国語(デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語、フィンランド語)が選択できたのですが、その中からスウェーデン語を選択した理由は4カ国どこでも使えそうだったから。

デンマーク、スウェーデン、ノルウェーで使われている言語同士はとてもよく似ているので、ネイティブ同士であればお互いの意思疎通はできるようです。

フィンランドだけまったく違う言語体系に属しているのですが、フィンランドの公用語は2つあります。フィンランド語とスウェーデン語です。すでに何度か紹介しているかもしれませんが、ムーミンの作者であるトーヴェ・ヤンソンはスウェーデン語を母国語とするスウェーデン系フィンランド人でしたので、ムーミンの原作はスウェーデン語で書かれています。

スウェーデンの首都ストックホルムからフェリーに乗ってフィンランドの首都ヘルシンキに行けるのですが、ヘルシンキではスウェーデン語だけでなんとかできました。ユースホステルにチェックインしたり、アアルトカフェに行ったり、マリメッコで買い物したり。

知識としてはフィンランドにおいてスウェーデン語は公用語というのは知っていたのですが、生活する程度であればスウェーデン語で本当に過ごせることを実際に体験できたのはすごくよかったです。

ちなみにデンマークでもノルウェーでも自分からスウェーデン語で話しかけたことはありますが、返ってくる返事が理解できませんでした。だから、見出しの「とりあえずの意思表示」となるわけです。会話のキャッチボールをしようとすると難しい。でも、相手はスウェーデン語をわかってくれますよ。

結果的にはスウェーデン語でよかった

特に理由もなくスウェーデン語を始めたのですが、結果的に良かったと思います。自分はかなり中途半端なスウェーデン語ですが、それだけでも十分に貴重な体験を多く得られました。

英語を勉強したいと思っているけれども、なかなか始められないという方には、こういった未知の言語を勉強してしまうというのもアリだと思います。

英語は学校でもうすでに何度か触れてしまっているだけあって、大人になってから勉強するにしてもなんだか新鮮さがなくて楽しくないなーと感じてしまったり。

しかも英語圏の方に英語で話しかけても全然喜んでくれないですからね。

ほんのちょっとカジるだけで一気に世界が広がる北欧語は、勉強するのにオススメだと思いますよ。

大学の時にスウェーデンを一人で旅行したときの記憶なども少々残っているので、そのうち書いてみるかもです。

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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